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人手不足を乗り越える 日本の産業界成長のシナリオ 2024 Review

国内とオフショアの
有機的な協働で
製造業の持続的な
エンジニア確保を支援する

製造業のエンジニア不足は日本経済が直面する喫緊の課題の1つである。先進テクノロジーの活用、既存人材のリスキリングなど様々な対策がある中、効果的な方法としてオフショアのエンジニアリングサービスを提案するのがクエスト・グローバルだ。ワールドワイドな事業展開で培ったエンジニアリングの経験と、インドを中心とした豊富な人材ネットワークで、日本の製造業にこれまでにない価値を提供する。

日本企業は今こそ、エンジニアリングの
オフショア活用を加速化するべき

B&Quest Global Services Pte. Ltd. 日本支社長 貫名 聡氏
Quest Global Services Pte. Ltd.
日本支社長
貫名 聡
 日本の基幹産業である製造業。国全体が人手不足にあえぐ中でも、この業界が受けるインパクトは非常に大きい。直近の状況について、シンガポールに本社を置き、北米、欧州、アジア地域でエンジニアリングサービス事業を展開するクエスト・グローバル日本支社長の貫名聡氏は次のように話す。

 「当社では、日系製造業の開発製造エンジニアは2030年に約80万人不足すると推計しています。これにより新製品開発の遅延、商品投入リードタイムの長期化による機会損失や生産計画量の未達、製品品質の低下など、これまでにも増してさらなる影響が出ることは間違いありません」

 最悪の事態を回避するためにはどうすればよいのか。クエスト・グローバルが提案するのが、オンサイトとオフショアの併用によって開発体制のサステナビリティ、スケールアップ、生産性向上を図る「ローカル・グローバル・モデル」だ。

 プロジェクトマネジメントを担うチームは日本国内に置く。他方、豊富な人的リソースと、コンセプト設計から開発・検証まで幅広い工程をカバーできるスキルを持ったチームをインドをはじめとするオフショアに配備する。この両方を有機に協働させることで、製造現場の課題である人手不足の解決ができるという。

 「日本ではエンジニアの人材派遣が一般的ですがオフショア活用を試みる企業も増えてきています。ただ、オフショア活用が真に成功しているケースはまだまだ限られます。ローカル・グローバル・モデルの適用により、オフショアを有効活用できるか否かが、日本の製造業が生き残れるかどうかのカギになるのです」と貫名氏は述べる。

中期的視野でお客様としっかり向き合い
成功を共創しながらステップアップする

 ローカル・グローバル・モデル構築のためには、顧客とサービスプロバイダーとの間で、粘り強く対話を重ねながら、ステップバイステップで進める必要があるため、同社が提案するのが「5 Stepsコラボレーション」のアプローチである(図1)。まず第1ステップと第2ステップは、一般的なエンジニアリングサービスではあるが、同社ではこれを「信頼構築」、「戦略提携に向けたパイロットケース」と位置付け、中期的な成功モデルの土台作りを行っている。  両社共同で定めた基準をクリアすると、第3ステップ以上に移行し、顧客向けの専属チームが徐々に業務のカバー範囲を広げながらサステナブルな体制を構築していく。先のローカル・グローバル・モデルはこの第3ステップ以降を指している。こうした根気強いアプローチを経て、現在同社では、日本・グローバルを合わせて、2300人以上のエンジニアが日本の顧客向けサービスに従事している。

 「エンジニアの人数だけでなく、一人一人のコンピテンシーにも自信があります。独自の人材活用・育成モデルに基づき、継続的にスキルアップとエンゲージメントを図っています」と貫名氏(図2)。具体的には日本人エンジニアの採用に加え、インドの大学との提携に基づく優秀な卒業生の採用、バイリンガル人材の採用、同社インド拠点からの出向/転籍プログラムなどを整備。さらに、リレーションの深い顧客企業を退職されるベテランエンジニアを採用し、若手エンジニアの教育役を務めてもらう試みも開始している。  また、育成する人材のカテゴリーとして、特に力を入れているのがブリッジ・エンジニアだ。高度なエンジニアリングスキルを持つことはもちろんのこと、バイリンガルで、文字通りオンサイトとオフショアの“橋渡し役”を務める。このブリッジ・エンジニアを1人でも多く育てることが、ローカル・グローバル・モデルをより多くの顧客で成功に導くカギを握ると同社は位置付けている。

 「『過去にオフショア開発に取り組んだが、成果が出なかった』という話もよく聞きます。ただ、お話を伺っていくと、お客様とサービスプロバイダーの間でしっかりスクラムを組めていない、信頼の土台を築けていないケースが多いようにお見受けします。その点当社の5 Stepsコラボレーションでは、最も大切な基礎となる信頼構築を重ねていきながら、一つずつステップを上げるアプローチをとっています。そのため当社ではお客様としっかり向き合える専任体制を採っているほか、オフショア開発で課題になりがちな意思決定スピードの低下についても、現場への徹底的な権限移譲により排除しています。お客様にお願いすることもたくさんありますが、お互いに成功のために学び合える関係づくりが肝要です」と貫名氏は強調する。

「謙虚さ」の価値観を持って
日本製造業の成長を下支えしたい

 多くの企業が同社のサービスを利用して成果を生んでいる。一例が、某エネルギー・リソース企業のケースだ。

 世界数十カ所で精製拠点を運営するこの企業では、それまで拠点ごとに行ってきた設備管理人材の採用・獲得に課題を抱えていた。そこで、安定的かつ持続的に人材を確保するための方法として、クエスト・グローバルと戦略的パートナーシップを提携。両社協議のうえ、ノンコア業務をオフショアに集約する方針を決めた。

 「業務のオフショアへの移行や標準化を当社が実行推進することで、持続可能な業務/リソースモデルを構築しました」と貫名氏は紹介する。これにより、サステナブルな人材確保が可能になるとともに、精製スループットの向上や設備稼働率の向上、設備管理指標の標準化といった効果も得られているという。現在は、一部コア業務の領域でも、顧客とクエスト・グローバルが協働するモデルを検討中。今後もオフショア化の対象領域は徐々に広げていく予定だ。

 「もう1つ、我々の特徴は、組織が大切にしている価値観にあります。創業者の理念である『House of Quest Global』で、Humility(謙虚さ)を最も重要なものの1 つに据えています。全社員がこの価値観でお客様と接し、共に学び共に成長する姿勢を持って日々エンジニアリングに従事しています。このようなカルチャーが日本のお客様に受け入れられ、現在では日本市場に参画する外資系のエンジニアリング・サービスプロバイダーの中で、クエスト・グローバルが最も成功した企業の一社になれたのだと思います」(貫名氏)。クエスト・グローバルのサービスは、エンジニア不足に苦しむ日本製造業に注いだ一筋の光となるだろう。
お問い合わせ
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