即戦力人材と企業をつなぐ国内最大級のハイクラス転職サイトを運営し、数多くの最新テクノロジーを駆使して“企業”と“人”の最適なマッチング機会を提供している株式会社ビズリーチ。中でも力を入れているのが、AIを活用した機能やサービスの開発だ。生成AI技術の特許公開件数が国内最大級という同社の実績は、その本気度を物語る。AIの力でビズリーチはいかに進化し、何を実現しようとしているのか――。
今や生成AIは、ビジネスだけでなく、日常生活にも当たり前のように浸透し、それによって、仕事の進め方や生活スタイルのあり方も大きく変わりつつある。
実は、これほど生成AIが身近になるかなり以前から、その可能性に着目し、独自の研究開発を進めてきた日本企業があるのをご存じだろうか? TVコマーシャルなどですっかりおなじみになった転職サイト「ビズリーチ」を運営する株式会社ビズリーチだ。
“企業”と“人”(会員)が直接やり取りできる「ビズリーチ」には、マッチング機会を最大化するため、様々な最新テクノロジーが実装されている。エンジニアが在籍し、サービスを内製する体制を持つなど、運営会社であるビズリーチは“テクノロジー企業”としての顔も持っているのだ。
そして、常に最先端のテクノロジーを研究し、それを応用した独自の機能やサービスを次々と生み出し続けている同社は、AI研究にも積極的に取り組んできた。
「私が入社した頃には、すでにAI研究の専門チームが立ち上がっており、複数の要素研究が行われていました。少なくとも、生成AIが注目され始める3年以上も前から研究を始めていたことになります」
そのように語るのは、ビズリーチ 執行役員 CSMO(最高戦略・マーケティング責任者)であり、ビズリーチ事業部 事業部長を務める枝廣 憲氏である。
ビズリーチ
執行役員 CSMO /
ビズリーチ事業部 事業部長
枝廣 憲 氏
枝廣氏は、電通、外資系ゲーム会社の代表取締役などを経て、2019年にビズリーチに入社。「一見、テクノロジーとはあまり関係なさそうな会社が、相当な人数を割いてAI研究を行っているのは非常に珍しいと思いました」と入社当時の同社の印象を率直に明かす。
ビズリーチが早くからAI研究に力を入れてきたのには、もちろん大きな理由がある。「キャリアに、選択肢と可能性を」というミッションを果たすためだ。
事業戦略とテクノロジーのつながりを経営者の立場で推進してきた枝廣氏は、以下のように話す。
「一般に生成AIは、業務効率化や生産性向上のためのツールとして用いられることが多いものです。人の何百倍もの速さで情報を集め、スピーディーに業務を処理してくれるからです。もちろん、速さを生かしてHR業務を効率化させることも重要ですが、ビズリーチが目指しているのはそれだけではありません。
『ビズリーチ』で労働市場を、『社内版ビズリーチ by HRMOS』で社内人材を可視化することで、企業は社内外から適切な人材を採用・登用できるようになります。こうした社内外をつなぐプラットフォームを構築し、企業には戦略的な人材活用を、働く人には新たなキャリアの選択肢を提供する未来を描いています。
私たちが生成AIによって目指すのは、企業と働く人のマッチング機会を最大化し、『キャリアの選択肢と可能性を広げる』という、ミッションに根差した本質的な目的を実現することです」(枝廣氏)
この点が、ビズリーチのAIに関するスタンスの特徴だ。近年、転職市場の活性化等によってHR部門の業務量は年々増大しており、限られた人手では業務をこなし切れなくなっているからだ。
「私たちが考える生成AIの強みは、単なる効率化だけでなく、NLP(自然言語処理)を通じて、企業や人の抱える負に寄り添いながら、柔軟に『提供する価値』を変えられることだと考えます。
例えば、企業は求める人材像を、働く人はご自身の経験を『言語化』することが、1つのハードルになっています。私たちは、そうした負を取り除き、企業と人のマッチング機会を最大化するAI活用に徹底的にこだわっています」(枝廣氏)
ビズリーチが描く未来像。労働市場のデータと社員データをリアルタイムかつ一元的に集積・分析し、社外と社内の垣根を越え、独自のAIを活用しながら必要な能力やスキルを持った人材を採用・登用できることで、最適な人的資本経営につながる「人的資本データプラットフォーム」の構築を目指している
ビズリーチが、企業と人のマッチング機会を最大化するAIの開発に注力できるのは、それを可能とするデータがそろっているからだ。
「『ビズリーチ』には、2009年のサービス開始以来、約16年にわたって蓄積されてきた『ポジション』や『レジュメ』など、労働市場に関する膨大なデータがあります。これらのデータを活用することで、AIによってマッチングの機会を最大化できるのです」(枝廣氏)
(1) BizReachを導入した累計企業数、ヘッドハンターを除く
