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ここ数年で企業の働き方は大きく進展した。働き方改革の実施・コロナ禍を契機とし、ほぼ半数の企業がテレワークを継続。特に情報通信部門での実施率が高いという※1。加えて、テレワークを導入している企業のうち、4割程度の企業がリモートアクセス設備の増強を検討・実施している※2。こうした状況のなかで、インテルが19年前となる2006年に発表したのが法人向けパソコン用の「Intel vPro® プラットフォーム」(以下、Intel vPro®)だ。昨今、このIntel vPro®が備える強固なリモート管理機能を再評価する見方が出てきている。そこで今回、3Dメタバース分野のリーディングカンパニーとして知られるHIKKYのエンジニアたちとインテルの主要メンバーがメタバース空間 にアバターとして集い、HIKKYのニーズとIntel vPro®の最新動向について意見交換する“アバター交流会”が開催された。果たして歴史あるIntel vPro®の高機能は、時代の先端を走るHIKKY技術陣の悩みを解決できるのだろうか。
※1:総務省・通信利用動向調査、令和6年 ※2:総務省・テレワークセキュリティに係る実態調査、令和5年

座談会参加者

HIKKIY
営業&ソリューション部
プロジェクトマネージメントチーム
プロジェクトマネージャー
きよまる氏

HIKKY
バックエンド・インフラ開発部
インフラチーム
リーダー
めどう氏

HIKKY
情報システム部
情報システム/セキュリティチーム
リーダー
アツラ氏

HIKKY
ゲーム関連技術開発部
ネットワークエンジン開発チーム
リーダー
かせかい氏

インテル
マーケティング本部長
上野 晶子氏

気鋭のエンジニアたちが運用を支える
メタバース空間

メタバースや仮想現実(VR)分野のリーディングカンパニーとして知られるHIKKYは、2018年に日本で設立された。同社の主力事業であるメタバ―ス空間で開催される「バーチャルマーケット(通称:Vket(読み:ブイケット)」は、毎回世界中から130万人以上が来場し、企業や個人のクリエイターが3Dデータやリアルの商品を展示・販売する世界最大級のVRイベントだ。ブース数が1104店舗、1時間でのアバター写真投稿数が2311件などのギネス世界記録 の他、計4つのギネス世界記録を達成している。

このVketを始めとするメタバースサービスを創り出す情報システムは、アバター文化を醸成するという社風の下で、社内でもアバターに扮する気鋭のエンジニアたちが運用している。VRを体現するため、エンジニア本人は会社のオフィスには出勤せず、自宅などリモートワークの環境からシステムを監視するという徹底ぶりだ。しかしこうした運用形態を円滑に継続するには、システムの安定性やリモート管理機能を強化して、オフィスにエンジニア本人がいなくても運用を継続できる環境が求められる。

メタバース空間にHIKKYのエンジニアたちとインテル関係者が集結

そこでHIKKYのエンジニアたちが白羽の矢を立てたのは、インテルが19年前に開発した法人向けパソコン用プラットフォームのIntel vPro®だった。Intel vPro®の強みは、OSトラブル時もリモート管理やセキュリティー対策の機能を利用できる、安定性の高いハードウエアを備える点にある。

ミニPC30台からの大人数接続テスト
OSトラブル時のリモート管理が有効

交流会でHIKKYが最初に発案したIntel vPro®の活用方法は、ユーザーがWebブラウザーから参加できる環境を提供するサービス「Vket Cloud」の運用において、大人数のユーザーからの接続を想定したテストを実施するケースだ。「Windows 11搭載のミニパソコンを30台並べて同時稼働してメタバ―ス空間に接続しますが、テストの途中でOSなどのアップデートが始まったりしてパソコンが使えなくなると、再起動が必要になります」(HIKKY かせかい氏)。こうしたケースでは、Windows 11に標準搭載されているリモートデスクトップ機能を使う再起動により復旧しているが、OSトラブルによってリモートデスクトップが使えなくなるケースも少なくないという。

この場合、社内のパソコン設置場所にテスト実施者がいればスイッチ操作などで再起動できるが、前に触れたようにHIKKYはリモートワークを導入している。このため、「自宅作業でのテストでトラブルが発生した際には、社内にいる社員にパソコンの再起動や状況確認を頼むこともあります」(HIKKY アツラ氏)。

こうした状況の対策として、パソコンの画面表示を数秒ごとにキャプチャーして管理サーバーに転送する管理ツールを自作したり、リモート環境から画面表示を確認しながらBIOS設定や再起動を行える「KVM over IP」技術に対応する遠隔操作デバイスの導入を検討したりしていたという。しかしvPro対応パソコンであれば、電源オフの状態やOSが起動していない場合でも、リモート環境からの電源操作、BIOS設定、OS復旧などが可能な「インテル® アクティブ・マネジメント・テクノロジー」(以下、AMT)が搭載されているため、こうした管理機能の追加は不要になる。「そうなれば、テスト環境がより安定して、繰り返し検証できるようになりますね」とかせかい氏は期待を寄せた。

