新たに冷凍冷蔵倉庫や危険物倉庫の開発へ

「とどける人の力になる。」をコンセプトに、
ビジネスを支える物流施設を開発

企業理念である「信頼を未来へ」に基づき、先進的な物流施設を提供する東京建物。物流ニーズの変化に対応し、冷凍冷蔵倉庫や危険物倉庫の開発にも積極的に取り組んでいる。「顧客との対話」を重視し、ハード・ソフト両面でしっかり要望に応える同社のこだわりについて、気鋭の若手社員2人に聞いた。

きめ細やかな「対話」を重ね、
顧客の力となる物流拠点を造る

「T-LOGI」のブランドで、2018年に賃貸物流施設の開発事業をスタートさせた東京建物。現在、全国で16棟の施設を竣工させており、さらに17棟が建築中・開発中となっている。

同社は人気マンションブランド「Brillia」でおなじみだが、賃貸物流施設についても、顧客ニーズをしっかりと汲み取り、満足度の高い建物やサービスを提供している。

「『とどける人の力になる。』というのが、『T-LOGI』のコンセプトです。ただハコ(建物)を造るのではなく、お客様のビジネスを支える力になる施設や設備、サービスの提供を目指しています」と語るのは、同社 ロジスティクス事業部 リーシンググループ 主任の野本瑠衣菜氏である。

野本氏
東京建物
ロジスティクス事業部
リーシンググループ
主任
野本 瑠衣菜

施設を利用する荷主や物流会社は、荷物のEC化・小口化、少子高齢化に対応する倉庫業務の自動化、物流コストの増大、環境問題への対応など、様々な課題を抱えている。それらの解決策を1つでも多く盛り込み、テナントのビジネスを支えたいという思いがあふれているようだ。

コンセプトを具現化するため、東京建物はテナントに対し「4つの約束」を掲げている。

「対話を重ねます。」「利便性の高い立地を厳選します。」「最適な施設をご提供します。」「次世代の環境を見据えます。」だ。

「中でも重視しているのが、お客様との『対話を重ねること』です。お客様が抱えておられる課題やご要望を把握し、解決策を提供するためには、話し合いが何よりも大切だからです」(野本氏)

具体例の一つとして野本氏が挙げたのが、ある施設に設置された乗用エレベーターのドア開閉速度の調整だ。ドアの閉まる速度が遅く、休憩室へと移動するテナントの従業員から「10分、15分しかない休憩時間が奪われてしまう」という不満が出ていた。

テナントの従業員向けアンケートでそのことを知った東京建物は、すぐさま開閉速度の調整を行い、適切な速度に改善したという。

「ささいなことかもしれませんが、人手確保が困難な状況の中、テナント従業員の方に満足して働いていただくための環境整備は重要だと判断して、すぐに動きました」と野本氏は明かす。

冷凍冷蔵倉庫や危険物倉庫など
新たな領域に参入

一方、「利便性の高い立地を厳選すること」については、綿密な情報収集と徹底した調査を行うことで約束を果たしている。

勝呂氏
東京建物
ロジスティクス事業部
用地取得グループ 兼 リーシンググループ
勝呂 亘

「用地取得時には、高速道路のインターチェンジまでの距離のみならず、そのインターチェンジまでトラックが通れる道が整備されているか、周辺に住宅地があって雇用が確保できそうかなど、総合的な調査を行っています。実際にインターチェンジから候補地までの道をクルマで走ってみて、確かめることも多いですね」と語るのは、同社 ロジスティクス事業部 用地取得グループ 兼 リーシンググループの勝呂 亘氏だ。

もちろん、「最適な施設を提供すること」という約束にも、とことんこだわっている。物件を開発する際には用地取得段階から顧客へしっかりとヒアリングを実施し、エリアの特性に合わせた設計に役立てているという。

