
目指すのはシェーバーと言えば
パームインを想起する未来
渡辺 パームインは過去の延長というより、大きなブレークスルーを実現した製品だという印象です。こうした革命的な製品を開発するために、どのような考え方で取り組んでおられるのでしょうか。
南波 おっしゃる通り、パームインは「改良」ではなく「発明」だと思っています。お客様の想像を超える製品を開発するためには価値軸の組み合わせが重要です。従来のシェーバーの価値軸は剃り味。ここを伸ばすことはもちろん大切ですが、1つの価値軸だけでは延長線上の「改良」でとどまってしまいます。ここに特別な所有欲や携行性といった新たな価値軸を加えることで、見たことのない製品の「発明」につながるわけです。
渡辺 その価値軸もなるべくベクトルが違うほうが面白いですね。パームインは女性から男性へのプレゼントニーズも高いと聞いています。男性のものだったシェーバーに新たな価値観を付与したからこそ、ユーザーが驚くような製品が開発できたことがよく分かります。コンパクトボディにすべての部品を格納するのは困難だったと思いますが、どうやってこのハードルを越えたのでしょうか。
南波 従来のシェーバーは機能に合わせてデザインしているのですが、パームインの場合は企画担当と開発担当とデザイン担当がチームを組み、パームインの世界観にふさわしいデザインを先に決めてから、部品をどう格納するかに挑戦しました。もちろんラムダッシュの性能を落とさないことは大前提なので、基板を3つに分割するなど、見えないところでかなりの工夫をして5枚刃を維持しました。
パナソニック
ラムダッシュ パームイン
ES-PV6A
ラムダッシュで培った5枚刃テクノロジーをコンパクトボディに凝縮したパームイン。持ち手をなくし、手のひらで包むように持ってなでるように剃る新感覚を実現した。海洋由来の新素材「NAGORI®」も相まって、生活空間の中でも違和感のないデザインに仕上がっている。

パナソニック
ラムダッシュ パームイン
70th ANNIVERSARY EDITION ES-PV70
70周年記念モデルでは、日本でものづくりを続けてきた価値を表現するために、日本の風土を想起させる4色のカラーラインアップを展開。70周年の刻印や、東レの「ウルトラスエード®」を採用したキャリングケースなど、細部にまでこだわりがうかがえる。
渡辺 パームインは70周年記念モデルも発売されましたし、3枚刃モデルも新たに登場して、ますます顧客層も広がっていきそうですね。今後の展望についてもお話しください。
南波 直近では27年度に国内での当社シェーバー販売額の50%をパームインが占めることを目標に掲げています。そうなれば世の中のシェーバーのイメージも変わります。いずれは子供がシェーバーの絵を描くときにパームインの形を思い浮かべるような未来を目指しています。
渡辺 国内販売額で50%を目指すというのはかなり野心的ですね。グローバルではいかがでしょう。
南波 数値的な目標ではないのですが、世界で一番クールなシェーバーだと言われるのが夢です。パームインの開発に携わったメンバーは新しいことに挑戦することの喜びを知ったと思うので、シェーバーの概念を更新するようなものを世界に発信してくれると信じています。
渡辺 今後も様々なライフステージに合う製品、ライフスタイルを創出する製品に期待しています。

