大和総研

マイナンバーカードで本人確認を迅速化
金融サービスのDXを加速する

証券口座や銀行口座を開設する際に、時間と手間がかかる本人確認。お客様と金融機関、双方の負担となっているこの手続きを簡素化するため、大和総研はマイナンバーカードの電子証明書を使用した、オンライン本人確認サービスの開発を進めている。2024年8月には、JPKI(公的個人認証サービス)のプラットフォーム事業者として主務大臣(デジタル庁および総務省)の認定を受けているワークシー(旧シフトセブンコンサルティング※1)と資本業務提携契約を締結。業界標準となるサービスを創出しようと挑む大和総研の取り組みに迫った。

※1ワークシーは2025年4月7日に、社名をシフトセブンコンサルティングからワークシーに変更

写真:名取 暁氏
大和総研 金融システム事業本部 金融ITコンサルティング部 コンサルティング課 課長代理 名取 暁氏

金融業界向けシステム開発の
“新たな選択肢”を目指す

大和総研は、証券、銀行、資産運用をはじめとする金融業界向けのシステム開発や運用で長年の実績を持っています。お客様のビジネス環境の変化に即したDXを支援するため、新しいテクノロジーも積極的に採り入れ、革新的なソリューションの開発に努めています。金融業界向けシステム開発の“新たな選択肢”を目指す大和総研の取り組みに、ぜひご期待ください。

信頼性を担保しながら
利便性を飛躍的に向上させる

大和総研は、シンクタンクとしての調査分析に基づいた幅広い情報発信と政策提言活動、事業戦略の策定支援から実行支援に至るまでワンストップのコンサルティング、高品質で信頼性が高い各種システムの開発・運用と、多様なサービスを提供する。システム部門は、とくに証券、銀行、資産運用などの金融分野に強く、高い専門性に基づき、柔軟な拡張性と高い信頼性を備えた標準プラットフォーム型のサービスを提供。お客様のニーズに合わせて、IT戦略の策定から設計、開発、運用に至るまで一貫した支援を行っている。

「金融業界でも業務効率改善やサービス品質向上のためのDX化が加速しています。近年注目を集めているのは、法定調書の提出などの行政手続きのデジタル化や、マイナンバーカードの電子証明書を使った本人確認などのソリューションです」と語るのは、大和総研 金融ITコンサルティング部 課長代理の名取 暁氏である。

そうした時代のニーズに応えるソリューションを提供するため、大和総研は2024年8月、福岡市に本社を置くITコンサルティング企業のワークシーと資本業務提携を締結した。

ワークシーは、ビジネスプロセス改善サービスで知られている。同社が提供するふるさと納税管理システム「ふるさと納税do」は、2025年5月時点で、全国の自治体1788のうち1435自治体に導入されており、トップシェア※2を誇る。また、主務大臣が認定するJPKIのプラットフォーム事業者に選ばれるなど、マイナンバー関連の技術にも強みを持つ。

ワークシーで開発チームのリーダーを務める長谷川 樹氏は「ワークシーの持つマイナンバー関連の技術や知見と、大和総研が得意とする金融業界向けシステムの企画・開発力を掛け合わせることで、信頼性を担保しながら金融サービスの利便性を飛躍的に向上させるソリューションを創出したい」と語る。

※2ワークシー調べ

金融サービス向上に資する3つのソリューション

写真:長谷川 樹氏

ワークシー
開発チーム リーダー

長谷川 樹氏

互いの強みを融合させた大和総研とワークシーは、具体的にどのようなソリューションを提供しているのか?

