


キャディ 代表取締役加藤 勇志郎 氏
東京大学卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ入社。同社マネージャーとして、グローバルな領域で製造業メーカーを多方面から支援するプロジェクトを牽引。2017年にキャディを創業。「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、製造業の改革を目指す。
主要国の製造業GDPが拡大する中、成長が鈍化している日本の製造業。しかし、圧倒的な経験値を有する日本は、AI活用で生産性の抜本的な向上を実現できる可能性を持っている。カギを握るのは、点在する膨大な知見と経験の「資産化」。それを可能にする「製造業特化型」のAIデータプラットフォームとは。
キャディ 代表取締役加藤 勇志郎 氏
東京大学卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ入社。同社マネージャーとして、グローバルな領域で製造業メーカーを多方面から支援するプロジェクトを牽引。2017年にキャディを創業。「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、製造業の改革を目指す。

日本の業種別GDP構成比を見ると、製造業は約2割を占め、我が国の中心的な産業としての役割を果たしている(※1)。しかし2023年、ドル建ての名目GDPで日本はドイツに抜かれて世界4位に転落。2000年以降、中国、米国、ドイツなど主要国のGDPが大幅に伸長している中で、日本のGDPは停滞・縮小している。
「労働力人口が減り続けている日本がGDPを拡大するには、1人当たりの生産性をいかに拡大するかが重要です。生産性を今の数倍から数十倍高めなければ、世界を再び驚かせるようなモノづくりができない」と語るのは、「製造業AIデータプラットフォームCADDi(キャディ)」を提供するキャディ代表取締役の加藤勇志郎氏(以下、加藤氏)である。
GAFAMをはじめとする世界のデジタル企業は、“破壊的イノベーション”によって、飛躍的な生産性向上を実現させている。とはいえ、“破壊的イノベーション”は誰もが簡単に起こせるものではなく、製造業が取り組むのは難易度が高い。
「生産性向上のカギを握るのは、過去のやり方を破壊するのではなく、積み上げてきた膨大な知見や経験を資産化し、活用するイノベーションの実践です。日本の製造業は後者の方が受け入れやすく、変革の効果も高いと考えられています」(加藤氏)
では、製造業のどのような知見や経験を資産化し、活用すれば良いのだろうか?
「製造業には図面・不具合報告書・3DCADといったフォーマットの異なる様々なデータがあります。また、書庫に眠っているアナログのデータもあります。このような過去の試行錯誤や創意工夫が詰まった膨大かつ貴重なデータが、放置されたままになっています。それらを必要に応じて、いつでも自由に取り出せるようにする環境を整える。つまり資産化すれば、同じようなことを何度も繰り返す必要がなくなり、現場の生産性は飛躍的に向上します」と加藤氏は話す。
日本の製造業の歴史を見ると、総量では世界に負けない経験値を蓄積してきている。その経験値のアドバンテージをAIによって活用することは、製造業の新たな競争相手として台頭している新興国には成し得ない、圧倒的な生産性向上の起爆剤となり得る。しかしながら、製造業のAI活用にはハードルもある。
※1 出所:経済産業省「2024年版ものづくり白書」

こうした過去の知見や経験の資産化を可能にするのが、キャディが開発した「製造業AIデータプラットフォームCADDi(以下、CADDi)」である。
その大きな特長の一つは、製造業に特化した独自のAIによって、各部門や各拠点・工場に点在する多様なデータを解析・統合し、業務に応じて必要な情報をいつでも引き出せることにある。
「社内のあらゆるデータを『CADDi』に入れることで構造化し、ひも付けることができます。その結果、過去から現在までの『時間軸』、各地にある拠点・工場のデータを集約する『空間軸』、部門間をまたぐ『組織軸』の3つの軸を超えて情報が資産化されます。例えば、ある工場がかつて試作した製品の図面を、異なる拠点で新たに開発する際に活かす、といったデータ活用が可能となるわけです」と加藤氏は説明する。
「製造業に特化したAIがデータを抽出・構造化、自動的に関連するデータをひも付けられることで、例えば、『国内はもちろん、海外拠点も含めてナレッジの共有ができる体制ができた』『後工程の情報を参照して設計を行うフロントローディングができるようになり、コスト削減・生産性向上が実現できた』といったお声を導入企業の方々からはいただいています。
当社は、祖業である受発注のプラットフォーム事業の経験があり、製造業出身者も多いため、現場課題を熟知しています。なので、製造業特有の非構造化データも構造化する独自のAIデータプラットフォームを提供できるのです。これが他のホリゾンタル型のAIと『CADDi』との大きな違いです」(加藤氏)

日本の製造業が過去の知見や経験を活かすためには、新たな価値を生み出そうとするマインドセットや企業文化の醸成が求められる。
「私たちはベテランたちの積み上げてきた資産を共有し、若手が早期から積極的に価値提供する土壌をつくるといった、企業文化の変革からサポートをしています。また、現場に短期のメリットをもたらしながら、データの資産化という中長期のメリットを両立できる『ダブルループ』という思想で開発していることで、使うことでデータが溜まり、データが溜まっているから使うという循環を実現しています」(加藤氏)
「CADDi」は、社内のあらゆるデータを解析、統合して資産化する「データ基盤」と、そのデータを活用する「アプリケーション」で構成されている。
あらゆる部門のあらゆるデータを瞬時に引き出すことでデータ活用を実現する「製造業データ活用クラウドCADDi Drawer(キャディ ドロワー)」に加え、見積を起点に調達活動の高度標準化を支援する調達業務特化のアプリケーション「製造業AI見積クラウドCADDi Quote(キャディ クオート)」の提供を開始。今後、さらに多くのアプリケーションを提供していく予定だ。
加藤氏は「日本の製造業が持つ経験値=ポテンシャルだと考えています。そのポテンシャルを解放できるよう、今後もAIの性能向上やアプリケーションのラインアップ拡充に取り組んでいきたい」と抱負を語る。
その先に見据えているのは、かつて世界から羨望の眼差しが注がれていた日本の製造業の復活だ。
「『知見と経験の資産化』で圧倒的な生産性向上を実現し、世界を驚かせましょう」(加藤氏)
「製造業AIデータプラットフォームCADDi」は、「データ基盤」でデータを解析・統合し、アプリケーションでデータ活用を行うことで、生産活動と意思決定の高度化を実現する。現在は、「製造業データ活用クラウドCADDi Drawer」と「製造業AI見積クラウドCADDi Quote」の2つのアプリケーションを提供し、今後もサプライチェーンを横断する様々なアプリケーションを展開していく予定だ
お問い合わせ
キャディ株式会社https://caddi.com/