ナスバ 独立行政法人 自動車事故対策機構 理事長 中村 晃一郎

PROFILE

中村 晃一郎 [なかむら・こういちろう]
1958年、東京都生まれ。千葉大学人文学部を卒業後、日立家電販売に入社。2004年、日立製作所コンシューマー事業統括本部企画本部長、10年日立コンシューマ・マーケティング社長、17年日立製作所理事、21年日立製作所グローバル渉外統括本部サステナビリティ推進本部長を経て、22年に独立行政法人 自動車事故対策機構 理事長に就任。

誰ひとり取り残さない
事故対策専門機関ナスバが取り組む
3つの業務とゆるぎない思い

安全技術が進化する今も
自動車事故のリスクは
大きい

 衝突被害軽減ブレーキなど、運転支援システムの進化により自動車の安全性能は飛躍的に向上しています。その一方、自動車事故で重度障害を負う人の数が長年にわたりほぼ横ばいであることをご存じでしょうか?こうした重大な事故は決して他人事ではなく、日常生活だけでなく自動車を使用する事業運営においても、依然大きなリスクとして存在しています。そこでビジネスを手がける多くの皆さまに知っていただきたいのが、国土交通省所管の独立行政法人 自動車事故対策機構ナスバです。

 私たちは自動車事故の防止と被害者支援に取り組む、世界でもユニークな自動車事故対策の専門機関です。前身の自動車事故対策センター設立より50年の歴史を持ち、被害者団体や自動車運送事業者、自動車メーカー、自動車ユーザーなど、クルマ社会を構成する全ての皆さまをつなぎ、自動車事故対策に取り組んでいます。

事故を「起こさない」ための
幅広い取り組みも

 設立50周年を経た2024年、私たちは「めざすのは、自動車事故ゼロの社会。」という新たなタグラインを掲げました。そこに込めた“自動車事故を無くしたい”との思いで事故被害者を「支える」、事故を「防ぐ」、事故から「守る」という3つの取り組みを自賠責保険等の賦課金により一体的に実施しています。

 まず「支える」取り組みの1つが、療護施設(病院)の運営です。重度後遺障害者(遷延性意識障害)専門の療護センターと委託病床を全国12カ所に設置し、同じ看護師が一人の患者を継続して受け持つプライマリー・ナーシング方式などを導入。結果、一般的に5%程度とされる遷延性意識障害からの自然脱却率を約27%にまで向上させることができています。さらに介護料の支給や訪問支援、交通遺児への無利子貸付制度や「友の会」の運営など、金銭面・精神面の両方から被害者とご家族への継続的な支援を行っています。

 そして、「防ぐ」取り組みとして、そもそも自動車事故の発生を防ぐことを目的に、自動車運送事業者(バス・タクシー・トラック)や自家用自動車を運転する方向けに「適性診断」「指導講習」「安全マネジメントサービス」などの支援を実施しています。

 さらに自動車事故から「守る」ための取り組みとして、「自動車アセスメント」で衝突安全性能や予防安全性能を総合的に評価し、最も優れた車種を「ファイブスター大賞」として表彰・公表することで、より安全なクルマ選びとクルマ開発を促進しています。

事故被害者に寄り添い
「暮らしを取り戻す」サポート

 幅広い取り組みを行うナスバですが、「誰ひとり取り残さない」という信念のもと、被害者とご家族に寄り添うことは大きな使命であると考えています。事故で話すことができなくなった方が治療により回復し、ご家族が喜びの声を伝えてくださったこと。事故でパートナーを亡くした女性が、貸付制度を利用して子どもたちを無事社会へ送り出すことができたと報告してくださったこと。そうしたお声が、私たちの活動の原動力になっています。昨年、新たなモデル事業として脊髄損傷患者専門の病院を開設。より多くの方々に寄り添うため、順次取り組みを拡大しています。

経営の安定化のためにも
自動車事故への意識向上を

 今、あらゆる産業を支えているのはクルマであり、私たちの生活に不可欠な存在です。クルマと人が共存し、安全で快適な社会を実現するためには、一人ひとりの意識と行動が重要です。「自らの安全は他人の安全でもありそれは自らが守る」という意識をハンドルを握る人すべてが心にきざむ必要があります。

 事業を支える立場にある皆さまにとっても、ナスバを活用し、自動車事故への対策、事故防止の意識向上に取り組むことが、リスク対策と経営の安定化にもつながる重要なマネジメントイシューであると考えています。

 私たちナスバは、皆さまを支える存在として、今後さらに事業の拡充を図ってまいります。実際に、事故に遭われた方の中には、ナスバの存在を知らず、本来受けられるはずの支援を受けられていない方も今はまだ少なくありません。周りに自動車事故でお困りの方がいましたら、まずは、ナスバのホットラインまでご連絡ください。専門スタッフが詳しく状況を伺い、支援につなぐためのサポートをいたします。

 今後とも私たちナスバは自動車事故ゼロの社会の実現に向けてあらゆる機会を通じて努力してまいります。

独立行政法人 自動車事故対策機構

独立行政法人 自動車事故対策機構

〒130-0013 東京都墨田区錦糸3-2-1
アルカイースト19階
https://www.nasva.go.jp/

ナスバ交通事故被害者ホットライン

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