田中鉄工株式会社 代表取締役CEO 村田 満和氏

田中鉄工株式会社 代表取締役CEO 村田 満和

PROFILE

村田 満和 [むらた・みちかず]
2023年4月、創業107年を迎えるアスファルトプラントメーカーである田中鉄工の代表取締役CEOに就任。地域と共に循環型社会やネイチャーポジティブに貢献し、道路舗装業界のカーボンニュートラルを推進。環境に優しい未来の実現のため、持続可能な社会の構築に向けて様々なグリーンサプライチェーンと共創・連携していく。

具体的な気候変動対策を
経営戦略の軸に据え
業界全体の脱炭素化を推進

 近年、気候変動による異常気象が世界各地で深刻化しており、猛暑、豪雨、洪水、干ばつ、台風の大型化などが頻発しています。こうした気候変動への対応は、もはや企業経営において避けて通れない課題となっています。

 道路舗装業界においても、脱炭素化への取り組みが求められており、特に全国に約1000台あるアスファルトプラントから排出される年間CO₂排出量は約140万トンに上ります。当社は、この排出量を2030年までに半減し、50年のカーボンニュートラル達成に貢献します。

 気候変動対策を経営戦略の中心に据え、業界全体の脱炭素化をけん引することで、持続可能な社会の実現を推進していきます。

社会的価値・経済的価値を
高めて企業価値を最大化

 気候変動や環境問題への対応が企業経営における重要課題となる中、持続可能な成長を実現するためには、社会的価値と経済的価値の両立が不可欠です。環境負荷の低減に取り組むことは単なる責務ではなく、企業の競争力向上にもつながります。そのため、当社では脱炭素経営を推進しながら、社会的価値と経済的価値を高め、最終的には企業価値(財務・ESG・インパクト)の最大化を目指しています。

 具体的には省エネ型「GX-アスファルトプラント」の導入や中温化アスファルト技術、カーボンクレジットの活用、バイオマス燃料や水素燃料導入等の施策を市場投入していくことで、CO₂排出量の削減と適切な資源循環を促進すると同時に、環境付加価値が高い製品・サービスを提供し、既存事業の成長や新たな市場機会の創出を実現します。

 これにより、環境負荷を抑えながら企業の競争力を高め、業界全体の持続可能な成長をけん引していきたいと考えています。

GX-アスファルトプラント

GX-アスファルトプラント

「廃食油・グリストラップ油の利活用」
これが田中鉄工のひとつの答え

 当社はアスファルトプラントメーカーとして、道路舗装業界のカーボンニュートラル実現に貢献するため、燃料の脱炭素化に取り組んでいます。従来、アスファルトプラントの燃料には主に重油が使用されてきましたが、その燃焼に伴うCO₂排出が環境負荷の大きな要因となっています。そこで、持続可能なエネルギー活用を推進するため、地産地消の再生可能エネルギーとして、バイオ燃料である廃食油・グリストラップ油(排水に含まれる油脂)に着目しました。

 事業系の廃食油は年間約36万トン発生し、その95%は利活用されていますが、年間約10万トン発生している家庭系廃食油はわずか4%しか利活用されていません。廃食油はカーボンニュートラルなエネルギー源であり、リサイクル可能な資源であるため、資源循環型社会の構築にも貢献できます。地域で使用された食用油をリサイクルして、地域の道路や歩道に還元する地産地消GXスキーム「ロードカルSDGsプロジェクト」を全国に展開し、CO₂排出削減と資源循環を促進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

家庭の廃食油リサイクル拡大に向けた重要ポイント

家庭の廃食油リサイクル拡大に向けた重要ポイント

サプライチェーンと共創し
カーボンネガティブを実現

 こうした取り組みをさらに加速させるためには、企業や自治体が脱炭素や資源循環に向けた取り組みを加速させる必要があります。当社は、その実現には「制度とルール」「意識と行動」「技術とプロダクト」の3つの要素を具現化することが不可欠だと考えています。

 例えば、CO₂削減に取り組む企業とそうでない企業の公平性を確保したカーボンニュートラル政策や、適切なインセンティブ設計、グリーン購入を含む仕組みづくりが重要です。また、脱炭素や循環型社会に積極的に貢献する企業や市民に対して、経済的メリットをどのように提供し、持続可能なモデルとして運用するかも大きな課題となっています。

 この課題解決には、省庁や自治体との連携が欠かせません。当社は、官民の枠を超えた共創を通じて、より効果的な制度設計や運用の仕組みづくりに取り組んでいます。

 また、BECCS(※)技術をアスファルトプラントに投入することにより、バイオマス燃料から排出されるCO₂を吸収することで、カーボンネガティブを実現していきます。

 私たちは、「地域と共に循環型社会に貢献し、カーボンネガティブを実現する」というビジョンを掲げています。「未来では当たり前になること」を、ひとつでも多くステークホルダーと共創・連携しながら形にしていきたいと考えています。

(※)「Bioenergy with Carbon Capture and Storage」の略称で、バイオマス燃料を燃焼する際に発生する二酸化炭素(CO₂)を回収し、貯留することで、温室効果ガス(GHG)の排出を抑制する技術

田中鉄工 代表取締役CEO 村田 満和氏

田中鉄工株式会社

田中鉄工株式会社

〒841-0201 佐賀県三養基郡基山町小倉629-7
https://tanaka-iron-works.com/

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