生成AI活用事例
三井物産株式会社

商社のコア業務に
生成AIを活用し
生産性向上と
高付加価値業務への
シフトを実現

人とテクノロジーのスパイラルアップを目指す
本記事は、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社の依頼を受けて、同社の広告として掲載しています。
DXの取り組みを加速させる三井物産株式会社では、生成AIの活用も始まっている。最初にその対象としたのは、従来、大量の文書を読み込む必要があった入札や契約関連における業務だ。商社にとってはコアの業務ともいえる。AIを使えば、資料やメールなどから必要な情報を抽出したり内容をまとめたりすることができる。導入後、生産性向上などの定量的な効果を確認した同社は、社員がさらに高付加価値の業務にシフトするなど、次の生成AI活用への歩みを速めている。
DXの取り組みを加速させる三井物産株式会社では、生成AIの活用も始まっている。最初にその対象としたのは、従来、大量の文書を読み込む必要があった入札や契約関連における業務だ。商社にとってはコアの業務ともいえる。AIを使えば、資料やメールなどから必要な情報を抽出したり内容をまとめたりすることができる。導入後、生産性向上などの定量的な効果を確認した同社は、社員がさらに高付加価値の業務にシフトするなど、次の生成AI活用への歩みを速めている。

DXを本格化し、
デジタル総合戦略部を設立

三井物産株式会社 常務執行役員 デジタル総合戦略部長 真野 雄司氏
三井物産株式会社
常務執行役員
デジタル総合戦略部長
真野 雄司
 グローバルで125の拠点を持つ三井物産株式会社は、金属資源やエネルギーなど7つのセグメントで16の事業を展開している。三井物産のミッションは「世界中の未来をつくる」。このミッションを遂行するため、そして様々な部門や世界中のグループ会社を横断的につなぐ上でもデジタルの役割は非常に大きい。

 同社は2017年からDXの取り組みを本格化させ、2020年にはデジタル総合戦略部を設立した。それまで事業部門ごとに分散していたデジタル人材を集約し、全社的なDXを統括するチームを立ち上げたのである。デジタル総合戦略部には多様な専門性を持つプロフェッショナルが集結、様々な現場でDXを推進している。

 「デジタル総合戦略部のPurposeは、『デジタルの力で新しい価値をつくる』ことです。システムをつくる、つくったシステムを安定的に動かすことは重要ですが、それだけでは十分ではありません。システムを使って生産性を高めたり、新たなビジネスを生み出したりする。そんな価値創造を強く意識しています」と語るのは、三井物産の真野 雄司氏である。真野氏は続けてこう説明する。

 「デジタル総合戦略部は先端テクノロジーをはじめ、ERPやデータベース、ITインフラ、セキュリティーなどあらゆるテーマに取り組んでいます。現在、最も注目している技術は生成AIです。インターネットの出現と同じくらい衝撃的な技術で、企業全体に巨大なインパクトを与えると捉えています。私自身は将来、『生成AIを使わない人はいない』といわれる時代が来ると思っています」

 同社では、既に生成AIのビジネス活用がスタートしている。その適用する分野として選ばれたのが入札と契約に関連する業務。商社にとってはコアの業務ともいえる。

 「入札に参加するためには、大量の書類を読み込む必要があります。海外の大規模プロジェクトなど、案件によっては数百ページの関係書類が届くこともあり、その内容を理解しなければなりません。もちろん、業界知識は必須です。すべてを読み込むには通常30~40時間を要し、非常に手間のかかる業務です」と真野氏は話す。

 契約メモの作成も同様だ。専門知識を持つ担当者が、様々な資料、メールやチャットなどでやり取りした情報を基に、一種のフォーマットに落とし込む必要がある。生成AIの登場は、こうした従来業務を変革するチャンスと捉えられた。

 「生成AIを含めAIを使うことで長い文章の処理を半自動化できます。仕様書やメールなどから必要な情報を自動抽出し、要約することもできる。生成AIを契約書で使えば、様々な種類の情報を既定のフォーマットに入れてくれるので、次の業務処理が高速化します」と真野氏。こうして、三井物産の生成AIへのチャレンジが始まった。

入札書の読み込み時間は
40~80%削減されることを確認

 実は、三井物産は生成AIの登場以前から、入札書や契約文書等の書類へのAI(自然言語処理技術)活用を進めていた。従来は識別式の深層学習モデルとルールベース手法を組み合わせる方式を採用していた。しかし、本方式では、ルールベース部分の管理が非常に煩雑で、そこに多くの手間がかかっていたという。「この場合にはこのような処理を行う」というような、人間が登録するルールに基づく管理には限界がある。運用を続けるうちにルールが複雑化し、整合的なルールを維持するための工数が膨らむからだ。

 そんな課題を感じていただけに、同社がルールベース部分に対し、生成AIを取り入れようと考えたのは自然なことだった。様々な候補の中から、三井物産が選んだのは生成AIサービス「Amazon Bedrock」をはじめとするアマゾン ウェブ サービス(以下AWS)の各種クラウドサービスである。AWSを選択した理由として、真野氏が挙げるのは2点である。