(2) データベース上に登録されている会員のうち、採用企業またはヘッドハンターへの職務経歴書公開設定を「公開」にしている会員(無料会員を含む)
2009年にサービスを開始した「ビズリーチ」。累計導入企業数は約16年間で3万6300社以上、スカウト可能会員数は293万人以上にも上っている(2025年4月末時点)。この間、企業、人材それぞれの労働市場に関する膨大な量のデータを蓄積しており、これがAI機能の精度を高める基盤となっている
しかも、先ほどから述べているように、ビズリーチには自社で独自に積み上げてきたAI研究の実績がある。同社の生成AI技術に関連する特許公開件数は国内1位を獲得したこともあるという(※1)。
その優れた「AI技術」と、豊富な「データ」という2つの資産の掛け合わせによって、ビズリーチにしかできないマッチング機会最大化のための機能やサービスを提供できるのである。
同社はAIを使った機能群を「ビズリーチAI」と命名。これまでにリリースされた主な機能としては、ビズリーチ会員に向けた「レジュメ自動作成機能」(特許取得済み)、企業に向けた「求人自動作成機能」(同)や、「ビズリーチ・キャンパス」ではOB/OG訪問に対応する社員に向けた「プロフィール自動生成機能」などがある。
また、ビズリーチは、企業が直面する「人材流出」という課題に対し、社内人材と社内ポジションの最適なマッチングを実現し、社員が働き続けたくなる会社作りを支援する「社内版ビズリーチ」というサービスも展開している。このサービスでも「社内ポジション自動生成機能」(特許取得済み)や「社内タレント検索機能」(同)といった生成AIを使った機能を提供している。
「ビズリーチAI」は同社のサービス内で完結しており、複数のサービスを使い分ける必要がないことも特徴だ。個人情報や企業の機密情報を外部のAIサービスに預ける必要がないため、利便性と安全性を両立できる。
「ビズリーチAI」を活用した社内外のレジュメ・プロフィールの自動作成件数は、累計50万件を突破。また、この機能を導入した企業は1万社を超え、着実に広がりを見せている。
※1「株式会社知財図鑑」による2023年8月~2024年7月に最先の公開があった日本特許および特許出願調査をもとに、ビジョナル株式会社が算出。
「ビズリーチAI」は、社外人材採用のための「ビズリーチ」、社内人材登用のための「社内版ビズリーチ」、新卒採用向けの「ビズリーチ・キャンパス」など、同社が提供するキャリアを幅広くカバーする様々なサービスに実装されている
「ビズリーチAI」によって、企業や人材はどのようなメリットを享受できるのか?
例えば、「ビズリーチ」の「求人自動作成機能」は、企業や企業内の各部署が求める人材要件を生成AIが自動作成してくれる機能である。採用したい人材のイメージはあるが、必要なスキルや経験、特性を具体的に言語化できない、という企業が抱える課題を解決してくれる。
一方、「レジュメ自動作成機能」は、転職活動で必須となる職務経歴書を生成AIが自動作成してくれる機能である。職務経歴書は、慣れない人が自分で書くとうまく表現できなかったり、企業の関心を得やすい経歴やスキルの記載が抜け落ちてしまったりと、もったいない仕上がりになることも多い。
企業に向けた「求人自動作成機能」、会員に向けた「レジュメ自動作成機能」、いずれもビズリーチが蓄積した膨大なデータを基に、同社が開発した生成AIが独自のロジックで質の高い求人や職務経歴書を自動で提案する。
「レジュメ自動作成機能」を利用した会員は、利用しなかった会員と比較し、平均で40%多くのスカウトを受け取る結果になったという。
企業向けには、求める人材に必要なスキルや経験・特性を具体的に言語化してくれる「求人自動作成機能」、会員向けには、転職活動で必須となる職務経歴書を生成AIが自動作成してくれる「レジュメ自動作成機能」を提供。双方のニーズを高精度に言語化することで、マッチング機会を増やしている
「企業も、働く人も、互いのニーズを生成AIによって明確に『言語化』することで、質の高いマッチング機会の最大化が実現できるわけです。ミスマッチの可能性が低くなり、能力を発揮しながら活躍できる人材が増え、その力によって発展する企業が多くなれば、日本経済にとっても大きなプラスになります。
ビズリーチは、企業の人的資本経営と、働く人の自分らしいキャリア形成を支援する『キャリアインフラ』となって日本の発展を足元から支えていきたい。インフラとしての役割を果たすため、キャリアの“点”ではなく全体像を捉えた“面”での支援を行い、ビズリーチだからこそできる、安全性と利便性を両立した価値あるAI機能を提供してまいります」(枝廣氏)
株式会社ビズリーチ
https://www.bizreach.co.jp/ai


