桔梗原 自社の業務革新や新たな顧客サービスの創出を目指す上では、そうした課題を早急に解決していく必要がありそうです。とはいえ、日本においてはデジタル人材が不足しており、DXの大きな障壁になっています。
牧田 多くのお客様が、変革の主導権をしっかりと自社で握った上でDXを進めたいと考えられています。しかし、その一方で、取り組みを推進する人材が足りなくて困っているのもまた事実です。このような状況を変えていくには、「社内デジタル人材の活用」と「社外リソースの活用」の2つの観点で考える必要があります。
桔梗原 「社内デジタル人材の活用」については、牧田社長がその重要性を指摘されている内製化の話にもつながります。実際にどう進めればよいのでしょうか。
牧田 これは機会があるごとに話しているのですが、そもそもデジタル人材は既に社内に存在している、というのが私の持論です。例えば、プログラミング技術を学んだことのない人でも、最新のテクノロジーを使えば、簡単に必要なシステムが作れます。
もはや「デジタル活用に豊富な経験や知識が必要」という時代ではありません。自社の事業を最もよく知る現場の人たちが、テクノロジーを駆使できるようになれば、いつでもデジタル人材として活躍できるようになるのです。しかし、多くの企業では、そういった人たちを目覚めさせ、育成することができていません。また、会社の環境自体も、それができるようなプラットフォームが整備されていない。このことが最大の問題と言えます。
桔梗原 DXに成功している企業は、そこに気付いて取り組んでいるのですね。
牧田 その通りです。例えば先のExecutive ForumにCIOが登壇された横河電機様では、社内の各事業部門のデータを横断的に活用できる統合データ基盤を構築し、データの民主化を図ると同時に、データシステムのエキスパートではない現場の社員自身が、市民データアナリストとして自由に活用できるようにしました。その結果、社内のデータ利活用が大きく進みました。
また、セガサミーホールディングス様では、ゲーム/コンテンツ制作に携わるクリエイターが、外部流出を心配することなく安心して使える生成AIサービスを導入しました。もちろん、生成AIが作った制作物をそのまま使えるわけではありませんが、様々なアイデアやヒントが得られるため、クリエイティブ作業の効率が各段に上がったそうです。
桔梗原 自社でも同様の取り組みを行いたいと考える企業も多いと思います。そうした企業に対し、JBSではどのような支援を提供されているのですか。
牧田 お客様のデジタル活用を徹底的に後押しすることが当社のミッションですから、いろいろな支援サービスを用意しています。例えば、「Microsoft Azure OpenAI Service」を用いたアプリケーション「アイプリシティ チャット」などもその1つです。これにより、セキュアな環境下での企業内情報をベースとしたChat GPT活用が実現できます。また、生成AIサービス「Microsoft Copilot」についても、環境整備から使い方に関するコンサルティング、教育、サポートまで含めたトータルな支援を提供しています。特にCopilotについては、当社自身でも全社導入を済ませていますので、その知見に基づいたサービスを提供できます。
ちなみに、AIを活用するビジネスシーンには、大きく2つがあります。1つは、業種業務横断的に使われるアプリケーションのためのホリゾンタル(水平方向)AI、もう1つは業界特化型のシステムで利用するバーティカル(垂直方向)AIです。ホリゾンタルAIの代表的なものがCopilot for Microsoft 365ですが、実際の業務でAIを活用する際、Microsoftの提供するCopilotだけでは、要件に足りない場合が出てきます。このようにCopilotのカスタマイズを必要とする場合に効果的なのが、ローコード・ノーコードで開発ができる「Copilot Studio」で、業務データや様々なアプリケーションを連携してAIを利用できる環境を整えることが可能です。一方、特定業務に特化した独自の生成AIアプリケーションを開発したいというご要望もあるかと思いますが、それにはAzure AI Studioという機能を利用することが有効です。当社ではこれらを包括的にご支援することが可能ですので、お客様に最適な生成AI利用環境の構築と活用をサポートいたします(図)。