さらに、「次世代の環境を見据えること」という約束を果たすため、「T-LOGI」は原則すべての物件に太陽光パネルを設置。夏場の遮熱効果や冬場の暖房効率を高め、創エネと省エネで電力がプラスマイナスゼロになる建物とし、全物件が原則「ZEB認証」を取得している。

このように、「4つの約束」に基づいて顧客の課題を解決する一方、物流の新たなトレンドを的確に捉え、時代に合った施設を次々と開発しているのも東京建物の注目点だ。

同社が昨今取り組みを始めたのが、冷凍冷蔵倉庫と危険物倉庫の開発である。

冷凍食品の需要拡大とともに、冷凍冷蔵倉庫のニーズは急速に高まっている。これに対応し、東京建物はBTS型の冷凍冷蔵倉庫の開発を行ったり、顧客の要望に合わせて常温の倉庫に後付けで冷凍冷蔵区画を設置したりなど、施設造りと運営のノウハウを積み上げてきた。

その経験とノウハウを生かし、現在、「T-LOGI」初のマルチテナント型冷凍冷蔵倉庫「(仮称)T-LOGI大阪弁天町」(大阪市港区)を開発中である。延床面積約5,970坪、4階建ての大規模な倉庫で、27年後半に竣工予定だ。

「弁天町は、大阪港にも大阪の中心部にも近く、兵庫や京都といった近隣の府県にもアクセスのよい立地です。このように都心配送にも広域配送にも適した場所に大型の冷凍冷蔵倉庫を開発できることは、多くのお客様から注目されています」と野本氏。他にも、千葉県の湾岸や内陸エリアなどで、複数の冷凍冷蔵倉庫の開発を検討しているという。

一方、危険物倉庫は、神奈川県厚木市で開発を進めている「(仮称)T-LOGI厚木」(27年春竣工予定)に導入予定である。本プロジェクトは4階建てのドライ倉庫を1棟、平屋の危険物倉庫を2棟計画しており、延床面積は合計で約7,030坪となる。

用地選定段階から開発プロジェクトに携わっている勝呂氏は、「コロナウイルス感染症の流行で需要が増えたアルコール消毒液や、EVに使用されるリチウムイオンバッテリーなどの格納用として、危険物倉庫のニーズは高まっています。西日本からの玄関口である東名高速道路『厚木』IC、圏央道『圏央厚木』ICに近く、地域配送・広域配送双方に適した立地に加え、大規模なドライ倉庫も併設しているので、利便性の高さを評価していただけるのでは」と語る。

T-LOGI 大阪弁天町広域図/厚木広域図
上はマルチテナント型冷凍冷蔵倉庫「(仮称)T-LOGI大阪弁天町」の広域図。下は危険物倉庫が導入される「(仮称)T-LOGI厚木」の広域図。配送に際し利便性の高い立地選定にこだわっていることがうかがえる

今後は海外事業も展開
顧客の幅広い課題に応えていく

事業参入から6年。東京建物の賃貸物流施設開発事業は、短期間で急速に拡大した。同社はタイにおいて、今年の2月に現地法人Tokyo Tatemono (Thailand) Ltd.を設立。この会社を通じて、スワンナプーム国際空港に近接するエリアと、タイ最大の国際貿易港であるレムチャバン港の近くに2つの物流施設をタイの大手不動産デベロッパーと共同開発する。東京建物の事業エリアは、国境を越えて広がろうとしている。

タイ中域図
海外での東京建物初の物流施設開発事業として、タイにおいて、「(仮称)メトロキャットプロジェクト」「(仮称)レムチャバンプロジェクト」の2つのプロジェクトを進める

「とどける人の力になる。」ために、東京建物の挑戦は続く。

野本氏と勝呂氏は、「これからもしっかり寄り添いながら、T-LOGIを選んでよかったとおもっていただける価値を提供していきたい」と語る。

顧客のビジネスに寄り添い、さらなる事業機会の獲得を目指す東京建物。同社の賃貸物流施設開発事業の今後の取り組みに期待したい。