新市場戦略

Asana Japan

MARKET STRATEGY

働き方のDXを実現。
生産性を向上させるワークスタイルイノベーションの鍵とは

日本のマネジメントは、米国の2倍も生産性の低い会議で時間を無駄にしている――。こんなショッキングなデータをご存じだろうか。日本企業において、これまで見過ごされてきた「働き方のイノベーション」を実現し、生産性を上げるために本当に必要なこととは何かを考えていく。

The voice of person in charge

会社のミッションと個人のタスクをひもづける。
Asana独自のテクノロジーで働き方改革を実現

コロナ禍を経てハイブリッドワークが日常となりつつある中で、私たちは数多くのツールを使うようになりました。しかし、それらのツールは本当に仕事の効率性を高めているのでしょうか。その解決の鍵となるのが、すべてのタスクを会社のミッションにまでつなげるAsana独自のテクノロジー「ワークグラフ」です。働き方のDX事例を参考に、壁を突破するヒントをつかんでいただければと思います。

ゼネラルマネージャー 立山 東

イノベーティブな企業とそうでない企業を分ける4つのキードライバー

ワークマネジメントプラットフォーム「Asana(アサナ)」を提供するAsana Japanは、働き方の変革を進める企業の最先端事例を紹介するイベント「WORK INNOVATION SUMMIT 2024」を開催。当日は、日本を代表する企業から100人以上のリーダーが参加し、会場は熱気に包まれた。

最初に登壇したのは、世界の企業の働き方を研究するAsanaのシンクタンク「The Work Innovation Lab」所長のRebecca Hinds氏だ。これまでの研究の中で、イノベーティブな企業とそうでない企業を分ける4つのキードライバーがあるという結論にたどり着いたという。それが「キャパシティ(仕事の容量)」「レジリエンス(組織の回復力)」「ベロシティ(作業スピード)」「コネクション(チーム間のつながり)」だ。

Asana
The Work Innovation Lab
所長

Rebecca Hinds 氏

「日本のエグゼグティブは、1週間に11時間も生産性の低い会議で時間を無駄にしているという調査結果が出ており、これは米国の2倍にもなっています。また、会社の戦略的なゴールに自分の仕事がどう貢献しているのか分からないという社員も少なくありません。使用するツールもバラバラで、ツール間の行き来で毎日45分も使っているというデータもあります。日本企業の働き方は、この4つのキードライバーに悪影響を及ぼす要因が多いのです」とRebecca氏は指摘する。

つまり、オフィスが「仕事をしているフリをする場」になっているというのだ。ただ忙しく仕事をすれば生産性が上がるというわけではない。重要なのは、会社の目指すゴールに対して、実りあるインパクトを与えているかどうかなのだ。

人的資本経営の体現に向けた
みずほ第一フィナンシャルテクノロジーの働き方改革

みずほ第一フィナンシャルテクノロジー
代表取締役社長

安原 貴彦 氏

次の変革リーダーズセッションには、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー 代表取締役社長 安原貴彦氏が登壇。人的資本経営の体現を目指し、働き方を変革するには、「ワークスタイル」「ワークフロー」「ワークプレース」にイノベーションを起こすことが重要だと話す安原氏。

この中で、「ワークスタイル」の変革を行うためのツールとして同社はAsanaを導入。「Asana上では、我々の会社のミッションを起点に、会社の目標、部署の目標、各プロジェクトの個人のタスクへと、全てがひもづいて管理されています。この社員全員が、自分の仕事がどの目標にひもづいているのかを理解しながら業務を行うことこそが重要になります」(安原氏)。

また安原氏は、マネージャーサイドの意識にも大きな変化が生まれたと語る。「部下にタスクをアサインするにしても、Asanaでは誰が、いつまでに、何のために、何をやるのかをきちんと入力しないとアサインすることができないので、これまでのように『うまくやっておいて』というわけにはいかない。ハイブリッドワークの浸透などワークプレースも多様化する中、マネージャーサイドのタスクアサインに対する意識を変えていくことが非常に重要です。Asanaを活用することで、会社ミッションから各部署・各個人の目標、各タスクへのリンケージ、さらには各タスク、各個人・各部署の目標、会社ミッションという双方向の流れが有機的に結合し、それぞれの進捗状況も俯瞰して可視化することができるのです。日本企業の働き方を変える、いい機会をAsanaが与えてくれたと感じています」と安原氏は語る。

富士通のDXプロジェクト
「フジトラ」の取り組みを加速

富士通
デジタルシステム
プラットフォーム本部
DX Officer (デジタル変革責任者)

