―― ローデ・シュワルツは、どのような強みを持つ企業なのでしょうか。
Leicher 当社を一言で表せば、「技術志向の企業」だと言えます。創業以来90 年にわたり、先進的高周波技術や、それを応用した電子部品や機器などを開発するエンジニアに、テスト・ソリューションを提供し続けてきました。高度な最先端技術の研究開発や活用に取り組むイノベーターが利用するツールを、先回りして用意する必要があります。
このため当社では、基礎研究を中心とする研究開発に売上高の約20%を継続投資しています。求められる先進的計測器を開発する際に、ASICに代表される半導体部品や高周波モジュールなど、部品レベルから独自開発するため、世の中にない最先端ソリューションの提供が可能です。
―― 現在、注力している領域は。
Leicher 携帯電話関連では、既に6G向けソリューションの提供が始まっています。6Gでは、より高い周波数帯域の活用やより高速な無線通信技術の導入が進むと同時に、NTN(非地上系ネットワーク)にも対応しなければなりません。そこで、モバイル通信と衛星通信を円滑に組み合わせ、産業IoTなどのアプリケーションに適用していくための計測テスト技術が求められます。
NTNや新たな周波数帯域であるKバンド(18-27GHz)やVバンド(40-75GHz)への対応に向けた開発成果は、2024 年2月にバルセロナで開催された世界最大級のモバイル技術の展示会「MWC Barcelona 2024」でも、パートナー企業と共同で披露いたしました。また、人工知能(AI)の活用トレンドに沿った無線システム向け技術の開発にも注力しています。クラウドとローカルが無線を介して繋がり、それぞれの処理を最適分担していくための技術をパートナー企業と協力しながら開発しています。
―― 無線技術の市場は、今後どのように変化していくと思いますか。
Leicher 無線通信やレーダーの応用領域が、ICTや防衛などから、産業IoTの活用によるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進により、自動車・産業機器・医療などへと拡大しています。こうした動きから、先進的無線技術を扱うエンジニアの幅が広がっています。
例えば、これまで自動車業界での無線関連のテスト需要は、車載機器によるノイズリスクを回避するEMC(電磁両立性)に関するものが中心でした。近年、クルマのスマート化に伴って、多様かつ大量の先進的な無線通信機器とレーダーが搭載されています。同様の傾向は、ヘルスケア、家電製品、産業機器など広範な領域で見られます。ところが一般に、これら新しい応用領域の機器を開発する企業は、誰もが無線技術に精通しているわけではありません。このため当社には、先進的無線技術の活用を支える体制とサービス提供の強化が求められています。
―― 貴社にとっての日本市場の位置付けをお聞かせください。
Leicher 日本市場は極めて重要な市場です。市場規模が大きいだけでなく、前述の自動車業界を例にとると、日本にはOEM、コンポーネント、そして半導体サプライヤーまで、研究開発から製造に至るすべてを網羅する世界有数の環境があります。これにより、様々な新技術やイノベーションが次々と生まれる稀有な国であると考えています。
こうした環境において当社が注力しているのは、6Gによるネットワークインフラの構築をサポートすることです。さらに、日本における一大産業の自動車業界にも6Gの普及が予想されており、それを実現するためのソリューションパートナーとして、日本のサプライネットワークに対する最大限の支援を行っていきたいと考えています。特に日本においては自社技術のみならず、パートナー企業との協業によるソリューションの提供を加速することで、日本市場に根差した信頼されるパートナーとして、新たな価値提供を通じてお客様と共に持続的な事業発展を実現します。