導入により多くの効果が得られている。例えば、ある製造ラインでは月500枚以上の紙帳票を削減、8000枚以上のデジタルレポートを作成している。印刷が不要になり、帳票の保管スペースも不要になった。
「見たい帳票は、iPad上で検索して表示、もしくはQRコードを読み取って、ダイレクトに帳票へアクセスすることが可能です。これによって、帳票を探す手間を省き、違う帳票への入力ミスを無くすことができます」(谷脇氏)。監査や棚卸しの際も、四半期/半期などに区切ったデータの検索・出力が容易になり、現状把握をスピーディに行えるようになった。一連のカミナシ導入による費用対効果は、事前想定の1.5倍に上るという。
加えて同社は、カミナシのスタッフのサポート力も高く評価している。
「困った時は、チャットで速やかに回答・対応してくれるため、非常に助かります。また『生産設備の点検フォームが欲しい』といった固有の要望を、カミナシの機能として実装してくれたケースもあります。成果につなげるための運用を継続的にサポートしてくれる点は心強いですね」と保坂氏は話す。
同社は今後も、カミナシ活用を拡大していく計画だ。生産ラインへの一層の展開拡大を図るほか、カミナシで電子化したデータと基幹システムの連携も本格化していく。これが実現されれば、また一歩、一気通貫のデータ活用に近づいていくはずだ。
「本来、『何かツールを入れればデータが収集できる』と考えるのは間違いだと私は考えています。なぜなら、業務プロセスが属人的なままツールを入れても、得られるデータは使い物にならないからです。業務プロセスの標準化が先ですが、一方で製造業の現場には『標準化はやり尽くした』というムードがあり、トップの掛け声だけでさらなる標準化を進めるのは難しいのも事実です」(森氏)
そこで役立つのが、カミナシのような「現場が簡単に扱えて」「速やかに効果が得られる」ツールである。ツール導入が1つのきっかけになり、ボトムアップ型で一層の標準化が進んでいく。「自分たちの業務にはまだ標準化の余地がある」という気付きを、現場にもたらしてくれるのだ。「当社において、カミナシはその役目を果たしてくれていると思います」と森氏は評価する。
ジェイテクトエレクトロニクスの現場業務を支えるカミナシ。今後は、一気通貫のデータ活用、およびDXに向けた欠かせないツールの1つとして、さらにその貢献度を高めていくことだろう。