わずか6年で市場に存在感
脱炭素ビジネスに国境はない
アスエネ
Founder 代表取締役CEO
西和田 浩平 氏
脱炭素化はビジネスにつながるのか。答えは「YES」である。脱炭素社会を実現すべく日本のみならず、国際的に企業に対する規制が義務化されつつあるが、企業のノウハウも規制に対応するソリューションも、まだ黎明期であった。そこに目をつけたのがアスエネだ。2019年に創業し、「気候変動×テクノロジー」による脱炭素ビジネスを展開。わずか6年で、国内市場において圧倒的な存在となった。
アスエネ
Founder 代表取締役CEO
西和田 浩平 氏
主力プロダクトの累計導入社数は、CO2排出量可視化クラウドサービス「アスエネ」が17000社以上、サプライチェーンマネジメントサービス「アスエネサプライチェーン」が13000社以上で、いずれも国内NO.1※だ。「アスエネ」導入企業には、ソニーグループ、大林組、村田製作所など各分野のリーディングカンパニーが名を連ねており、データセンターの導入も増えている。同社の国内成長率は前年対比+120%という急成長を記録。ポテンシャルの高さは資金調達にも表れている。シリーズC2ラウンドのファイナルクローズにより累計115億円の資金を調達した。
脱炭素ビジネスに国境はない。同社は創業当初からグローバルを指向していた。同社CEOの西和田浩平氏は理由を話す。「高校時代を海外で過ごし、前職ではブラジルに駐在していました。その経験から、ソニーやトヨタやホンダのような先駆者としてグローバルで道を切り開き、成功する日本企業に誇りを持っていました。リスペクトをもって当社もそういう存在になりたいと思っています。2022年のシンガポールを皮切りに、米国、イギリス、タイなどに海外拠点を設立しました。その結果、海外売上比率も20%に上昇。最短で1兆円企業を目指すために、総売り上げのうち海外比率50%以上を目標としています」
※ 東京商工リサーチ調べ(2025年7月時点)
世界へ脱炭素ビジネスを拡大
5つの戦略ポイントとは?
同社は国内外で脱炭素ビジネスを急速に拡大。その戦略には5つのポイントがある。
1つ目はワンストップソリューションだ。サプライチェーンのデータ回収、CO2排出量の可視化、コンサルティング、カーボンクレジット、第三者保証サービスなど、一気通貫で対応する。サプライチェーンの上流と下流で自社以外に排出するスコープ3において、1次データを回収できる点もアドバンテージだ。
2つ目はM&A。「ゼロからイチを生み出すゼロイチフェーズは国によってハードルが高い。日本では創業から実績を積み重ねた結果、今の高い信頼とプレゼンスを築くことができましたが、海外では顧客獲得に加えて現地の強い経営陣を採用しないといけないため、この課題を解決できるのがM&Aです」と西和田氏は話す。
米国事業拡大に向け、2025年5月にAIエネルギーマネジメントクラウドを提供するNZero社のM&Aを実施。企業や公的機関のエネルギーコストとCO2排出量の削減を最大化する。強い3名の米国経営陣のリーダーシップにより米国州政府の導入実績はトップクラスである。11月には日本でも同サービスの提供を開始した。また2025年10月にはGHG見える化とメタン漏洩管理SaaSを提供するIconic Air社の100%株式取得・吸収合併を実行。さらに、欧米でM&Aを積極的に行っていく。
アスエネは米国企業Iconic Air, Inc.のM&Aを実現。アスエネのM&Aはクロージングが早い。現在、さらに多くのM&A案件の相談が寄せられている
戦略のポイント、3つ目はAI活用である。独自開発のコンサルティング型AIエージェント「AI NIKOLA(ニコラ)」を「アスエネ」に搭載。操作支援はもとよりCO2排出量削減提案、開示レポート作成などをAIがサポートし、現場での運用負荷や担当者の知識不足といった課題を解決に導く。
4つ目がグローバルサポート。「グローバルで事業を展開する企業には、脱炭素化に関して現地拠点で現地スタッフによるサポートを受けたいというニーズがあります。それに応えるのが当社の海外拠点です」(西和田氏)
5つ目は圧倒的なスピードオペレーション。「顧客をはじめとするステークホルダーに対するレスポンス、提案、営業、M&Aなど実行スピードの圧倒的な速さは、模倣がしにくく、競争力の源泉になっていると思います」(西和田氏)
世界で勝てるGX
クラウドサービスを活用したCO2排出量算定やエネルギーマネジメントは、企業にとってCO2削減だけでなく、コスト削減や企業価値向上にもつながり、競争力の源泉となる。脱炭素の原理を資本主義社会に融合させていくことが脱炭素社会実現の鍵となる。「資本主義社会に脱炭素の仕組みを組み込むことが大切です」と西和田氏は話し、こう続ける。「脱炭素やGXの産業は、日本が世界で勝てる産業になります。GXはソフトウェアだけではなくハードウェアとも連動する分野です。日本が強みとするものづくりの知見や技術を生かせます。規制づくりなど官民連携でのユースケースも作りやすい。当社のお客様は、現在8割が日本企業です。日本市場で培った知見やノウハウを強みとし、グローバル市場に攻勢をかけていきます。GXは日本に勝機があります」。世界へ脱炭素ビジネスを拡げていく、アスエネの挑戦は続く。






