株式会社アイ・アイ・エム
執行役員

宮崎 樹

SGシステム株式会社
代表取締役社長

丸山 信二

セイコーソリューションズ
株式会社
執行役員

佐伯 茂

持続可能な
物流ネットワークの
実現に向けて

佐川急便の物流システムの根幹を支え、
挑戦を支える性能管理ソリューション

アイ・アイ・エム SGシステム セイコーソリューションズ

重要な社会インフラの一つである「物流」。日に日に増す物流需要への対応、そして新たなサービスへの挑戦には、心臓部とも言える基幹システムの安定稼働が欠かせない。総合物流サービスを提供するSGホールディングスグループは、「物流を止めない」を使命に掲げ、持続可能な物流の実現に取り組んでいる。同グループでITの中核を担うSGシステムを支えるのは、多様なテクノロジーで社会課題の解決に貢献するセイコーソリューションズと、そのグループ会社でシステムの性能管理のプロフェッショナルとして35年以上の実績を持つアイ・アイ・エム(以下IIM)だ。システムの状況を把握し、安定的なサービス提供を実現することは、物流はもちろんすべてのビジネスに通じる重要課題である。

革新の時
物流の2024年問題乗り越え
イノベーション基盤を支える人とDXの力

 物流が止まれば、暮らしや経済そのものが止まってしまう。物流を止めないことはSGホールディングスグループにとって重要な使命だ。

 宅配業務、倉庫業務、国際輸送・通関業務、輸送手配まで、佐川急便を中核として総合物流ソリューションを提供するSGホールディングスグループは、持続可能な物流の実現に向けて、様々な最新テクノロジーを積極的に採り入れてきた。近年中でも力を入れてきたのが業務改革だ。その取り組みが「物流の2024年問題」への対応にも寄与している。

 「物流の2024年問題」とは、働き方改革関連法に基づいて、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限が年間960時間に制限された規制のことだ。ドライバーの稼働が制限されることで、届けられるはずの荷物が届けられなくなる可能性が出てくる社会課題だ。「何も対策を講じなければ、30年には現在の輸送力は34%低下する」という政府資料もあり、SGホールディングスグループにとって業務改革は重要度の高い経営課題であった。

丸山 信二氏

SGシステム株式会社
代表取締役社長

丸山 信二

 「世間で『2024年問題』と言われるようになる前から、業務効率化を推進してきました」と話すのは、SGシステムの丸山信二代表取締役社長である。SGホールディングスグループは、サービスの強化・業務の効率化・デジタル基盤の進化の3つを柱としたDX戦略に基づき、グループ全体で積極的な各種DX施策を推進している。経済産業省が東証などと選定するDX銘柄にも複数回選定されている。

 SGシステムは、佐川急便の営業部門などとプロジェクトチームを編成し、労働時間の短縮や業務の効率化を促す様々なDX施策を始めた。例えば、伝票の手書き文字を読み取るAI-OCRを共同開発したり、佐川急便の顧客向けにLINEを使ったサービスを開発するなど、その取り組みは多岐にわたる。

 「取り組んだ施策は50項目以上に及びます。ドライバーが所持するスマートフォンへの業務効率化アプリの導入から、事務職員の業務を効率化するための工夫を凝らしたりと、現場の業務効率化につながることは何でもやりました」と丸山氏は振り返る。

「物流を止めない」ために
セイコーソリューションズ・IIMが
共創してシステム運用の変革を目指す

 積極的なDX推進に取り組む同グループだが、それ故に生じる新たな課題に直面していた。

 「DX推進に伴い、使うミドルウエアやハードウエア等の数が圧倒的に増え、その管理が非常に複雑化していました。システムで不具合が起こった際、当社だけでは原因の切り分けができず、外部のベンダーやメーカー担当者に頼らなければ、復旧することができないといった事態が増えてきました」(丸山氏)