小久保 義之 氏

続けて、変革を起こし続けるリーダーとしてプレゼンを行ったのは、富士通 デジタルシステムプラットフォーム本部 DX Officer(デジタル変革責任者)の小久保義之氏だ。

富士通は2020年、IT企業からDX企業になることを目指し、全社員参加で取り組む自己変革DXプロジェクト「フジトラ」を立ち上げた。このプロジェクトの取り組みにおいて、経営陣やIT部門、コーポレート部門、ビジネス部門の各DXオフィサーを中心に、事業・人/組織・マネジメント・業務の4つの領域で、DXのイニシアチブを高めていったという。

改革は現在も続いており、25年度には社員の生産性を22年度比で1.4倍にすることを目標に掲げている。そのために必要なのは、デジタルツールによる働き方の改善とチェンジマネジメントだと考えた。

小久保氏は、デジタルツールを駆使してチームの生産性向上を競う「ニューワークスタイルチャレンジ」を実施。このチャレンジへの参加を募集したところ、10チームほどが集まったという。「その結果、トップのチームは会議や資料作りなどにかけていた時間を、Asana導入前と比べて週当たり115分の削減を実現しました。これは月に換算すると7.6時間となり、およそ1日分もの時間が削減できたことになります」(小久保氏)。

また小久保氏が効果的だったと語るのが「ゴールマネジメント」だ。「Asanaを活用しながら、会社のゴール、チームのゴール、個人のゴールをひもづけました。そこにマイルストーンを置いて、各タスクの進捗状況を、本部長も交えたリーダーシップ会議で毎月トラッキングしていきました。その結果、目標と実績を比較して差分があれば、何らかの問題が発生しているとすぐに分かり、その問題に対して対策を打つことができるようになりました」(小久保氏)。

DXプロジェクトの壁を乗り越える現場担当者の声

続いてのセッションは、働き方改革におけるDXを現場で支えた担当者からの提言を聞くパネルディスカッション。ここでは、富士通 ジャパン・グローバルゲートウェイ シニアディレクター 椋本真由美氏と、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー IT推進部 米良俊輝氏らより話を伺った。

富士通
ジャパン・グローバルゲートウェイ
シニアディレクター

椋本 真由美 氏

まず、「導入時の壁」について椋本氏が感じたのは、現場からの強い反発の壁だったという。

「多くのツールから生まれる煩雑な業務をシンプルにするべく、部門上層部とも調整した上で働き方の変革プロジェクトを推進したのですが、現場に展開する際に思った以上の反発がありました。トップの思いと現場の意識の差を埋めることに多くの時間を割きましたね」(椋本氏)

米良氏は、金融系企業であるがゆえの規制の厳しさが最初のハードルだったと語る。新たなクラウドサービスを導入するには、多くのチェックポイントがあり、トライアルすら難しい状況だったという。「導入できるかどうかではなく、どうしたら導入できるかという前提で考え、一つひとつの問題を根気強くクリアしていきました」(米良氏)。

みずほ第一フィナンシャルテクノロジー
IT推進部

米良 俊輝 氏

では具体的にどのようにして、こうした困難を乗り越えたのだろうか。米良氏が指摘するのは、ビジネスサイドとコーポレートサイドが協力する重要性だ。

「現場にどう浸透させるかを考えるビジネスサイドのメンバーと、ITリスクやコンプライアンスなどに明るいコーポレートサイドのメンバーが、協力し合いながらお互いの領域を超えて取り組めたことが大きかったです」(米良氏)

椋本氏は、現場に納得してもらうために、タスク管理の対象となる業務をすべて洗い出ししたという。「どのような業務があるのか各部門に聞いて回りリスト化をしました。そして、ツールの説明ではなく、どのように業務を変えて、どのような改善を目指すのかという『目的』を地道に説明していきました。前向きな人を巻き込みながら明確なメッセージを伝えることで、現場に腹落ちしてもらうことが重要でした」。

そして、両者ともに言及していたのは、トップのコミットメントの大切さだ。マネジメント層の強力なサポートによって、導入が進んだという場面が多くあったという。会場では、この話をうなずきながら聴いている参加者も見受けられた。DXの推進を行う多くの現場担当者が実感していることなのだろう。

イベント冒頭でRebecca氏は、日本は継続的な「KAIZEN(改善)」を実践するイノベーションの国であるはずなのに、働き方のイノベーションは見過ごされてきたと指摘している。実際、生産性の低い会議やメール、チャットから自分のタスクを探す作業など、「仕事のための仕事」が多すぎると感じているビジネスパーソンも多いのではないだろうか。今回紹介した、みずほ第一フィナンシャルテクノロジーや富士通の働き方のDXに対する取り組みを参考にしながら、自社における「ワークスタイルイノベーション」の実現を目指してもらいたい。

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