ジェネリック医薬品の先駆者が
取り組む成長のための人財戦略
サワイグループホールディングス
グループ人事部長
山川 文仁 氏
PROFILE
同志社大学大学院法学研究科卒業。2002年に大手電機メーカーに入社し、12年間勤務。その後、14年8月沢井製薬に入社。23年6月からサワイグループホールディングスのグループ人事部長に就任。
( 聞き手:日経ビジネス発行人 松井 健 )
ジェネリック医薬品事業強化のための採用戦略
ー サワイグループでは、長期ビジョンや中期経営計画において、国内ジェネリック医薬品市場でのシェア拡大を目指しています。そうした中での人財採用における戦略についてお話しください。
日本の医療を支える存在として、高品質・高付加価値な製品を安定的に供給するためには、人財の確保は不可欠であり、喫緊の課題です。25年度の採用に関しては、新卒者を昨年の2倍の約200名、キャリア採用も約200名を予定。社員数3000名強の当グループとしては、攻めの採用戦略となります。特に採用を強化しているのが生産人員で、採用活動を、工場周辺地域から全国規模に拡大させています。キャリア採用は、エージェントの数を増やして常時対応。これらの業務のために、24年4月には、人事部内に採用専門のチームを立ち上げました。
「個を育て、個を活かす」働きがいのある環境づくり
─ 売り手市場の世の中、人財の確保とリテンションのため、従業員エンゲージメント向上のための取り組みについて、聞かせてください。
待遇面では、グループの中核会社である沢井製薬において一般職の平均で約7%の賃上げを行いました。サワイグループとしては過去最高基準の賃上げ率です。初任給も大幅に引き上げ、特に高卒の初任給20万円は世の中でも高い水準になると思います。
若手を中心に年代別、個々人別に抱えるキャリアの悩みを、社外キャリアコンサルタントに相談できる窓口を設置。新入社員は全員をキャリア面談の対象とする予定です。
コミュニケーションの活性化は、コロナ禍を過ぎて全社的にも改めて重要さを実感しています。少し古いやり方かもしれませんが、食事会やイベントなどの職場レクリエーションを是非行ってほしいとの思いから、その費用を会社で負担しています。
さらに、従前から活動していたID&E(インクルージョン・ダイバーシティ&エクイティ)の全社推進プロジェクトを発展させ、ID&Eを専属的に推進させる部署を立ち上げました。まずは役員向けに女性活躍推進を疎外するアンコンシャスバイアスを解消する研修を実施。全役員が取り組み宣言を全社に発表し、実行中です。
そのほか働き方に関しては在宅勤務制度を導入。今後は能力がある方がライフイベントの問題でやむなく離職することを減らすために遠隔地勤務制度を導入する予定です。55歳以降の社員は自身のワークライフバランスに応じて短時間勤務や週3日勤務が選べるなど、70歳まで働き続けられる制度も用意しています。
こうしたさまざまな取り組みの根底にあるのが、サワイグループの人事理念「個を育て、個を活かす」です。多様性を尊重し、誰もが活躍できる環境づくりを行いながら、従業員エンゲージメントの強化に努めています。

人財の確保と育成を通じ、日本の医療を支えたい
ー サワイグループの強みを、人事部長としてどう捉えていますか。
当グループの強みは、従業員が会社の理念に強いシンパシーを感じているところだと思います。サワイグループホールディングスの理念「なによりも健やかな暮らしのために」や、中核企業である沢井製薬の理念「なによりも患者さんのために」に、従業員は共感して入社してきていますし、その思いを持ち続けている。一人ひとりが自分の仕事に使命と誇りを持ち、責任感を持って働いている。こうした風土は、自慢できるところだと思います。

ー サワイグループの成長戦略に欠かせない人財採用において、人事部長としての思いをお聞かせください。
今日、ジェネリック医薬品は私たちの生活に不可欠な社会インフラになっていますが、この社会インフラを支える人財はまだまだ不足しています。私も日本の医療を支える人員の一人として、共に企業理念を体現してくれる人財の確保と育成という課題にしっかり向き合っていきたいと考えています。
聞き手:日経ビジネス発行人
松井 健
1994年筑波大学卒業後、日本経済新聞社に入社。日経産業新聞編集長などを経て、24年より日経ビジネスなど経営誌の発行人を担う経営メディアユニット長。
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