名取氏は、「主なものは、ワークシーが開発した『認定クラウドサービス(NISAクラウドおよび法定調書クラウド)』『民間送達・マイナポータル連携サービス』『JPKI関連ソリューション』の3つ。いずれも金融サービスを利用するお客様と、提供する金融機関、それぞれの利便性に資するものです」と説明する。

「NISAクラウドサービス」は、NISA取扱金融機関がNISA簿価残高情報を国税庁へ提出するためのサービスで、2026年1月から運用が開始される。金融機関を超越したNISA簿価残高管理が可能となる。

また、「法定調書クラウドサービス」は、企業が税申告の際に、書面や光ディスク、e-Tax(国税電子申告・納税システム)経由などで提出していた法定調書を自動提出できるようにするサービスで、法定調書の提出に関わる事務負荷を軽減する。

一方、「民間送達・マイナポータル連携サービス」は、「法定調書クラウドサービス」で提出した法定調書のデータをマイナポータルに連携するサービスだ。

株式、投資信託などを取引した投資家は、確定申告の際に金融機関から特定口座年間取引報告書などの書類を取得し、e-Taxなどから申告手続きを行う必要があるが、各種書類の管理や入力ミスなどが課題となっている。長谷川氏は、「本サービスを使用することで、マイナポータルでの控除証明書の一元管理が可能となります。また、連携した特定口座年間取引報告書のデータを利用したe-Taxでの自動入力が可能となります。確定申告作業の簡素化や入力ミスが解消されるなど、お客様の利便性は格段に向上します」と説明する。

マイナンバー活用を基軸とした
業界標準となるサービスを創出

さらに、証券口座や銀行口座の開設などに関わる業務を飛躍的に効率化する仕組みとして期待されるのが、「JPKI関連ソリューション」だ。

JPKIとは、マイナンバーカードの電子証明書を使用して、オンラインで本人確認が可能となるサービスである。

「口座開設の際の本人確認では、申込書を記入していただき、身分証明書のコピーと共に営業員が受領する、または郵送していただくというのが一般的です。そのため、どうしても時間がかかりますし、お客様と金融機関のそれぞれに負担が発生してしまいますが、JPKIを利用すれば、時間と手間が一気に解消されます」(名取氏)

電子証明書による本人確認は、住所変更などの確認といった継続的な顧客情報の管理にも利用できる。

また、オンライントレードなどを利用する際にも、ID・パスワードの入力に比べて「なりすまし防止」効果の高い本人確認手段として利用できるなど、将来性の高いソリューションである。

「JPKI本人確認サービス」の概要
図:「JPKI本人確認サービス」の概要。
								身元確認:属性情報(氏名・住所等)の確認・登録。
								●口座開設時等の身分証明書・容貌の撮影が不要となり、投資家利便性の向上
								●身分証明書・容貌の確認事務の効率化
								●口座開設時の基本4情報(氏名・住所・生年月日・性別)・個人番号の入力ミスの防止

								当人認証:事前に登録した本人であることを確認。
								●ログインID/PWによる確認をマイナンバーカードで代替することで、セキュリティ向上
								●顧客からのログインID/PW忘れによる、問い合わせの削減

								現況確認:引っ越し時に最新住所を取得。
								●J-LISから最新の住所を取得できるため、住所確認の転送不要郵便が不要に
								●最新の住所を取得できることで、その他郵便物の返還が減少し、事務コストを削減

名取氏は「今後のデジタル社会において、オンラインにおける本人確認の信頼性・確実性を担保する方法が課題であると考えられ、JPKIは金融業界にとどまらず、キーとなる技術です。直近では金融機関向けにJPKIを利用して、手続きの簡素化・迅速化を図るソリューションの提案を進めています。また、デジタル庁のデジタル認証アプリの使用も視野に検討しています。できるだけ早く成功例を作り上げ、金融業界にとどまらず広くお客様の利便性向上に寄与していきたい」と語る。

以上のソリューションも含め、大和総研が目指しているのは、「マイナンバー活用を基軸とした業界の標準となるようなサービスの創出」(名取氏)だという。デジタル社会の実現を支える大和総研の革新的な取り組みに注目していきたい。

写真:名取 暁氏、長谷川 樹氏

ロゴ:大和総研

株式会社大和総研

〒135-8460 東京都江東区冬木15-6
https://www.dir.co.jp/

SHARE

記事中の肩書きやデータは公開時点の情報です