 「第1に、AWSを扱えるエンジニアと学習教材の数の多さです。何らかの業務を委託する際、テクノロジーパートナーの選択肢も広がります。第2に、AIモデルの豊富さです。Amazon Bedrockの採用により、複数LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)の試行錯誤を簡単に実施することができました。また、いくつかのLLMを組み合わせて使うこともできます」

 入札書の読み込みや契約内容の確認・契約メモ作成業務で活用するシステムを、デジタル総合戦略部のDX人材が事業部門の担当者と議論しながら要件を定義し、協力して構築。ルールベースで処理していた部分を生成AIに置き換える、すなわち、「識別式の深層学習モデルとルールベース手法の組み合わせ」から「識別式の深層学習モデルと生成AIの組み合わせ」に切り替えることにより解析精度や対応可能な範囲が向上。2023年12月に本導入開始に至った。

 「最初に鉄鋼製品事業の現場で使ってもらいました。実際にシステムを使う担当者たちと一緒に開発したこともあり、ユーザーからはすぐに良好な反応がありました。このシステムはその後、他の事業部門にも展開しています。ユーザー部門とデジタル部門が一緒になってつくることで、使いやすく優れたシステムができる。それは、多くの企業システムに言えることだと思います」(真野氏)

 新たなシステムを構成するのはAWSの様々なサービスである。入札書解析システムの場合、入札書のデータをストレージサービスの「Amazon S3」にアップロードすると、自動的に解析プロセスがスタート。最終的には、Amazon Bedrockを通じて解析結果が出力される。システム構成要素のすべてはAWSのフルマネージドサービスである。

 Amazon BedrockなどAWSのサービスを活用して構築した新システムは、既に大きな成果を挙げている。

 「入札書解析システムの導入により、入札書の解析時間を40~80%削減することができました。また、契約メモ作成プロセスでは人的ミスが少なくなり、再確認や再入力の手間が大幅に削減される見込みも立ちました。いずれも、大きな価値創出につながっています」と真野氏は評価する(図)。冒頭で同氏が述べた“巨大なインパクト”は、既に三井物産のコア業務における大きな効果となって現れ始めているといえそうだ。
入札書解析システムの画面例
入札書解析システムの画面例
入札業務に必要な項目を抽出。契約期間日、特記事項、数量など、必ず確認すべき項目を確認することができる

DXは人の
トランスフォーメーション

 「入札書を読み込むことは若手教育の一環でもありました。以前は、それが合理的なやり方だったと思います。しかし、そうしたやり方が今後とも有効かというと、私は懐疑的です。従来業務の一部を生成AI含めAIに任せれば、人間はより付加価値の高い業務にシフトすることができます。その意味で、新技術は人を定型業務やそれに近い業務から解放するものです」と真野氏は語る。

 一方で、実際の活用場面で最も重要なのは、使う人のマインドセットだと真野氏は強調する。

 「従来からの考え方を捨て切れない社員もいるでしょう。そうした社員のマインドをいかに変革するか。マインドが変わらなければ業務の変革は至難です。したがって、DXの要諦は人にあり。DXは人のトランスフォーメーションなのです」

 人のマインドに働きかけるのは骨の折れる、時間のかかるプロセスだ。それぞれの現場の社員に対して粘り強く説得し、納得してもらう必要がある。中には、「今のやり方でうまく回っているのに、なぜ生成AIを使わないといけないのか」と疑問を抱く社員もいるはずだ。

「『あなたの仕事は5年後残っていますか』といった問いかけを通じて、課題意識を醸成することが重要だと考えています。世の中の変化のスピードは加速しています。そんな時代に、従来の業務スタイルをそのまま維持できるでしょうか。私たちは試行錯誤を伴い険しい道を歩み続ける必要があります。険しい道を踏破するだけの力と時間を与えてくれるのがテクノロジーです」(真野氏)
三井物産株式会社 常務執行役員 デジタル総合戦略部長 真野 雄司氏
 入札書解析システムは、今、多くの事業部門、さらには三井物産グループ外でも活用されつつある。蓄積されるデータが増えれば、生成AIはよりスマートに進化するだろう。やがては、特定の業界や地域における入札傾向の変化を予測したり、高精度で最適な入札額をレコメンドしたりする機能を備えたものになるかもしれない。

 「AIには得手不得手があるので、すべての業務が代替されるわけではありません。ただ、従来業務から解放された人がシフトした高付加価値業務に、いずれはAIがキャッチアップする可能性もあります。すると、人はさらなる高付加価値を追求しなければなりません。こうして、AIと人はともに進化を続けることになるのでしょう」と真野氏は語り、さらにこう続ける。「これは当社に限った話ではなく、世界中の人々が生成AIによって、次の未来をつくる意欲と力を得ることになります。私たちも一歩、二歩前進して、より高付加価値な仕事に取り組みます。AWSには、そのような未来をつくるパートナーになってもらいたいと思っています」。

 真野氏が描くのは、テクノロジーと社員がともにスパイラルアップする企業像である。そのダイナミックな取り組みは三井物産の強力な駆動力になるはずだ。
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