デルタ電子は、持続可能な社会の実現に欠かせない高効率な電源技術や省エネルギー技術の領域で数々の技術革新を生み出し、膨大な製品とソリューションを世界に提供してきた。その応用領域は、EV(電気自動車)の車載電源や充電設備、AI活用拡大で大規模化するデータセンターの電源、工場やビルの自動化と省エネルギー化機材、さらにはマイクログリッド(小規模電力網)を構成する電力変換・蓄電設備など、今後の成長が見込める重要性の高い市場が多い。同社の高効率製品およびソリューションは、2010年から2024年までの累計で、顧客の電力消費を520億kWh(大型原子炉6基分の電力量に相当)削減してきた。
デルタグループ会長兼CEOの鄭平氏は「当社の特徴は、グローバル市場をリードする電源技術にとどまらず、システム目線で最適化した包括的なソリューションを提供できる点です。AIやEV、エネルギーといった世界的なメガトレンドに応えるべく、毎年売り上げの8~10%を研究開発に投入することで、継続的な技術革新に取り組んでいます」と語る。
実際にAI分野では、新たに800VのHVDC(高圧直流送電)アーキテクチャーを開発。データセンターの総合エネルギー効率を4%以上向上・改善し、最大92%の高効率を達成するなど、その革新力と具現化力は特筆できるものだ。
近年、市場環境の変化が激しいEVの領域では、「エネルギー変換率の観点から、EVへの移行トレンドが消失することはありません。長期的視点で継続的に技術とビジネスの開発に取り組んでいます」と鄭氏は話す。
デルタ電子では、「ブランド元年」と位置付けた2010年以来、グループ主力事業である電子部品からシステムソリューションへの転換、さらにはODM(相手先ブランド製造)から産業用独自製品・サービス・ソリューション事業への領域拡大に取り組んできた。例えば、個々の電源製品の電力効率が95%だったとしても、応用システム全体では50〜60%程度にとどまるケースがある。こうした余地に貢献したいというのが同社の思いだ。
2017年には組織改革を行い、事業領域をEV、IA(産業オートメーション)、BA(ビルオートメーション)、ICT(情報通信技術)、EIS(エネルギーインフラシステム)の5大成長市場にフォーカスしている。これらの領域の先進技術を活用すべきなのは、顧客だけでなく、同社自体も同じだ。そこで、「当社が開発したソリューションは、まず自社で活用することで、ユーザー目線でより成熟させた上で、お客様に提供しています」と同グループ CBOの郭珊珊氏は述べる。
デルタ電子はアジアのハイテク・ハードウエア業界に先駆け、ネットゼロの科学的削減目標(SBT)の審査を通過した企業である。2030年にRE100達成、2050年にネットゼロエミッションを目標に掲げている。そして、社内で1トンあたり300米ドルの内部炭素価格を設定して炭素コストを経営管理に組み込み、省エネのプロジェクトへの投資や技術開発に活用するなど、特徴的な施策も実施している。
他方、「理想のソリューションを創出・提供していくために必要な知見や技術を、すべて自社保有できているわけではありません。共に技術革新に取り組むパートナーを常に求めています」と鄭氏は話す。
デルタ電子は、日本に拠点を置いて既に34年。「日本は品質要求が高く、環境・社会的責任への意識も高い、学びの多い市場です。安定した系統を背景としたデータセンター投資の増大、エネルギー活用体制の変革、製造業回帰による工場の自動化需要の拡大など、直近での取り組み課題も多くある中、日本企業との共創で、世界に貢献できるソリューションを開発・提供できると確信しています」と日本法人代表取締役社長の華健豪氏は語る。
2025年7月には日本法人本社を移転し、同社の技術を網羅的かつ深く知ることができるフルスケールのショールームを開設。社会課題への応答、持続可能な社会の実現に向けた最新のソリューションを紹介している。新たな価値創出を目指す企業は、ぜひ一度声をかけてみてはいかがだろうか。