サプライチェーン全体でCO2の削減が求められるなど、企業は脱炭素社会の実現に向けた取り組みを本格化している。アスエネは、CO2排出量を見える化するデータ基盤、脱炭素のコンサルティングとソリューションの提供、ESG評価サービス、カーボンクレジット・排出権の取引所などをワンストップサービスで提供する。同社のサービスの特徴や強みについて、Founder & 代表取締役CEOの西和田浩平氏に聞いた。

導入企業は9000社超
3つの価値をワンストップで提供

アスエネ株式会社
Founder & 代表取締役CEO
西和田 浩平氏

アスエネは2019年10月にFounder & 代表取締役CEOの西和田浩平氏が設立。5年で従業員が約300人の規模となり、現在は年間百人以上のペースで会社規模の拡大を続けている。

アスエネ株式会社
Founder & 代表取締役CEO
西和田 浩平氏

主なプロダクトは4つある。CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「アスエネ」、ESG評価クラウドサービス「アスエネESG」、カーボンクレジット・排出権取引所の「Carbon EX」、GX・ESG人材特化型転職プラットフォーム「アスエネキャリア」だ。

「アスエネ」は2021年8月にサービスを開始した。導入企業はすでに9000社を超え、日本では2年連続でCO2見える化サービス累計導入社数でNo.1※1となっている。

※1 2024年7月までの累計導入社数。東京商工リサーチ調べ。

「アスエネ」の主な強みは、3つある。1つ目は「サプライチェーン全体のCO2の排出量やカーボンフットプリント(CFP)など製品単位での1次データのCO2を可視化できること」だ。同業他社に多い「費用ベース」の2次データを基にした計算では、削減努力の実態を反映した正確な算定ができない。「アスエネ」を使えば、メーカーがサプライヤーからのCO2排出量の1次データ収集を自動化でき、それらのデータをもとに企業全体のCO2排出量やCFPを算定、サプライヤーの負担も大幅に軽減する。製造時、輸送時など、製品ライフサイクルの段階ごとに排出量を管理できる。

2つ目の強みは、「気候変動コンサルタントを内製化していること」だ。システムの活用法だけでなく、CO2を算定、削減する具体的な取り組みを社内のコンサルタントが提案している。「システムとコンサルティングの両方を高いクオリティーで提供できる企業は他にないと思います」(西和田氏)。

3つ目が「脱炭素のワンストップソリューション」だ。クラウド、コンサル、CO2削減ソリューションの選定、Carbon EXによる最適なクレジット等の購入、新たに発表のアスエネヴェリタスにより非財務データの第三者保証まで一気通貫でサービスを提供することで、他社に無い唯一無二のポジショニングを築いている。

3つの脱炭素のクラウドサービスを展開。企業の脱炭素経営・CO2削減ならアスエネ

脱炭素とESGを総合的に支援
海外の脱炭素動向にも精通

2つ目の事業の「アスエネESG」では、企業のESGの取り組みを客観的に評価し、改善提案までレポートする。サプライチェーンのESG評価を7段階でレーティングもできる。被評価社含む導入実績では1万4000社を突破、日本でNo.1※2の実績を誇る。

3つ目の「Carbon EX」は、SBIホールディングスとの合弁会社だ。カーボンクレジットや排出権の取引を仲介する。「ボランタリーカーボンクレジット」をはじめ、「J-クレジット」「非化石証書」など、幅広いクレジットの販売と購入が24時間、365日可能なプラットフォームを運営している。登録社数は1200社を超え、日本でNo.1※3の実績を有する。

西和田氏は、脱炭素に関する国際的なバックボーンを持つ。三井物産時代から15年以上、一貫して太陽光・風力発電など再エネへの投資やM&Aの事業に携わってきた。ブラジル・中南米、欧州などで活躍し、海外事業や最新の規制動向にも精通している。アスエネ/西和田氏は「COP28(第28回国連気候変動会議)」にも参加した。「欧米に比べて日本に足りないと感じるのは、強い官民の連携の推進です」(西和田氏)。政府が進める政策と企業の投資がもっと連携すれば、取り組みはさらに効果的になると話す。

※2 サービス開始から2024年6月までの累計導入社数において。*累計導入社数:被評価企業数。東京商工リサーチ調べ。
※3 サービス開始から2024年5月までの登録事業者数において。東京商工リサーチ調べ。

第三者割当増資で50億円
3つの戦略で世界を目指す

2024年6月と8月には、シリーズCで第三者割当増資の形式で50億円を新たに調達した。三井住友銀行がリードインベスターとなり、村田製作所やリコー、日本生命、JERA、KDDIなどが新たに出資している。

調達資金の使い道について「3つの戦略に活用します」(西和田氏)。

1つ目は、マルチプロダクト展開の加速に向けた最良人材への投資、マーケティングの加速、AI(人工知能)への投資の実行。

2つ目はM&A。国内及び海外のM&Aを推進し、非連続な成長をさらに加速する。2024年8月に非財務・脱炭素データの第三者保証業務の事業買収を実施、新たに100%子会社の“アスエネヴェリタス”の設立を発表。今後も再現性をもったM&Aを仕掛けていく。

3つ目はグローバル展開だ。「CO2排出量の可視化、コンサルティング、削減ソリューションの3つのマルチプロダクトをワンストップで提供できる企業は、まだ世界にありません」(西和田氏)。米国にも企業の脱炭素を支援するサービスはすでにある。しかし、製造業に強みを持つ企業はまだ少なく、アジア・米州など様々な拡大チャンスが存在している。

製造業の脱炭素は、容易ではない。しかし、CO2を多く出している業界であり、ここを削減しなければ、カーボンニュートラルは実現しない。アスエネはすでにAPAC、米国に進出し、実績もある。日本の強みの製造業を支援し、日本発のソリューションを世界へ広げていく。

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