実際、Intel vPro®は大学や高校での授業用途で数十台~数百台の単位で導入され、それらのパソコンを一括管理する用途で重宝されている。「Intel vPro®のハードウェア・アラーム・クロック、いわゆる「目覚まし時計機能」を使うと、パソコンを起動、シャットダウンする時刻を曜日ごとに設定して自動化できます」(インテル 上野晶子氏)。このようにパソコン稼働時間を自動化する機能は、リモート環境からのテストにも便利だ。「今はミニパソコンの省電力性を信頼して、スリープ状態にならないように24時間起動し続けていますが、やはり空調機器の電気料金がかさみますし、火災リスクも考えて、使わない時間帯は電源オフにできると安心ですね」(かせかい氏)。

こうしたリモート再起動や稼働時間設定などのIntel vPro®の機能を活用すれば、システム管理者が安心してリモートワークに従事できる環境を整えられるようになる。「何か問題が発生したら会社に急行しなければならないということがなくなり、システム管理者が心の安心を保てることが一番のメリットですね」(上野氏)。

Intel vPro®導入を想定した業務改善手法を熱く語るHIKKY技術陣のアバター

Intel vPro®マシンを簡易サーバーに活用
高度なハードウエアセキュリティーで安心運用

次にHIKKYのエンジニアたちが挙げたIntel vPro®導入による業務改善シーンは、Vketの開催に向けた準備・対応を支える、グラフィック強化デスクトップマシン群のリモート管理体制を強化する用途だ。HIKKYはサーバーを基本的にはクラウド環境で運用しているが、高負荷のグラフィック処理を必要とする機能は、社内のコンピュータールームに設置した「かまど」と呼ぶデスクトップマシン群で運用している。「例えばVRChatの画面を最終的に仕上げる『ベイク』というグラフィック処理は、Vketの開催期間中は常時走りっぱなしになりますし、細かいバグ修正が必要になることも多いです」(HIKKY めどう氏)。

「かまど」のマシン群も、前に触れたミニパソコンのようにリモートワークで管理しているため、遠隔地から再起動できる体制が求められている。「加えて、情報セキュリティマネジメントシステム (ISMS) が国際標準に適合する認証を取得した当社としては、データ漏えいを防ぐ強固なセキュリティー対策も求められます」(めどう氏)。

実はこうした簡易サーバー的な用途に、Intel vPro® 搭載PCはすでに良く使われている。「例えば大手製造業のエンジニアがCADをグラフィックワークステーションで使う用途では、10年以上前からIntel vPro® マシンの導入が進んでおり、本体をサーバールームに設置して、CAD操作用のモニターとキーボードがあるオフィスからサーバールームにあるワークステーション本体の電源を制御するといった使い方もされています」(上野氏)。簡易サーバーとして使うにはシステムの安定性がより求められるが、Intel vPro® が搭載する「インテル® ステーブル IT プラットフォーム・プログラム」(SIPP)では1000項目以上の検証テストを通じてハードウエアの安定性を高め、システムのダウンタイムを最小限に抑えている。

またIntel vPro® は、BIOSなどファームウェア改ざんなどを狙う低階層レベルを標的とした攻撃にも対応できる、ハードウェア・ベースのセキュリティー機能を備えている。AI技術を活用したCPU動作状況監視や機械学習により、ランサムウェアやゼロデイ攻撃などの脅威を検出する。「パソコンの業務利用においては、OSやアプリケーションを最新状態にアップデートしておくことがセキュリティーの観点から重要ですが、電源オフの状態ではリモートでソフトウェア・アップデート作業を行うことは困難です。Intel vPro® 搭載PCならいつでもPCを立ち上げて作業できるので安心という理由で導入する企業も多いです」(上野氏)。これらの機能により、HIKKYが求める強固なセキュリティー基準にも対応できる。

交流会ではHIKKY側から、「Intel vPro® マシンに当社が必要とするグラフィックボードを追加することは可能か」といった質問も出た。これに対してインテル側は、対応可能と回答。「Intel vPro® 対応のマザーボードを使って自作したデスクトップマシンにグラフィックボードを追加して使用できますが、マザーボードによっては並行輸入品などを入手する必要があります」(上野氏)。

こうした構成のIntel vPro® 搭載PCであれば、本格的なサーバーより導入コストを抑えつつ、AMTなどサーバー水準の遠隔管理機能を駆使できるようになる。

自販機など常設型環境にもIntel vPro® 活用
メタバース空間の拡張にも有効

HIKKYは リアルとバーチャルの垣根を超えて集うイベント「Vket Real」も展開している。こうしたリアル拡張型の事業として、液晶画面を備える自動販売機や3Dサイネージなどの常設型機器にアバターを登場させて、商品紹介や動画広告に活用するプロジェクトも検討している。「このような広告事業を軌道に乗せるには、広告表示の機会損失をゼロに近づけるため、常設型機器を常時安定的に稼働させることが非常に重要ですので、そこにもIntel vPro®を活用できないかと考えています」(HIKKY きよまる氏)。

実はIntel vPro® は、自動販売機やデジタルサイネージ、店舗で利用されるPoSや銀行のATMなどの常設型機器にも多く採用されている。PCというよりは組み込み機器のプラットフォームとして使う形態で、OSはWindows for IoTやLinuxが使われている。このケースでもIntel vPro® が備える安定性やリモート管理機能が常時稼働を支えているのだ。

このように19年前に生み出されたIntel vPro® は、未だにその用途を拡大し続けている。今回の両社の意見交換により、メタバース空間という最先端の事業を営むHIKKYのエンジニアたちのニーズにも、Intel vPro® の技術が応え得ることが改めて確認された。

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