成長し続ける企業になるために
一体的にITサービスを提供
――経営統合を目指す背景にはどのような市場の変化や課題があったのでしょうか。
SCSK株式会社
代表取締役 執行役員 社長
當麻隆昭氏
當麻デジタル化が急激に進展し、IT投資の質が大きく変わってきています。IT市場におけるGAFAM(ガーファム)※のようなハイパースケーラーの台頭により、クラウドベースのITアーキテクチャーが主流になってきています。このような外部環境の変化に対して、日本のITサービス企業がお客様に寄り添いながら付加価値を提供するべきだと考えています。そのためには我々がアプリケーションからネットワークまで含めて一体的にサービスを提供できる企業体に変わっていく必要があります。
※Google、Apple、Facebook(現Meta)、Amazon、Microsoftの5社のこと。
加えて内部環境の課題もあります。私は社長に就任したときにSCSKグループの課題として3つの固定化を指摘しました。1つは“顧客関係”の固定化、2つ目は“事業モデル”の固定化、そして3つ目が“組織・人”の固定化です。
これらを打破していくためには常に刺激を与えて変化を促していかなければなりません。今の成長に安住することなく、変化に挑み続ける企業体に変わっていく必要があります。今回の経営統合もその刺激の1つであり、今後も常に変化を求めていきたいと考えています。
ネットワンシステムズ株式会社
代表取締役 社長執行役員
竹下隆史氏
竹下外部的な環境変化は同感です。その中でもお客様の具体的なニーズとしてシステム構築の仕方が点から面へと変化してきていることが大きいと考えています。部分よりも全体を見てシステムを構築しようとしたときに、間違いなくアプリケーション領域からプラットフォーム、ITインフラまでを全て連動させて考える必要があります。しかし、意外とそれができるITサービス企業が日本には存在しません。
私たちがこれから取り組もうとしているのは、まさに境界をまたいでいくことであり、お客様にも大きなインパクトを与えるものです。次世代に向けて自由にクリエイティブできる土俵を大きくし、再び大きく羽ばたける環境を用意することが私たちの世代のミッションと考えました。
相互の強みを統合することで
市場を切り開く力を強化する
――統合によって目指す未来像はどのようなものでしょうか。
當麻強みのある領域を明確に定め、特定の領域での技術優位性を確立し、新しい事業領域や市場を切り開いていく力を持つ企業グループを目指していきたいと考えています。
今のSCSKグループでも一気通貫で全てをカバーできる事業体を持ってはいるのですが、経営統合によって、より事業ポートフォリオを意識した経営ができるようになると思っています。それが働きがいのある環境を創っていくことにもなり、業界の中で独自のポジションを確立していくことにもなります。
「特定の領域での技術優位性を確立し、新しい事業領域や市場を切り開いていく力を持つ企業グループを目指していきたいと考えています」(當麻氏)
竹下範囲の経済を支えることが非常に重要になってくると思います。いかに多くの事業ポートフォリオを持ち、その時代にあった形で出し入れできるようにすることが必要です。加えて重要なのが、規模の経済の確立です。それを確立したうえで次の世代に渡すことが重要な役割です。この規模と範囲の経済は、目指す未来のために追求していくべきことだと考えています。
お客様に近いからこそ
新しい価値を提供できる
――経営統合によって生み出される新しい価値とはどのようなものでしょうか。
竹下1つはカバーできるテクノロジーの技術領域が広がることです。両社の持つ技術領域は重ならない部分が多くあります。それを統合することでフルスタックのサービスを提供できます。そこに着手できるのが重要です。
もう1つは顧客基盤の拡大です。顧客基盤を広げることから新しい価値がどんどん生まれてくると思いますし、真実は常にお客様の近いところにあります。それを追求していくことが大切です。
「新しい価値がどんどん生まれてくると思いますし、真実は常にお客様の近いところにあります。それを追求していくことが大切です」(竹下氏)
當麻私たちは、両社ともお客様に近いところで仕事をしています。そういう現場をたくさん持っていることが私たちの強みのひとつです。SCSKグループは、アプリケーション領域をはじめとしたサービス提供の現場において、お客様に寄り添いながら取り組んできました。ネットワンシステムズと一緒に取り組むことで、新しいサービスや新しい価値を生み出せると考えます。
竹下ネットワークという作品をつくるうえでアプリケーション、つまり人の動きを知るほどいいものができます。セキュリティなどはまさに動きと仕組みの両方を把握する必要があります。フルスタックでのテクノロジーの融合はこれから大きな価値を提供できると考えています。
――なぜ経営統合の相手としてお互いを選んだのでしょうか。
竹下理念やパーパスの親和性が決め手でした。人を重視する企業文化があり、人の成長を事業のベースとして考えるというところの親和性もある。SCSKの「共感経営」にもあるように目指すビジョンも一致しています。お互いを尊重しながらゴールに向けて行動できると考えました。
當麻同感です。企業理念やパーパスの親和性は高いと考えています。加えて職人であることです。「匠」の字をベースにしたネットワンシステムズのロゴマークがそれを象徴しています。そこにも共感を覚えました。お互いの良さを生かして日本における唯一無二の会社を目指していきましょう。


