労働人口の減少に伴い、日本では人手不足倒産が急増し、2年連続で過去最多を記録した。企業にとって、はたらき手の不足が深刻な経営課題となるなか、注目を集めているサービスがある。総合人材サービスのパーソルテンプスタッフが新たにローンチしたオンラインアウトソーシングサービス「Remote Tasker(リモートタスカー)」だ。社会課題解決に向けたこの一歩について、同社フレキシブルワーク事業推進部の古澤氏と、同事業推進室の高部氏に話を聞いた。

人手不足解消と多様なはたらき方の
双方を実現

パーソルテンプスタッフ株式会社

フレキシブルワーク事業推進部
部長

古澤 一樹

―「Remote Tasker」立ち上げの経緯は

古澤 多くの企業にとって、いま最も頭を悩ませているのが人材の確保です。この背景には、はたらきたい個人のニーズとはたらく環境とのギャップがあるからだと考えています。というのも当社求人への求職者のエントリー数で見ると、『在宅なし』の求人と比較した場合、『一部在宅あり』の求人にエントリーする求職者は2.6倍、『完全在宅』の求人では7.5倍にも上ります。また、2024年6月の新規登録者へのはたらき方希望アンケートでは、『フルタイムのみを希望』する方は50%未満。『フルタイムでなくても良い』という方が半分以上を占めていました。これは一時的なものではなく、過去1年を通してもほぼ同じ結果となっており、求職者の多くがはたらく場所や時間において多様なはたらき方を希望していることがわかっています。

 こうした社会のはたらく課題の解決に向け、2024年4月に立ち上げたのが、企業や自治体からスポット業務、在宅で対応可能な業務などを受託し、リモートではたらきたいサポーター(登録者)とマッチングし業務を提供するオンラインアウトソーシングサービス「Remote Tasker」です。企業の人手不足解消と個人の多様なはたらき方、双方の実現を狙いとしています。

パーソルテンプスタッフ株式会社

フレキシブルワーク事業推進部
Remote Tasker 事業推進室

高部 恵美

高部 私は運用の現場を担当していますが、サポーターには豊富なキャリアを持つ方が多くいます。地方に住んでいる、家庭の事情があるという理由でそのキャリアを生かす場を提供できないのは、企業にとっても社会にとっても大きな損失です。そのような方々と企業のニーズをつなげる「Remote Tasker」は、今の時代に即したサービスだといえるでしょう。

―「Remote Tasker」の特長は

古澤 特長は大きく3つあります。まず1つめは、契約から納品まですべてをオンラインで完結できること。2つめは、最短1週間で利用を開始できること。そして3つめは、最小20時間の小ロットから依頼可能なことです。

高部 業務内容は、営業事務から経理などの専門分野にいたるまで多岐にわたります。営業事務では毎月発生するデータ集計、経理では立替金の精算など、一定のルールに基づき、定期的に発生する業務の依頼が多い傾向にあります。

―サービス開始以降、すでに多くの企業に導入されている理由とは

高部 業界最大級の人材リソースを生かし、業務ごとに最適なスキルを持つサポーターをアサインできる強みを評価いただき、導入につながっています。教育時間をかけず、即業務に入れるスピード感は企業にとって大きな利点です。また、必要な業務だけを依頼できるため、全体的にコストを抑えられる点も企業にとってのメリットといえます。

生産性向上はもちろん、
地方の雇用促進にも

―これまでに受託した業務にはどのようなものがありますか

古澤 例えば、経費精算システムが変更されたことにより、これまで現場ごとに行っていた精算をすべて経理部に集約することになった企業から、その一部業務を受託しています。

高部 新卒採用のアシスタント業務で活用いただいている事例もあります。会社説明会やインターンシップに参加する学生へのリマインドメールの送信や提出物の確認など、付随業務をこちらで担うことで、採用担当者が選考に専念できる環境づくりをサポートしています。

「Remote Tasker」の活用事例


取引先への報告データ作成

過去にも業務委託利用経験はあったが、事業者や担当者ごとに品質にバラつきがあり、調整ややり取りが増えてしまう結果に。また社員の異動や欠員により業務を引き継ぐ工数が発生していた。