 システムが停止すると物流が停止する。それはすなわち、社会ビジネスの停止を招きかねない。この深刻な事態を解決すべく、SGシステムは24年、グループ全体のシステムを総合的に監視するためのソリューションの導入を決定した。セイコーソリューションズのグループ会社、IIMが開発した次世代型性能管理ソフトウエア「ES/1 Shelty」である。

宮崎 樹氏

株式会社アイ・アイ・エム
執行役員

宮崎 樹

 セイコーグループの一員であるセイコーソリューションズは、グループが培ってきた技術を基に、社会課題の解決を実現する多様なソリューションを提供している。IIMは、そのグループ会社で、システムの性能管理のプロフェッショナルとして35年以上の実績を持つ。

 IIMの宮崎氏は「ES/1 Shelty」の特徴を3つに分けて説明する。「1つは、アプリケーションやハードウエア等、システムに係るすべてを1つの製品で管理できる一元性です。2つ目は、APM*1ツールとしてだけではなく、障害解析機能も兼ねそろえたソフトウエアであること。3つ目が、IT人材でなくても分かるよう設計されている点です」。

ES/1 Shelty

システム全体の性能(パフォーマンス)をリアルタイムに可視化し、ダッシュボードで示すAPM*1ソリューション。システム運用にかかる人手や費用を最適化し、不具合の即時発見、即時対応を可能にする。

*1 APM(Application Performance Management):システム全体から稼働するアプリケーションまでのパフォーマンス 監視や管理を指す。アプリケーションのパフォーマンスを最適化し、ユーザー体験を向上させるために非常に有用。

 「ES/1 Shelty」の導入が決定され、約1年の試験運用を経てこれから本格稼働が始まるというが、その効果について丸山氏は「従来は、種類もメーカーも異なるものがシステム上に散在しており、システムに不具合が発生した際に、どこで何が起こっているのかを把握することが容易ではありませんでした。それがIT人材でなくても一目で問題箇所・内容が把握でき、最もストレスに感じていたところが改善できたと感じています」と話す。

 「ES/1 Shelty」は、導入先企業が実際に使うシーンを想定して設計されている。いわば、セミオーダーとも言えるほどのカスタマイズが可能なのだ。経営者から担当者まで、システムの状況・問題とその原因を把握できるため、ベンダーに頼らない即時対応を実現する。実際、SGシステムでの導入にあたっては、IIMの担当者が環境調査、要望の確認を徹底して行い、要望と製品仕様のギャップを埋めるような仕様変更や、導入・構築支援を行ったという。

 「不具合の箇所が直感的に発見できるようにSGシステム様のサービス構造を『ES/1 Shelty』に学習させ、どの不具合がどのサービスに影響を及ぼすのかといった関連性も分かりやすくなるように対応しました」(宮崎氏)。SGシステムが同ツールの導入を検討したのは、システムの一元管理が主な目的であったが、数ある製品の中から「ES/1 Shelty」を選んだ一番の理由は何だったのだろうか。

 「セイコーソリューションズ・IIMが“物流を止めない”というSGホールディングスグループの使命を理解し、私たちの現状、抱えていた課題として業界の特性を深く理解した提案をいただき、使命を実現するシステムを共に作り上げてくれると確信したからです。この共創の体制には非常に感謝し、私たちの挑戦を支えてくれるパートナーだと強く信頼しています」(丸山氏)

佐伯 茂氏

セイコーソリューションズ株式会社
執行役員

佐伯 茂

 セイコーソリューションズは、かねてより配達員の軒先決済サービス(代金引換サービス*2)を提供するなど、同グループとは長年の付き合いがあったのだという。同社の佐伯茂氏は、業界への思いを次のように語った。「物流業界の課題は社会全体が抱える課題でもあります。我々は、これまで培ってきた高い技術力で、これからも様々なソリューションを提供し、物流をはじめとするあらゆる領域の課題解決に貢献していきます」。

 時計作りを原点に磨き上げてきた高い信頼性とIT技術力を誇るセイコーソリューションズ。グループが有する多種多様なソリューションで、これからも社会貢献を果たしていく構えだ。

*2 e-コレクト®