コンタクトセンター×AIで実現する「CX革命」の最前線

松井 一比良氏/松重 憲一氏

デジタル化の進展によって企業と顧客の接点の多様化が進み、コンタクトセンターの重要性がますます高まっている。より良いCX(顧客体験)が企業イメージやブランド価値の向上につながるからだ。多様な顧客接点に対して満足度の高いCXを提供するためには、テクノロジーの活用が欠かせない。NTTテクノクロスは多様なコンタクトセンター関連製品を軸に、企業の「CX革命」を強力に支援している。

CXとEXは表裏一体の関係
従業員の働きやすさが大事な要素

ビジネスや暮らしのデジタル化が加速し、顧客の嗜好が「モノ」から「コト」へシフトしている。商品・サービスは売って終わりではない。その後も顧客を満足させる価値を提供し続けなければ、熾烈な競争を勝ち抜くことは難しい。

その重要な役割を担うのが「コンタクトセンター」だ。以前は電話による問い合わせが主流だったが、現在はWebやSNSなど顧客接点が多様化している。しかもデジタルメディアで“情報武装”した顧客は手強い。「コンタクトセンターにアクセスする前にWebやSNSで下調べし、それでも分からないことを知りたいというケースが増えています」とNTTテクノクロスの松重 憲一氏は語る。

顧客が何に困っていて、何を知りたいのか――。ニーズを的確に捉え、期待に応えるスピーディな応対が求められる。しかし、その業務環境に問題があることも多い。

例えば、顧客接点の多様化に伴い、ツールを導入しても、情報が統合されていないとどうなるか。「以前電話で問い合わせた顧客がSNSで問い合わせた場合、初回のような応対をしてしまう。情報が引き継がれていないからです。顧客は同じことを一から説明したり、同じようなセールストークを何度も聞かされたりする。『期待』は一気に『失望』に変わり、イメージの悪化は避けられないでしょう」と同社の松井 一比良氏は指摘する。

またCXの向上を図るには、顧客視点だけでは不十分で、「EX(従業員体験)」の向上も欠かせないという。「CXとEXは表裏一体の関係にあります。従業員が働きやすく、やりがいを持って仕事ができれば、サービス品質が向上し、それが顧客の満足度、そして企業収益の向上につながるという好循環が生まれます。これをサービスプロフィットチェーンと呼びます(図)」と松井氏は述べる。

図 サービスプロフィットチェーンのイメージ

図 サービスプロフィットチェーンのイメージ

快適な業務環境が従業員満足度を高め、生産性や貢献度を向上させ、サービス品質を高める。それが顧客満足度とエンゲージメントを高め、売上や利益の拡大につながる

AIが適切なアクションを提案
経験を補い、先手を打つ対応も

こうした考えのもと、同社では企業の“顔”と言うべきコンタクトセンターの高度化を支援している。コンタクトセンターの幅広い業務をカバーする多様な関連製品をトータルに提供できるのが強みだ。

その中核製品が、コンタクトセンターソリューション「CTBASE(シーティーベース)」と音声認識AIソリューション「ForeSight Voice Mining(フォーサイト・ボイス・マイニング)」(以下、FSVM)である。2つの組み合わせで、CX/ EXは格段にレベルアップする。

オペレーターがリアルタイムに適切なアクションが取れるようにAIが支援するのだ。「例えば、応対の流れを基に『どのタイミングで、どの商品を紹介すべきか』あるいは『慎むべきNGワード』をFSVM自体が提案します。オペレーターの知識や経験を補い、スムーズな応対で顧客の満足度も向上を支援します」と松重氏は述べる。

なぜこのようなことが可能なのか。音声認識技術で通話音声をテキスト化することで、応対の流れを見える化。これをAIが認識し、適切なアクションを提案するという仕組みだ。

他にも様々なメリットが期待できる。理不尽な要求や誹謗・中傷もテキスト情報で即座に判別可能だ。社会問題化しているカスタマーハラスメントにも適切に対処できる。「オペレーターのストレスを軽減し、『守られている』という安心感の中で仕事に取り組める。離職率が高いとされるオペレーターの定着率向上につながります」と松井氏は話す。

通話情報に加え、Web、SNS、店舗など多様なチャネルから得られた情報を統合し、AIの力でより高度な分析も可能になる。「購買意欲の高そうなお客様や解約しそうなお客様などを予測できるのです」と松重氏は語る。実際、あるメーカーは新商品のクロスセル率5%向上の目標に対して、3カ月で約13%を達成。2カ月で解約抑止率2%向上の目標に対して、その3倍にあたる約6%向上を達成したという。

20年以上の実績でノウハウを蓄積
製品開発はNTTの研究所と連携

なぜ同社は、コンタクトセンターを通じたCX向上に貢献できるのか。それは前身となるNTTソフトウェア時代を含め、20年以上にわたるコンタクトセンター構築経験、実績を持つからだ。音声コミュニケーションを支えるPBX(構内交換機)やIVR(音声自動応答システム)、顧客情報や応対情報を一元的に管理するCTI(コンピュータと電話・FAXを統合する技術)やCRM(顧客関係管理)、情報を守るセキュリティシステムや運営サポートまで幅広く提供可能だ。

最先端技術を研究開発するNTTの研究所と密に連携し、新しいソリューションも多数開発してきた。先述したCTBASEとFSVMにはNTTの研究所が独自開発した音声認識技術が活用されている。

ソリューションを提供するだけでなく、その価値を最大化するためのノウハウや知見も豊富にある。多様なシステムを組み合わせ、顧客ニーズを踏まえた最適な連携ソリューションの構築にも対応する。その根底には顧客が期待する以上の成果を創出する「カスタマーサクセス」という考えがある。「お客様に寄り添い、CX/ EXの両面からサービスプロフィットチェーンの好循環づくりを伴走支援します」と松重氏は力を込める。

こうした点が評価され同社のソリューションは、ロードサービスを提供するJAF(日本自動車連盟)、オフィス用品通販大手のカウネットなど業界を代表する企業に数多く利用されている。

多様なデジタルチャネルから寄せられる顧客の声にどう応えるか。それによって、企業イメージやビジネスの成否は大きく左右される。コンタクトセンターをクレームや問い合わせ対応の窓口と考えていては、デジタルビジネスで後れを取る。今後もNTTテクノクロスはコンタクトセンターの高度化を軸に、企業のCX革命を支援していく考えだ。


関連リンク

NTTテクノクロス株式会社
https://www.ntt-tx.co.jp/