倒産件数が35.2%と急伸
バブル崩壊以来の水準に
ビジネス環境の急変が続き、企業倒産が増えている。2023年の全国企業倒産件数は8690件と、前年比35.2%増となった(東京商工リサーチ調べ)。30%を超えたのはバブル崩壊以来となる31年ぶりの事態だ。あらゆる産業で倒産が増加している。
2023年の倒産企業数は8690件。前年比35.2%と急伸している。バブル崩壊以来、31年ぶりの伸びとなった
「人手不足や原材料の高騰もありますが、極めつきは『ゼロゼロ融資』の返済です」と、三菱UFJファクター取締役常務執行役員ファクタリング事業本部長の南里公仁氏は語る。
三菱UFJファクター株式会社
取締役 常務執行役員
ファクタリング事業本部長
南里 公仁 氏
ゼロゼロ融資とは、コロナ禍で行われた政府主導による実質無利子・無担保の融資のことだ。返済を3~5年据え置く特例措置により、企業の資金繰りを支えた。その返済が始まり、競争力の弱い企業が破綻に追い込まれている。
「信用していた販売先が急に倒産し、連鎖倒産の危機に直面する企業も増えています」(南里氏)。相手が大手企業の子会社であっても、安心はできない。急に整理されたり、買収されるケースも増えている。
債権が回収できないと損失が発生するだけでなく、多くの対応を迫られる。事後処理に追われ、営業活動は停滞。資金繰りの悪化が調達や生産に影響し、身動きが取れなくなると、連鎖倒産の危機が現実味を帯びる。大きな債権を持つ販売先が1社でも倒産すれば、致命的なダメージにつながる危険性があるのだ。
外部機関による保証や与信管理支援サービスを活用してリスクを未然に防ぎ、コントロールすることの重要性が高まっている。
「攻め」と「守り」の両立へ
保証ファクタリングの活用進む
「保証ファクタリング」とは、企業の売上債権を保証するサービスのことだ。販売先の倒産などで債務不履行が生じた場合、保証限度額の範囲内で債権と引き換えに保証金が支払われる。
このサービスは、様々な目的で利用されている。例えば、販売先に設定している自社の与信額を超えた部分に、ファクタリング会社による保証を付けることで売り上げの拡大を図れる。また、判断の難しい新規販売先や、今は小規模でも将来有望なベンチャー企業も保証を付ければ安心だ。
「販売先のリスクヘッジはもちろんですが、営業力の強化に保証ファクタリングを活用している企業も増えています」(南里氏)
審査は販売先に直接コンタクトせず行うので、保証を依頼しても長年続く販売先との関係性を傷つけるリスクがない。利用者にとっては便利だが、この手法は高度な審査ノウハウが不可欠となる。特に多くの販売先を持つ企業や与信管理体制が整っていない企業にとって、金融機関ならではの高い審査ノウハウを持つ三菱UFJファクターは、保証を通じて「第三者の目」で販売先をモニタリングしてくれるパートナーと言える存在だ。
充実の与信管理支援サービス
DXでさらなる進化も
三菱UFJファクターは、1972年に誕生した日本初の本格的ファクタリング会社だ。東京、名古屋、大阪、福岡に支社を持ち、41行の地域金融機関と提携。保証引受残高は約7000億円と業界トップクラスの規模を誇る。規模の大きさはファクタリング会社の体力と安定性を示す指標であり、長年蓄積されたノウハウによる高い保証引き受け力の表れだ。
企業の売上債権(売掛金、受取手形、電子記録債権など)を保証する。販売先の与信管理を支えるパートナーとして機能する
同社には他にも大きな特長がある。保証先を一定基準で包括的に選定しなければならない商品が多い中、保証先や金額を自由に設定でき、随時入れ替えもできる。保証料は利用した分のみを毎月後払いすればよい。事前相談、保証申し込み、金額変更は全てオンラインで対応が可能。改良を重ねた使いやすいインターフェースが好評を得ている。
加えて同社は顧客の与信管理を支援する4つのサービスに力を入れる。
「与信カウンセリング」は、顧客の販売先の信用状態を随時モニタリングし、結果を共有する。新規先や債権急増先など、気になる販売先の審査を依頼すれば、保証の可否や金額を通じて販売先の現況を把握できる。
「MUFレポート」は、倒産や地域経済などを掲載する実用性の高い月刊誌だ。
「与信管理セミナー」は、企業倒産動向や今後の見通し、決算分析のポイント、営業担当者による販売先の信用力の見極め方などの与信管理ノウハウを学べる。
「販売先ポートフォリオ分析」は、販売先のデータを基に分析し、グラフで信用リスク分布の全体像を可視化することで、潜在的なリスクが一目で分かる。
顧客企業に人気の高い4つの与信管理支援サービス。基本的に無料で提供し、ビジネスの安心・安全に貢献している
保証引受に特化する商品が多い中、三菱UFJファクターは顧客の与信管理そのものを支援する「与信管理のベストパートナー」をスローガンに掲げる。
同社は今後、オンライン機能の充実を図るために様々な企業との提携を進め、与信管理に関する先進的なサービスを提供していくという。与信管理のDXが進まないという多くの企業が抱える課題も、オンラインサービスの拡充を通じて解決を目指す。
「売り上げを立てても、回収できなければ意味がありません。与信管理はビジネスに欠かせないコア機能です。でも、お客さまが自社だけで与信管理を完結するのは難しい。私たちはそんなお客さまの与信管理を徹底的にサポートしていきます」(南里氏)
ビジネス環境の変化が加速している。不測の事態への備えとして、保証ファクタリングサービスの活用は重要度を増していくだろう。与信管理のプロへの期待は、高まるばかりだ。
