サンディスク合同会社 エグゼクティブマネージャー 綿谷 宏文氏
PROFILE
綿谷 宏文[わたたに・ひろふみ]
大学卒業後、一貫し半導体製造プロセスおよびデバイス開発に従事。2011年にサンディスク入社。2022年10月、エグゼクティブマネージャーに就任。キオクシアとのジョイントベンチャーにおける責任者として、NAND型フラッシュメモリーの製品技術および生産全体を統括している。
AIやデータセンター市場の成長と
メモリー需要の拡大に対応
自動運転への取り組みにも注力
サンディスクは米シリコンバレーで1988年に創業しました。メモリーカード製品などのメーカーとしてご存じの方が多いと思いますが、実は半導体メモリーのメーカーです。半導体の研究・開発から生産・販売までを一貫して手掛け、同時にメモリー製品も提供しています。信頼性の高いサンディスクのメモリーカードやSSD(Solid State Drive)は、多くのプロカメラマンからも支持されています。
ウエスタンデジタルから分社化
新・サンディスクが始動
半導体メモリーの中でも、当社はNAND型フラッシュメモリーに特化しています。世界で初めてとなるフラッシュメモリーベースのSSDや、世界初のUSBフラッシュメモリーなど、サンディスクは常に画期的な製品を数多く生みだし、半導体産業の発展に寄与してきました。
NAND型フラッシュメモリー事業の立ち上げ当時から現在まで20年以上にわたり、私たちは開発や生産などの分野で、キオクシア社との緊密なパートナーシップを堅持しています。三重県の四日市工場と岩手県の北上工場において、両社が共同で開発と生産を行っています。フラッシュメモリーの世界シェアは2社合計で30%以上に達しています※。
※TechInsights社発表「NAND Market Report April 2024」より
サンディスクは2016年、ハードディスク事業を展開するウエスタンデジタルの傘下となりましたが、キオクシアとの協力関係を維持し、数多くの共同開発製品を世に送り出しました。そして2025年にウエスタンデジタルから分社化し、サンディスクとして株式を公開。ロゴも刷新され、新・サンディスクが始動しました。
データセンターでの需要の高まり
自動運転におけるNANDの優位性
現在は、人工知能(AI)需要の高まりを受けて、国内外で大規模データセンターの建設が急ピッチで進められています。そのため、フラッシュメモリー製品の需要も非常に高くなっています。
また、当社は今年2月、AIなどの大量データ処理に優れた新技術「HBF(High-Bandwidth Flash)」を発表しました。広域帯メモリーに匹敵する帯域幅を実現しながらも、同程度のコストで8倍以上の記憶容量をもちます。今後、AI向けメモリーのスタンダードにしていきたいと考えています。
そして、自動運転システムについてもフラッシュメモリーが果たす役割はおおきなものとなります。多数の自動運転車が普及する時代を見据え、私たちは自動車業界と連携しながら実証実験などを続けています。データへのアクセス速度や耐衝撃性は自動車を安全に走らせるために極めて重要な要素であり、それらに優位性をもつフラッシュメモリーのニーズは確実に高まっています。
四日市工場、北上工場を中心に
日本への投資は累計210億ドル
サンディスクだけでなく、多くの半導体メーカーがしのぎを削っているのが高集積化です。ロジック半導体では線幅の微細化がカギですが、NAND型フラッシュメモリーでは3Dによる積層化が競争の焦点です。現在、最多層の製品としては218層の3D NANDを提供しております。さらに2025年2月に332層のNAND型フラッシュメモリーをキオクシアと共同で発表しました。間もなく、お客様の元に届けることができるでしょう。
高集積化は、容量当たりの価格低下に直結します。これにより用途が広がり、PCやスマートフォンといった電子機器、データセンターやAI、自動運転技術などでの活用が促進されています。今後もさらなる積層化・高密度化と大容量化、そして高速処理の技術開発に注力していきながら、お客様のニーズにあったコストと性能のバランスが取れた製品を提供していきます。
サンディスクは米国に本社を置くグローバル企業ですが、NAND型フラッシュメモリーの主な生産拠点は日本にあります。日本への投資は累計210億ドルに達し、海外企業の日本への投資としては最大規模です。
AIや自動運転について触れましたが、医療や電力などの社会インフラ、身近にある電子機器や家電製品など、様々な分野でフラッシュメモリーの役割は一層大きくなるでしょう。全世界ニーズの30%超を担う企業として、サンディスクは今後も社会的責任を果たし続けていきます。また、私たち自身のイノベーションを通じて、お客様のイノベーションに貢献していきたいと考えています。
四日市工場(上)と北上工場(下)の全景
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