地方創生が叫ばれて久しいが、地方経済が停滞して活力が失われている状況はなかなか改善されていない。様々な試行錯誤が行われてはいるものの、大きな成果に結び付いていないのが実情だ。
「現在は“下りエスカレーター”の時代であり、そこに乗った人々が必死に上ろうとして疲弊している状態にあると考えています」とNTTデータの松本良平氏は言う。地方に人が集まり、需要の増加や価値の好循環が起こっていた1980年代ごろまでとは異なり、現在は地方経済の縮小によって「人・もの・こと・価値」の相互連携が失われつつある。
人口流出や産業の衰退といった地域の課題は多元的かつ複雑に関連しあっているため、個別の課題に対応するだけで解決することは困難だ。地域社会全体を包括的にデザインし直す必要がある。
そこでNTTデータは、「Moving forward in harmony」という全社コンセプトを踏まえ、公共領域では社会課題解決を経営の重要テーマに設定。「共創による社会のRe:Design」を推進している。エンジンになるのは、「本気で」「みんなで」「未来へ」「調和をもって」という4つの軸だ(図1)。
各自治体が、主体的かつ持続的な地方創生の取り組みを進めるためには、その地域が有する自然、社会、人的資源を再発見して磨き上げることが必要だ。そこで生まれた価値を地域資源に再還元する流れをつくる。これこそが、地域をリ・デザインする道筋になるという。
「人やノウハウ、資金といったものがドライバーになって、地域の多様な資源群を『資本化』します。そのインパクトを地域経済や住人のQOL(Quality of
ife)に還元することが重要です」(松本氏)。経済や生活が潤えば、そこで生まれた価値が再び地域の資源になっていく。この∞(無限大)型のサイクルを循環させることで、持続可能な地域経営を実現することができるという(図2)。