


国の中小企業政策の全般にわたる実施機関である中小企業基盤整備機構(中小機構)。同機構が専門家を派遣するハンズオン支援で、Web制作業務のカイゼンと案件の採算管理を見える化したのが岐阜市に本社を置く株式会社リーピーだ。2期にわたる支援を通して、同社はカイゼン文化が根づき、働きやすさと業績向上の両方を実現している。


中小企業・小規模事業者が抱える経営課題をお聞かせください。
宮本 物価の高騰と深刻な人手不足で、製造業や建設業などすべての業種に大きな影響が出ていて、対応が求められています。中小機構は経済産業省中小企業庁の中小企業向け支援策の実行部隊として、起業から新事業の展開、事業承継まで、幅広い支援メニューで対応してきました。
リーピーに提供したハンズオン支援についてお話しください。
宮本 専門家が企業の現場に入り、社員と一緒に経営課題を解決していく専門家派遣事業です。6カ月から1年にわたる支援なので、長期で解決したいという課題には最適です。社員自らが実践を通じて課題解決能力を身に付け、支援終了後にはリーダーシップを発揮し、会社を変革していきます。
リーピーにはWeb制作業務に自動車産業の“カイゼン”を取り入れる活動、それをベースに案件の採算を管理し、見える化する活動で支援しました。
リーピーの事業を教えてください。
川口 2013年10月創業で、ビジョンとして「地方の未来をおもしろくする」を掲げています。事業はWeb制作と人材紹介、Webのサービス開発の3つで、Webの運用代行と上流のブランディング支援も行っています。人材紹介では地方の中小企業に必要なハイクラス人材の転職サイトを運営しています。


リーピーが抱えていた課題をお話しください。
川口 ひとつは案件終了後、月次や通期の決算でようやく利益が分かる状態だったことです。案件ごとの採算を見える化して、利益も見通せるようにしたかったのです。もうひとつはWeb制作もものづくりだと考えていて、製造業の“カイゼン”ノウハウを制作工程に取り入れようと考えたのです。
中小機構はどうして知ったのでしょうか。
川口 専門家に現場に入ってもらうことが必要だと考えて、Webサイトで中小機構のハンズオン支援を見つけました。そして、専門家として、トヨタ本体の製造部門とグループ会社の役員という経験があり、製造とITが分かる方を紹介いただきました。
見える化はシステムを自社開発するので少し時間がかかります。そこで、まず2018年5月から10月までの6カ月間、Web制作工程の改善に取り組みました。2週間に1回ほどで合計10回、5-6人のメンバーで進めました。ハンズオン支援は中小機構に経営者が依頼しますが、実際の取り組みでは経営者はオブザーバーで、社員主導で進めます。それが私の考えにぴったりでした。
どんな形で取り組みを進めたのでしょうか。
宮本 最初にメンバーから手戻りが多く、工数を減らすことが課題だと提起されました。ただ直ちに解決できるわけではないので、すぐに取りかかれるカイゼンテーマとして社内レイアウトの変更などを挙げ、平行して進めました。
経営課題の解決に取り組む中小企業・小規模事業者の方々を対象に豊富な経験と実績をもつ専門家を派遣し、アドバイスを実施。主体的に取り組んでいただくことで、支援終了後も自立的・持続的に成長可能な仕組みづくりをサポートします。


川口 Web制作工程のカイゼンに最も役立ったのが、トヨタが車のシャーシを5-6種類に統一しているという話でした。考えてみれば、お客様から見えない部分に付加価値はないわけで、Web制作も同じです。そこで、プログラムの細かな部分やブログのレイアウトなどを汎用化し、基本のレイアウトパターンを作りました。ノーコードツールの開発も含めた取り組みで、制作工数が大きく下がり、利益を生み出す仕組みができあがりました。
案件の採算管理の見える化はどう進めたのですか。
川口 2019年7月から3カ月間、収益把握および収益力向上のための仕組みづくりを目指して、専門家からアドバイスを受けながら、プロジェクト活動を進めました。結果、採算管理の仕組みができあがり、工数管理ツールとして完成させることができました。社内で利用すると共に、「Pace」と名付けて、Web制作会社にもクラウドサービスで外販しています。
ハンズオン支援の苦労点や効果などをお聞かせください。
宮本 リーピーのメンバーの人たちが常に前向きで、苦労はありませんでした。大きな成果を出すためにも、社員の皆様が自分たちでアイデアを出し、意見をいって改善していく姿勢を大切にしています。
川口 改善は会社のカルチャーにまで落とし込まないと意味がありません。カイゼンを徹底的に教えてもらったことで、社員の意識も大きく変わり、社内に完全に定着しました。現在、AIとRPAの専門チームを作り、業務改善に取り組むことができているのも、ハンズオン支援の経験がベースになっています。
経営者に向けた中小機構の
様々な支援メニュー
■スタートアップ期
●創業・ベンチャー支援(インキュベーション事業/スタートアップ挑戦支援事業/FASTAR/Japan Venture Awards/その他)
■成長期
●販路開拓支援(J-GoodTech/地域活性化パートナー制度/EC支援/その他)
●海外展開支援(海外展開ハンズオン支援/海外CEO商談会)
●IT・デジタル化支援(ITプラットフォーム/IT経営サポートセンター/IT経営簡易診断/その他)
■成熟期
●災害対策支援(事業継続力強化支援事業/災害復旧支援)
●事業承継・事業再生支援(事業承継・引継ぎ支援/中小企業活性化協議会/経営後継者研修/その他)
■共通
●経営相談(ハンズオン支援/E-SODAN/SDGs・カーボンニュートラル相談窓口/その他)
●人材育成(中小企業大学校/WEBee Campus/その他)
●共済制度(小規模企業共済/経営セーフティ共済)
●資金調達(ファンド出資/設備投資向け融資/その他)
●情報提供(J-Net21/調査/その他)
上記の他にも、幅広い支援メニューを取り揃えております。お気軽にご相談ください。
株式会社リーピー
・所在地:岐阜県岐阜市香蘭3-7
・設 立:2013年10月
・資本金:1,000万円
・主な業務内容:Webサイト制作・ブランディングツール制作・Webサイト運用代行・人材紹介・Webサービス事業 等
・Webサイト:https://leapy.jp/