Moving forward in harmony.

サステナブルITを推進しより豊かで調和の取れた持続可能な社会を実現

NTTデータグループ
コーポレート統括本部
  サステナビリティ経営推進部
グリーンイノベーション推進室 室長
山根知樹

人工知能(AI)の普及でデータセンターにおける電力需要が増大するなど、IT(情報技術)活用が社会や環境に及ぼす影響が高まっている。NTTデータグループは、経済価値と環境・社会価値の両立を目指すサステナビリティ経営を推進しており、IT活用の持続可能性を担保しながら環境や社会への負荷を低減するサステナブルITを通じて、自社事業をはじめ、顧客や社会全体のサステナビリティへの貢献に取り組む。

サステナブルITは喫緊の課題
ITで新しい仕組みや価値を創造

 2023年7月、NTTデータグループは国内事業会社のNTTデータ、海外事業会社のNTT DATA, Inc.、それらを統括する持ち株会社のNTTデータグループの3社体制に移行し、世界有数のITサービスプロバイダーになった。

 グループとして目指す姿を表現したブランドメッセージ「Moving forward in harmony.」には、部署やポジションの垣根を越えて調和を図りながらイノベーション創出に取り組み、顧客に伴走して課題を解決するため前進していくという思いが込められている。

 グループ横断で環境課題に取り組むグリーンイノベーション推進室は、自社の環境負荷削減と顧客や社会全体に向けたサステナビリティの取り組みを推進する。室長の山根知樹氏は「ITで新しい仕組みや価値を創造し、より豊かで調和の取れた持続可能な社会実現に貢献します」と話す。

 NTTデータグループが今、力を入れているのが「サステナブルIT」だ。ITシステムを構成するデータセンターやハードウエア、ソフトウエアといったITによる環境や社会への負荷を最小化することである。再生可能エネルギーの活用やグリーン調達、水資源の保全、電気電子廃棄物(E-Waste)マネジメントなど、あらゆる方面のアプローチを含む取り組みだ。

 背景にはIT関連産業のCO2排出量の増加がある。22年時点で、世界全体のCO2排出量の約1.7%を占めるまでになった。今後、AIの活用が一層広まることによってデータセンターの電力消費の増加が予測され、それに伴いCO2排出量も増加すると想定される。ITによる電力使用量が世界全体の20%を超える可能性もあるという。

データセンターの環境負荷低減
グローバルで高い評価を獲得

 データセンターで使用される電力消費は世界中の企業のIT領域から排出されるスコープ2の50%以上を占める。データセンターが主力事業の一つであるNTTデータグループは、サステナブルIT推進のための様々な取り組みを進めている。自社事業の環境負荷低減として、最新鋭の三鷹データセンターEAST(東京・三鷹市)をフラグシップモデルに、再生可能エネルギーの導入や消費電力の可視化、AI制御による効率的な空調管理を推進している。

 その他、「グリーンデータセンタ\Green Data Center®」の一環として、顧客のデータセンターのライフサイクルコストの最適化、サーバールームの環境可視化・運用改善による省エネルギー化・PUE(Power Usage Effectiveness:データセンターの電力使用効率を示す指標)改善に向けたコンサルティングサービスを提供するなど、データセンター環境のグリーン化の要望にも幅広く応えている。

 クラウド領域では、「グリーンクラウドアドバイザリー\Green Cloud Advisory」で、クラウド導入によるCO2削減量の可視化やクラウド基盤のリソース最適化による環境負荷低減を目指すコンサルティングサービスを提供している。

 また、ソフトウエア領域ではNPO法人Green Software Foundation(GSF)の運営メンバーであり、25年1月にはNTT DATA, Inc.のサステナビリティ・テクノロジー戦略リードのGadhu Sundaram氏が議長に就任した。GSFは、環境負荷の低いソフトウエア開発に向けた標準策定などを進め持続可能なITの実現を目指す非営利団体である。21年にアジアの企業として初めて加盟し、グローバル標準の策定とツール開発に貢献している。

 これらの活動が評価され、リサーチ会社のEverest Groupが25年1月に発行した「Sustainable IT Services PEAK Matrix® Assessment 2025」レポートにおいて、「持続可能なITサービス」の領域でリーダーの地位を獲得した。

全社のサステナビリティ戦略と
サステナブルITの統合が重要

 企業のIT投資は増加を続けているが、サステナブルITの認識はまだ低い。ITに起因するCO2排出に対する意識の欠如や人材不足などが要因で、多くの企業で全社のサステナビリティ戦略にひも付くIT施策が立案されていないのが実情だ。調達したITシステムから排出される温室効果ガスは金額ベースで算出されることが多く、カーボンニュートラルに向けた具体的な削減策を設定するのは困難な状況にある。

 これに対し、「企業のサステナビリティ目標と整合させ、ITシステムに関するあらゆる方面のロードマップの策定を行なうべきです」と山根氏は語る。サステナブルIT推進は、インフラ管理や廃棄物処理、運用の効率化などによるコスト削減だけでなく、規制への対応やレジリエンス強化によるリスク低減、企業ブランドの強化による新規顧客の獲得や従業員のエンゲージメント向上などのメリットも生む。

 IT活用の現状把握からサステナブルITの計画策定まで、最高情報責任者(CIO)と最高サステナビリティ責任者(CSO)が共同で取り組むことで高い効果が期待できるテーマなのだ。

 山根氏はNTTデータグループの強みを、データセンターからクラウドサービス、アプリケーションやシステム開発、コンサルティングまで様々なソリューションを幅広く提供できることだと説明する。

 「私たちは、企業、社会のサステナブルITをワンストップで実現していきます」(山根氏)

COLUMN

「サステナブルIT診断」でITの持続可能性を可視化

 サステナブルITは、IT戦略立案からデバイス管理、アプリケーション開発、クラウドサービスの使用、インフラとなるデータセンター活用という5つの領域に率先して取り組むことが必要となる。システム部門だけが取り組むのではなく、全社のサステナビリティ目標と統合して推進することが重要だ。

 NTTデータグループのコンサルティング企業であるクニエは、IT領域のサステナビリティの診断と改善に向けた「サステナブルIT診断コンサルティング」を提供する。NTTデータグループのIT領域におけるサステナビリティレベルの可視化技術とコンサルティング、クニエのITロードマップ策定メソッドを組み合わせ、企業のITを持続可能なものに変革するための支援を行なう。

 ITサステナビリティ評価は、147の質問に基づき5つの領域でサステナブルITの成熟度を評価する。抽出した課題を基にアクションプランを作成し、現状のITロードマップにおける環境負荷の低減などにつなげる。

サステナブルITオファリングの概観
[参考]サステナブルIT 成熟度モデル評価
[クリックすると拡大表示されます]
PAGE TOP