増え続ける定型的な法務を
いかにして効率化するか
山本ビジネス環境の複雑化、コンプライアンスの重要性の高まりなどを背景に、法務部門の役割がどんどん拡大しています。そうした中、膨大な業務を円滑にこなせないことに悩む企業が増えています。チェンジグループはこの課題にどう対処していますか。
福留企業法務は、M&Aや新事業立ち上げに関連する法務デューデリジェンス(投資対象企業の法務面のリスク調査)などの戦略的な法務と、契約書の審査をはじめとする定型的な法務の2種類に大別できます。このうち定型的な法務は、事業規模の拡大に伴って増えていきます。本来は、戦略的な法務に担当者のリソースを投下したいのですが、日々の業務に忙殺されて手が回らないのが従来の状況でした。
山本契約書の審査が終わらなければ売上が立ちません。経営インパクトを抑えるため、定型的な法務は確実に遂行する必要がありますが、そうなると、必然的に戦略的な法務は後回しになりますね。
福留そうです。もちろん法務人材を採用する手もありますが、簡単ではないので、当社は戦略的な法務の大半を弁護士に委託していました。
例えば、「新たなサービスの内容に法的な問題がないか」といったことは、本来はまず法務部が要点を整理してから弁護士に相談すべきです。しかし、その余裕がなく、ゼロベースで説明していたため相談コストがかさんでいたほか、事業立ち上げのスピードも落ちてしまうのが悩みの種でした。
山本そこでGVA TECHの法務管理クラウドサービスをご採用いただきました。現在までの導入効果を教えてください。
福留過去の契約書をデータベース化し、契約の種類や内容に応じたテンプレートを利用できるようになったことで、契約書の作成業務を大幅に簡略化できています。また、契約書に潜むリスクや抜け漏れの確認をAIにアシストしてもらうことで、審査に要する時間も短縮。その結果、法務担当者が戦略的な業務にリソースを割けるようになっています。
ビジネスの主体である
事業部門も法務を担うべき
山本このようなチェンジホールディングス様との取り組みの経験も生かして、当社はこの度サービスをリニューアルしました。名称は「OLGA(オルガ)」です。「AI法務アシスタント」「法務データ基盤」「AI契約レビュー」「契約管理」の4つのモジュールから、必要な機能を選択して活用することが可能です。 「全社を支える法務OS」として、OLGAは法務部門の担当者はもちろん、事業部門の方にも法務の概念を“インストール”します。これにより、法務とビジネスの一体化によるビジネス高度化をご支援します。
福留つまり、定型的な法務は、事業部門サイドでもある程度できるようになるということですか。
山本その通りです。かつてチェンジホールディングス様が直面していた「法務がビジネスの足かせになる」という課題は、多くのお客様に共通するものだと当社は考えています。大きな原因は、法務ナレッジの属人化です。そこで当社は、法務ナレッジをテクノロジーによって標準化し、より多くの人が扱えるようにします。これにより、どうしても社内下請け化しがちな法務部門の定型業務にかかる負担を軽減し、より戦略的な業務にシフトできるようにします。
福留「法務は法務部門だけの仕事ではない」ということですね。これは、まさに当社の考え方とも合致します。ビジネスの主体は事業部門であり、契約書は「自分たちがどういうビジネスをしたいか」の意思を託すものなのに、なぜか日本企業は「法的なことは法務部門」と考えて業務を丸投げしがちです。そうではなく、お金の管理業務を経理・財務部門と事業部門がシェアしているのと同様、法務も、法務部門と事業部門がシェアすべきというのが私の考えです。
山本素晴らしいですね。一見、事業部門の負担が増えるように思えるかもしれせんが、細かいことを法務部門に問い合わせて回答を待つ手間と時間が省けるので、むしろ生産性は高まるはずです。
OLGAのスローガンは「“0秒法務”を企業競争力に。」です。事業活動にはあらゆる側面で法務が絡むので、その速度を上げることはビジネス全体のスピードアップ、企業競争力強化に直結するはずです。
福留当社では現在、定型的な法務の担当比率は法務部門9、事業部門1くらいです。GVA TECHのサービスを活用することで、いずれはこれを反転したいと考えています。
生成AIとの対話により
定型的な法務の課題を解決
山本チェンジグループの今後の事業展望をお聞かせください。これまで同様、多様な新規事業を意欲的に展開していくのでしょうか。
福留私たちの事業の軸は「地方創生×DX」です。これまでは自治体DXやふるさと納税事業などに注力してきましたが、今後は地方が抱えるあらゆる課題にコミットしたいと考えています。この方針の下、事業領域はさらに拡大していく予定です。
山本その際に悩ましいのは、やはり人手不足だと思います。労働力人口が減っていくことが予想される日本においては、AI/生成AIをどう活用するかが、ビジネスのカギを握るでしょう。現在はまだ精度がそれほど高くなく、コストもかかりますが、すぐに飛躍的な進化を遂げて安価に使える時代が来ると私は考えています。
福留AIは単純な繰り返し業務や、多くの情報を参照しながら行う業務をこなすことに長けています。近い将来、そのような業務の大半をAIが担うことは間違いないでしょう。同時に、単純作業から解放された人間は、人間にしかできないクリエイティブな仕事に専念できるようになります。法務の領域もそうなるべきだと私は思います。
山本当社も、OLGAのリリースに当たってAI機能を一層強化しました。具体的には、法務に関するちょっとした疑問や不明点を、事業部門が自らチャットで問い合わせられるようにしたのです。AI法務アシスタントが過去のやりとりやドキュメントの情報を基にアドバイスしてくれるので、事業部門で進められる法務の領域がさらに広がります(図)。

図 事業部門の法務をサポートするAI法務アシスタント
過去の契約書データや問い合わせ対応の内容などに基づき生成AIが回答する。法務部門のナレッジを組織全体に“インストール” することが可能だだ
福留GVA TECHのコンセプトを聞いて、改めてこのサービスは法務担当者のためだけのものではなく、全社に浸透させるべきものだという思いを強くしました。蓄積されたナレッジをうまく活用して事業部門が契約業務を主体的に進め、法務部門は最終チェックをして契約締結の是非を評価する。それこそが、これからの時代の法務のあるべき姿だと思います。
山本チェンジホールディングス様をはじめとするユーザーのご要望を柔軟に反映しながら、サービスは今後も継続的にブラッシュアップしていきます。これにより、さらに多くの企業の「法務DX」に貢献していければと思います。
GVA TECH株式会社
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