日本キヤリア 代表取締役社長 久保 徹

PROFILE

久保 徹 [くぼ・とおる]
1963年石川県生まれ。1986年4月東芝入社。家電技術研究所、富士事業所にて空調開発に従事。1999年東芝キヤリア(現日本キヤリア)へ転籍。その後、営業技術部門、中部支社長、統括技師長(執行役員)、経営戦略部門を経て、2018年より代表取締役社長(現職)。

空調技術の歴史を受け継ぎ、
人と地球の課題解決に向けた
ソリューションを提供する。

 1902年に世界で初めて空調の原理を発明、機器を作り出したのは米国人のウィリス・キャリア博士です。その後、彼が1915年に設立した会社が現在のキヤリア・グローバル・コーポレーション(以下Carrier)のルーツです。今日、全世界180の国と地域で、一日当たり5億人に空調ソリューションを提供しています。日本キヤリアはその一員です。

 空調技術において最初に社会に大きなインパクトを与えたのはターボ冷凍機(チラー)です。これは冷媒を用いて冷水を作り、循環させて冷やす方法で、工場の生産性、施設・住宅の快適性、人々の健康など、社会のさまざまな側面を劇的に向上させました。

 Carrierが米国外に拠点を置いた最初の国は日本です(当時:東洋キヤリア工業)。以来、日本は重要な市場であるとともに、技術的にも実績を挙げてきました。世界に普及したインバータエアコンを開発したのは当社(当時:東芝空調事業部)ですし、ロータリーコンプレッサーを含む空調エレクトロニクス、VRF(ビル用マルチ空調システム)などにおいても、Carrierの技術をリードしています。日本の得意なインバータやコンプレッサーの技術と、米国が強いチラーの技術を融合したモジュールチラーは、先駆者として高いシェアを誇っています。

ヒートポンプ技術を基盤に
社会課題解決の一翼を担う

 地球温暖化による災害の激甚化や頻発化、カーボンニュートラル、再生可能エネルギーの必要性など、世界的な課題が山積する今、空調技術には大きな期待が寄せられています。そうした時代のなかで日本キヤリアは、「人と地球のために大切なソリューションを提供する」というビジョンのもと、“低炭素にコミットする”製品群を世に送り出しています。

富士山の麓に位置する、日本キヤリアの技術棟「e-Third」(イーサード)。Carrierの技術の中核であるヒートポンプ技術を基盤とする、インバータやロータリーコンプレッサーを含むグローバルでの研究・開発の中核拠点の役割を担う。また、ソリューションを実現する「ものづくり」の開発拠点でもある
※「e-Third」は“evolution + Technology hub in R&D"の略称

Carrierの技術の中核のひとつである「トリプル・ロータリー・コンプレッサー」

 その特色は、製品はもとよりそれを活用して社会課題解決に注力していることです。特に事業の基盤であるヒートポンプは、商品によりますが、電気1に対して熱エネルギーを数倍以上も生み出せるほどの高い効率性を持ち、まさにサステナビリティに寄与する技術です。これらを生かし、データセンター、半導体の生産設備、あるいはアミューズメント施設、商業施設など、多種多様な場の可能性を広げ進化させています。

多様性を尊重する理念を掲げ、
組織の活力を高める

 Carrierの一員であることは私たちの企業文化にも反映されています。Carrierでは、ビジョン、価値観、文化に根付いた方針として全世界共通の“The Carrier Way”を掲げています。その一つが、I&D(インクルージョン&ダイバーシティ)。当社ではそれを「すべての従業員が自分らしく働ける職場、個性から生まれる視点を生かし、お客様と未来の同僚に選ばれる会社になること」と解釈し、浸透させてきました。

 それにより社員は、国籍、性別、性的マイノリティ、ハンディキャップの有無などに関係なく活躍し、議論でき、そこから新しい発想も生まれます。また女性や外国人社員の活躍を後押しするアライシップ、社風の啓発活動などにも取り組んでいますが、その実行スピードの速さも当社の大きな特徴です。

GX、DXを強力に推進し、
環境負荷を低減

 今後は、空調におけるGX(グリーントランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に進めていきます。また冷媒や原材料変更による環境負荷の低減にも取り組みます。

 さらに、製品納入後のアフターサービスによる価値創造も強化を目指す部分です。例えば、機器や空間のデータを利用した遠隔管理による運転最適化、故障予測などです。こうした一連の環境負荷低減を当社は、“A global leader in intelligent climate and energy solutions”として推進、お客様企業のゼロカーボン追求を支援します。

 私は入社以来、技術開発、設計、技術営業、経営戦略などさまざまな業務を経験してきましたが、なかでもソリューションを実現する「ものづくり」の重要性を強く感じています。これは今後も大切にしたい点です。またCarrierの一員としてのグローバル協働は当社にとって大きな強みであり、これを最大化することで日本事業を成長させたいと考えています。

日本キヤリア株式会社

日本キヤリア株式会社

〒141-0032 東京都品川区大崎1丁目11番1号
ゲートシティ大崎ウエストタワー7階
https://www.toshiba-carrier.co.jp/

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