Case Study
生産現場のペーパーレス化

目指すのは
一気通貫のデータ活用
製造現場のDXを支えるカミナシ

FA産業や自動車産業をはじめ、あらゆる電子制御機器の開発・製造・販売をしているジェイテクトエレクトロニクス。同社は、全社のDX推進の一環として、生産ラインに「カミナシ」を導入した。紙の帳票のデータ集計・蓄積、および現場環境をデジタル管理にすることで効率化を図っている。今後は、基幹システムと連携することで、一層高度なデータ活用への道筋を開く狙いだ。

紙を使うプロセスがデータを分断
業務効率や生産性の低下も招いていた

株式会社ジェイテクトエレクトロニクス 代表取締役社長 森 豊氏
株式会社ジェイテクトエレクトロニクス
代表取締役社長
森 豊
 ジェイテクトエレクトロニクスが所属するJTEKTグループは、かねてよりDX推進およびカーボンニュートラル戦略に取り組んできた。2022年に「ONE JTEKT」を掲げ、グループ一丸となって、すべての顧客に貢献するためブランドを「JTEKT」に一本化。ジェイテクトエレクトロニクスも、環境変化に応じるため、国内ECサイトの開設や積極的な設備投資による生産工程の省力化を図ることで、現在は約4割のラインを自働化している。

 だが、さらなる生産性向上やDXに向けては課題もあった。同社の森 豊氏は次のように話す。

 「DXの要は市場ニーズから生産、在庫管理に至るまでの『一気通貫のデータ活用』だと私は考えています。しかし現実には、これを分断する多くのアナログな業務が現場に存在していました。例えば、製品や生産設備の記録・点検作業には紙の帳票が多く用いられており、十分なデータの収集・蓄積・活用ができていなかった。また、紙の帳票類は現場の業務効率・生産性低下の要因になっていた。書類を探す手間、印刷の手間、管理の煩雑さや記入ミスなど、紙にまつわる余分な工数の削減が必要だと感じていました」

現場が使いやすいUIを評価
約1年でラインの80%に導入

株式会社ジェイテクトエレクトロニクス 生産部 主査 車載電装事業統括室 主査 山本 真氏
株式会社ジェイテクトエレクトロニクス
生産部 主査
車載電装事業統括室 主査
山本 真
 そこで同社が、課題を解決するため採用したのが、“現場DXプラットフォーム”「カミナシ」だ。紙ベースで行われている情報の入力、集計、報告などの作業をデジタルのプロセスに置き換える。多様な業務データの収集と、紙の扱いに起因する非効率を取り除くソリューションである。

 同社が、カミナシ採用に当たり評価したのが、分かりやすく使いやすいユーザーインターフェース(UI)だ。「どんな優れた仕組みも、現場に使ってもらわなければ意味がありません。当社には多くの外国人従業員が勤務しているため、言語を問わず利用できる直感的なUIが不可欠でした」と同社の山本 真氏はカミナシを選定した理由を話す。

株式会社ジェイテクトエレクトロニクス 生産本部 生産管理部 統括課 主担当 谷脇 豪氏
株式会社ジェイテクトエレクトロニクス
生産本部
生産管理部 統括課 主担当
谷脇 豪
 カミナシはタブレットでのタッチ操作を軸としており、コミュニケーションを促進するアイコンやイラストも豊富に用意されている。言葉が分からなくても扱えると考えた。

 また、このような扱いやすさは、会社の目的であるDX推進に向けても生きると同社は考えた。「大きな目的を実現するためには、まず目の前の課題を解決しなければなりません。カミナシ導入にあたっては、小さな成功体験を重ねて徐々に拡大していくことが得策だと考えました。」と同社の谷脇 豪氏は説明する。

株式会社ジェイテクトエレクトロニクス 生産部 部長 FA事業統括室 主査 保坂 卓氏
株式会社ジェイテクトエレクトロニクス
生産部 部長
FA事業統括室 主査
保坂 卓
 この考えのもと、導入は段階的に進めた。まず10台のiPadを使って、入力項目が比較的シンプルな「製造設備点検表」「初物終物点検表」の入力作業で問題なく使えることを確認。その後、本来ターゲットとしていた「生産記録表」へ着手するために、iPadを10台追加した。ここでは生産データを取り出して入力する必要があるため、谷脇氏を中心に基幹システムと連携を実証中だ。

 「各帳票はエンコーダ、FA機器などの生産ラインでも使われています。現在は電子タグとの組み合わせも進めており、システムが完成した暁には80%以上のペーパーレス化を見込んでいます」と同社の保坂 卓氏は語る。

カミナシ導入が一層の業務標準化と
データ化へのきっかけになる

 導入により多くの効果が得られている。例えば、ある製造ラインでは月500枚以上の紙帳票を削減、8000枚以上のデジタルレポートを作成している。印刷が不要になり、帳票の保管スペースも不要になった。

 「見たい帳票は、iPad上で検索して表示、もしくはQRコードを読み取って、ダイレクトに帳票へアクセスすることが可能です。これによって、帳票を探す手間を省き、違う帳票への入力ミスを無くすことができます」(谷脇氏)。監査や棚卸しの際も、四半期/半期などに区切ったデータの検索・出力が容易になり、現状把握をスピーディに行えるようになった。一連のカミナシ導入による費用対効果は、事前想定の1.5倍に上るという。

 加えて同社は、カミナシのスタッフのサポート力も高く評価している。

 「困った時は、チャットで速やかに回答・対応してくれるため、非常に助かります。また『生産設備の点検フォームが欲しい』といった固有の要望を、カミナシの機能として実装してくれたケースもあります。成果につなげるための運用を継続的にサポートしてくれる点は心強いですね」と保坂氏は話す。

 同社は今後も、カミナシ活用を拡大していく計画だ。生産ラインへの一層の展開拡大を図るほか、カミナシで電子化したデータと基幹システムの連携も本格化していく。これが実現されれば、また一歩、一気通貫のデータ活用に近づいていくはずだ。

 「本来、『何かツールを入れればデータが収集できる』と考えるのは間違いだと私は考えています。なぜなら、業務プロセスが属人的なままツールを入れても、得られるデータは使い物にならないからです。業務プロセスの標準化が先ですが、一方で製造業の現場には『標準化はやり尽くした』というムードがあり、トップの掛け声だけでさらなる標準化を進めるのは難しいのも事実です」(森氏)

 そこで役立つのが、カミナシのような「現場が簡単に扱えて」「速やかに効果が得られる」ツールである。ツール導入が1つのきっかけになり、ボトムアップ型で一層の標準化が進んでいく。「自分たちの業務にはまだ標準化の余地がある」という気付きを、現場にもたらしてくれるのだ。「当社において、カミナシはその役目を果たしてくれていると思います」と森氏は評価する。

 ジェイテクトエレクトロニクスの現場業務を支えるカミナシ。今後は、一気通貫のデータ活用、およびDXに向けた欠かせないツールの1つとして、さらにその貢献度を高めていくことだろう。
カミナシの活用シーン
カミナシの活用シーン
従来は紙の帳票で運用していた生産設備の点検作業、担当者が交代するごとに行う製品検査などをカミナシでペーパーレス化。作業効率を高めているほか、データを直接収集することができる
お問い合わせ
株式会社カミナシ URL:https://kaminashi.jp/
【オンラインセミナー開催】
4月23日(火) 14:00-15:30
「製造業の未来を拓く 現場起点の攻めのDX」
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