東京サステナブルMICEショーケース開催 サステナブルMICEをスタンダードに。

東京は、充実した会場施設や宿泊施設、国際的アクセスの良さや交通網の充実などを背景に、MICE開催実績を積み上げてきた。そのMICEにおいて、昨今重要なキーワードは「サステナブル」。海外からの参加者や出展者、スポンサーを集めるための必須要件として挙げられているのだ。特に、海外からの参加者が空路で来日する日本開催は、移動に伴うCO2排出量を憂慮する国際本部も多いと考えられ、イベントそのものの意識の高さを強調することが肝要になってくる。そこで本稿では、2024年12月に開催された「東京サステナブルMICEショーケース」の内容と東京観光財団コンベンション事業部長の戸田加寿子氏の話から、MICE誘致成功の鍵を握るサステナブルな取り組みを紹介する。

公益財団法人東京観光財団 コンベンション事業部長 戸田 加寿子氏

国際的にサステナブル対応が標準化

 大規模な国際会議ともなると環境への負荷が懸念され、サステナブルな取り組みはますます重視されている。
 戸田氏曰くその動向は、提案依頼書(RFP)にも表れているという。「誘致活動に携わっている立場として、サステナビリティ条項が含まれるRFPが年々増えていることを実感します。国際的には必須要件になりつつあるといえるでしょう」。
 とはいえ、サステナブルな取り組みを行う上で、コスト増や依頼先がわからないなど、導入には不安を感じる方も多いという。そこで東京観光財団は、2024年12月に「サステナブルMICEショーケース」を開催。サステナブルな取り組みの重要性を伝えるとともに、採用しやすい具体例を提示した。
 「MICEにおける取り入れ方のイメージが湧かない関係者も多いことから、通常は見えにくい取り組みをできる限り具体的に可視化。印刷物の電子化や再生可能エネルギー使用率100%の会場を使用するなど、イベント全体のCO2排出量を大幅に削減しました」と戸田氏が語る、ショーケースの内容を見てみよう。

ショーケースで関係者の意識を向上

 会場でまず目を引いたのは、廃材を原料として活用し、大型3Dプリンターで成型されたシンボルツリーだ。イベント終了後には100%マテリアルリサイクルできる、資源循環の好例である。
 また、ステージ上では再生素材を使用したデザイナーズ家具や竹製の装飾などを使用。会場内のパネルや展示台はFSC(R)認証済みの段ボールや集成材など、資源循環をより意識した部材が活用されていた。
 その他にも、名札のプラスチックケースの廃止、リサイクル可能な布製パネルの使用、ウォーターサーバーやリサイクルステーションの設置など、すぐにでも採用できるアイデアが多数。加えて、バイオ式生ごみ処理機やマイボトル洗浄機など、実際の効用を確認できるデモンストレーションも実施された。
 MICEでは、大量の廃棄物が発生することが課題の1つ。それに対するソリューションを目にする機会はまだそれほど多くないが、実際に見て触れてみると、サステナブルMICEがそれほどハードルの高いものでないことが実感できる。
 戸田氏は、「冬開催なら上着着用を前提に室温を調整するなど、コストダウンにつながる取り組みもある」と語り、ショーケース中に行われたパネルディスカッションでも、「海外ではサステナブルなMICE開催が、必要な費用以上の付加価値や高評価を得られる点で評価されている」といったコメントが印象的だった。
 イベントでは、主催者に取り組んでほしい「方針策定」の一例として、ショーケース開催における「ACTION14」も紹介。こちらもぜひ参考にしてほしい。

ACTION14 サステナブルMICEをスタンダードに

財団が誘致段階から徹底サポート

 サステナブルな対応を実施計画に盛り込むためには、施設などの対応状況や最新動向を熟知したプロに頼るのが得策だ。東京観光財団では、サステナブルMICEサポートデスクを設置、環境配慮型MICEに対する補助金制度も用意している。また、MICE開催に伴うCO2排出量を予測・算定できるツールを開発し、MICE主催者に提供。さらに、誘致段階から会期後までの各段階における主催者や関連事業者が検討すべき項目を掲載した、便利な「サステナブルMICEガイドライン」を作成し、公開している。
 サステナブルに対する社会的関心は高まっているものの、日本のMICE業界においては、まだその意識が高いとは言い難い。今後、首都である東京の取り組みが全国に波及し、業界全体の意識向上につながることを期待したい。

東京サステナブルMICEショーケース 開催レポート2024年12月17日 赤坂インターシティコンファレンス

 都内でMICE開催を予定している主催者や宿泊施設をはじめとするMICE関連事業者を招待し、MICEにおけるサステナビリティに配慮した取り組みを紹介したサステナブルMICEショーケース。すぐに取り入れられ、かつ、参加者の意識向上も促す取り組みが多数紹介され、来場者の注目を集めていた。

サステナブルMICEショーケース 出展事業者
TCVB Tokyo Convention & Visitors Bureau

公益財団法人東京観光財団
コンベンション事業部 サステナブルMICEサポートデスク

TEL: 03-5579-2663
businesseventstokyo.org

東京サステナブルMICE 公式ホームページはこちら
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