実際に業務を行うサポーターとのやり取りをパーソルテンプスタッフのコンシェルジュが担当してくれるため、情報が一本化され管理コスト削減につながった。社員の休暇や退職時でも「Remote Tasker」に頼んでいれば業務が滞る心配もなく助かっている。


ツール開発のデータ入力業務

ツール開発の過程で大量のデータを入力する必要があったが、少人数組織のため社内のみで入力業務を行うのが難しかった。さらに、開発に合わせて業務量の変動も大きかったことなどから小回りの利く業務委託サービスを探していた。

毎月の作業時間を柔軟に変更できるため、業務量に合わせ最適なコストで導入できた。必要なときには相談や連絡があることから手戻りも少なく効率的に進められ、頻繁に発生していたイレギュラー業務にも快く対応してもらうことができ、非常に心強かった。

―地方自治体からの反応は

古澤 現在、多くの地方自治体は大きく2つの人材に関する課題を抱えています。いかに雇用を生むか、そして生産性をいかに上げていくかです。「Remote Tasker」は、まさにこれらの課題解決に寄与できるサービスとして、地方自治体からも問い合わせをいただいています。

 直近では北秋田市において、日本テレワーク協会と連携し「Remote Tasker」を活用したテレワーク推進の実証実験を行っています。北秋田市産業政策課係長の千葉裕之氏からは、「地域における人手不足を、テレワークという手段を通じて解消することで、地域経済や雇用創出につなげていきたいと考えています」との声をいただきました。また、連携する一般社団法人日本テレワーク協会主席研究員の大沢彰氏からも、「地域企業におけるテレワーカー活用への理解、導入が進むことを期待している」との声が寄せられています。

 北秋田市に限らず、全国各地の自治体と連携し、テレワークを活用した人手不足の解消、地域雇用の創出、生産性の向上を実現していきたいと考えています。

―導入企業とサポーターからの反響について

高部 導入企業からは、毎月のミーティングやチャットでのタイムリーな確認が行われることで、安心して業務を委託できるとの高い評価をいただいています。また、サポーターからは、介護や育児と両立しながら柔軟にはたらくことが可能になった、長期的に利用していきたいといった期待の声が寄せられています。

業務の改善は、
業務を「整理する」ことから

―新たに導入予定の施策や将来的に目指す方向性は

古澤 現在取り組んでいる施策としては、AIやテクノロジーを活用した新しいシステムの導入です。業務のスピード向上をサポートすることで、より効率的な運営を目指しています。

高部 はたらく個人に向けては、このサービスを全国に広げることで、地方のはたらき方を変えていきたいと考えています。じつは私自身、地方に暮らしながら仕事をしているのですが、このサービスがあったからできたはたらき方ですし、そのおかげでより自分らしい生き方が叶えられていると実感しているからです。そんな社会を実現したいと思っています。

古澤 企業に向けては、「Remote Tasker」を含めたトータルなソリューションで、より良い業務体制の構築を支援していきたいという思いがあります。例えば多くの企業では、本来社員が手がける必要のない業務を担っているケースが多くあります。そうした業務を外部に委託することで、企業は本当に注力すべき業務により多くの時間を充て、生産性向上を実現できると考えています。

 「業務改善」というと大がかりに聞こえますが、大切なのは業務を「整理する」ことです。誰がどの業務を担当し、どの業務を外部に委託できるのか。当社と共に検討することで、客観的な判断が可能になります。実際に「Remote Tasker」を導入いただいている企業の多くも、最初は業務整理のご相談から始まっています。変化の激しい時代、ビジネスの成長に欠かせない人材を獲得し、その力を生かすためにも、まずは業務整理の一歩を踏み出し、未来に向けたより強固な基盤を築いていきましょう。当社はそのパートナーとして、皆様の挑戦を全力でサポートしてまいります。

※記事中の肩書きやデータは公開時点の情報です

パーソルテンプスタッフ株式会社

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