Dynabook株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
覚道 清文氏
Kiyofumi Kakudo
PCの世界で常にトップランナーとして走り続けてきたdynabookが誕生から35周年を迎える。『日経コンピュータ』の「パートナー満足度調査」や「顧客満足度調査」でも高い評価を受けたdynabookについて、Dynabook株式会社の覚道清文代表取締役社長 兼 CEOに、その魅力と今後の展開について話を聞いた。

―dynabookが発売されて35周年です。今の感想をお聞かせください。
覚道 1つの製品として35周年を迎えられたことは、大変ありがたいと思っています。それだけ長い間、ユーザーやパートナーの皆様に支えていただき、私たちの技術力や品質を信頼していただきました。お陰様でPCの領域で確固たるポジションを築くことができました。この場を借りて御礼申し上げます。
35年の間にはいろいろなことがありました。元々東芝のPC事業としてスタートし、6年前にはシャープグループに加わりましたが、親会社が変わってもdynabookのブランドは健在です。これも先輩たちやメンバーの努力の賜物です。

―この35年の間で変わらなかったこと、変えてきたことはどんなことでしょうか。
覚道 薄型、軽量、耐久性、長時間駆動という点にはずっとこだわってきました。15インチのノートPCでも同様です。CPUのパワーが増えて、電力の必要性が高まる中でも、こだわり抜いてきました。一方で、積極的に新しい技術を取り込んできました。それができたのは、ハードウエアの要素技術を擦り合わせる技術力があったからです。
一方で、ビジネスのスタイルは変化させてきました。1989年に初号機を発売した頃はハードウエアで勝負していましたが、ユーザーに長く使っていただいている間にサポートへのご要望が高まり、それに応えられるようにライフサイクルマネジメント運用サービスのようなソリューションの提供にも力を入れてきました。
契機になったのは、2016年に実施した、製造を担当する東芝の事業部門と国内向け販売会社の統合です。ユーザーの声を吸い上げやすくなり、企画から設計、生産、販売までトータルで要望にお応えできる体制が整いました。ユーザーからもレスポンスが早いとお褒めの言葉をいただいています。
現行の機種はCPU、価格帯、画面の大きさなど多様なラインナップをそろえ、特にモバイルPCの機種を厚くしています。2019年に発売して空前のヒットになったGシリーズは累計140万台が販売されています。最近ではバッテリー交換をユーザー自身でできるdynabook X83が人気を博しました。

文教市場向けの機種にも注力してきました。2020年からのGIGAスクール構想に向けて、タブレットとしても使えるデタッチャブルタイプのK50を発売し、「グーグルクローム」対応機種も発売しました。今後も文教市場での存在感をさらに高めるために専用機を投入し、息の長いdynabookファンの層を作っていきます。
―今回、『日経コンピュータ』(日経BP発行)の「パートナー満足度調査」で、法人向けPC部門と「顧客満足度調査」のクライアントパソコン部門で第1位になりました。
覚道 大変光栄に思っています。パートナーの皆様に製品自体と価格競争力を評価していただいたのは嬉しいですね。コスト面だけではなく、製品としての性能と機能があって、収益性の高さにもむすびついています。円安の影響もあって価格自体は上昇傾向にありますが、それでもご理解いただいて、よい商談につながっています。
ユーザーの方からは、性能と機能、信頼性、運用性、コスト、サポートなどあらゆる面で高い点をいただきました。特に性能と機能に高い点をつけてもらったことは、こだわりの製品作りが高く評価されたことだと感じています。
―今後についてはどんな展開をお考えでしょうか。
覚道 これからもハードウエアの技術を高めて、軽・薄・耐・長にこだわっていくとともに、AI(人工知能)への対応を強化していきます。今年の初めにAI対応PCを発売しましたが、今後インテルがAI対応CPUを拡充していきますから、それに合わせてラインナップも充実させていきます。
今後、PCのAI対応は標準になっていくと思いますが、どう使うのかという用途の問題は残ります。パブリックなAIをクラウドで利用することに対して不安を感じる企業ユーザーもありますし、それが自社の業務にフィットするとは限りません。
企業ユーザーとしては自社用にカスタマイズしたAIチャットをクラウドベースで利用するというのが主流になりつつありますが、もっと高いセキュリティーを確保するためにオンプレミスベースで生成AIを活用したいというニーズは必ずあります。そこにハードウエアと一緒にAIの環境を提供していこうと考えています。
今は大規模言語モデルではなく、業種や業務に特化した小規模言語モデルへの注目も高まっています。そのニーズにはオンプレミスで完結できるAI PCが適していますし、当社のようなデバイスメーカーがシェアを広げることができます。
現在、両眼透過型XRグラスを開発していますが、AI PCにユースケースを提供することで、デバイスメーカーとして生成AIの普及を後押ししていきます。
多くのビジネスパーソンは長い間PCを使っている人が多く、その2割がdynabookのユーザーです。引き続き新しい高品質な製品を提供して、利便性の向上に貢献していきます。今後の展開にもぜひご期待ください。
Dynabook株式会社
〒135-8505 東京都江東区豊洲5-6-15
NBF豊洲ガーデンフロント
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