東京エレクトロンデバイス 代表取締役社長・CEO 徳重 敦之氏
PROFILE
徳重 敦之 [とくしげ・あつし]
兵庫県出身。1986年甲南大学経済学部卒業後、東京エレクトロンに入社。長年にわたり半導体・電子デバイス事業をけん引。2007年に東京エレクトロンデバイス取締役就任。15年から代表取締役社長、24年CEO(最高経営責任者)に就任。
メーカーと技術商社の力を融合し
潜在的な社会課題を解決する独自性を発揮
個性の異なる
3本柱の事業が成長エンジン
当社は東京エレクトロンの商社部門が分離独立して誕生しました。現在は「半導体および電子デバイス事業(EC事業)」「コンピュータシステム関連事業(CN事業)」「プライベートブランド事業(PB事業)」の3本柱を軸に事業を加速させています。
EC事業では米国やドイツなどの海外有力メーカー約40社の半導体製品を取り扱っています。産業機器や車載関連機器などのメーカーを中心に2000以上の顧客を有し、最先端半導体を専任エンジニアによる技術的なサポートとともに提供しています。近年はDXやAI、クラウドサービス、OTセキュリティー分野の成長を見据え、半導体などの専門知識を活かしたソリューションビジネスにも力を注いでいます。
CN事業はIT機器やシステムの販売にとどまりません。例えばセキュリティサービスの「TED-SOC(Security Operation Center)」は24時間365日の体制で、専任の運用チームが監視・分析や迅速なインシデント対応支援などを行います。包括的なソリューションを提供できることが我々の強みです。
PB事業は、お客様の仕様に基づいた製品開発を行う設計・量産受託サービスと、自動化・省人化を実現するプライベートブランド製品を提供しています。製造現場で行われている検査員の目視による外観検査の置き換えに着眼し、自社製品として化合物半導体ウエハ検査装置を開発しました。2023年10月には日本エレクトロセンサリデバイスよりシリコンウエハ検査装置事業を譲り受け、お客様への納入を開始しています。今後はウエハ検査装置事業をさらに強化し、日本国内に加え、台湾、欧州などグローバルに提供していく予定です。このように、技術商社でありながらメーカー機能を持つ点が当社の大きな特徴です。

圧倒的なマーケティング力を活かし
さらなる相乗効果を生み出す
現在進行中の中期経営計画「VISION 2025」では「DRIVING DIGITAL TRANSFORMATION」をミッションに、「技術商社機能を持つメーカーへ」をビジョンに掲げ、財務指標を2期連続で達成することができました。最終コーナーとなる25年3月期も達成を見込んでいます。
次の5年の指針として、24年4月には新中期経営計画「VISION2030」を発表しました。おかげさまでVISION2025では順調な成長曲線を描くことができましたが、課題が出てきたのも事実です。中でも「技術商社機能を持つメーカーへ」との目標は必ずしも具現化できたとは言えません。今後はさらに「メーカーと技術商社の力で潜在的な社会課題を解決する会社」を目指し、持続的な収益性向上にまい進します。

東京エレクトロンデバイスの中期経営計画の振り返りと展望
とりわけ重視しているのが経常利益率8%以上という財務指標です。24年3月期が5.7%ですから、相当高い設定になっています。ここで活きてくるのが、技術商社機能をバックボーンとした当社のマーケティング力です。EC、CN、PBの全事業において、お客様からのニーズを拾い上げ、さまざまなサービスに実装していくことを何よりも得意としているからです。現場の声を反映しながら3つの事業がシームレスに連携することで、さらなる相乗効果を生み出していきたいと考えています。
渋谷駅前の本社移転で心機一転
これからも挑戦は続いていく
24年10月には、横浜から「渋谷サクラステージ SHIBUYAタワー」に本社を移転します。渋谷駅に隣接する便利な立地ということもあり、既存の枠を超えたコミュニケーションセンターとして機能させることをコンセプトにしています。
場所は基本的に若いメンバーが中心となって選定しました。次世代を担う人材が高いモチベーションを維持していくためにも、働きやすい環境は必須だと考えたからです。当社は新型コロナウイルスの感染拡大の前からテレワークとオフィスワークを融合した多様な働き方を推進してきました。新オフィスの収容人数も30年の想定社員数の約半数まで収容可能な設計にしています。現在、原則出社に戻す企業も多い中、我々はハイブリッドワークを継続しながら柔軟な働き方、働きやすい労働環境の追求と生産性の向上を目指していくつもりです。
私は今年で社長に就任して10年目を迎えましたが、毎年国内外の事業所を行脚してトップのメッセージを直接伝えてきました。東京エレクトロン時代から変わらないスピリットは、失敗を恐れない姿勢、そして自由に意見を交わし合うオープンなカルチャーです。だからこそ、ほかの企業がやらないことに挑戦することが我々にとっての一丁目一番地。お客様の想像を超える技術を開発すべく、これからも挑戦を続けていきます。
記事中の肩書きやデータは公開時点の情報です




