テクノロジーで未来を切り拓く企業たち

vol.3株式会社オカムラ

オフィス家具メーカーのシステム刷新プロジェクト
―業務の“あるべき姿”を追い求めた理由―

オフィス家具メーカー大手のオカムラが進めている、2つのシステム刷新プロジェクト。パートナーとしてZEINを迎え、共に推進したプロジェクトが直面したのは、「業務本来の“あるべき姿”は何か」という問いへの答えだった。なぜ両社は、この難題を追求したのか。キーパーソンらにお話を伺った。

オフィス家具は多品種変量の世界。
気づけば“標準”から外れたシステムになっていた

――オカムラの情報システム部では、全社の経営課題に対してどのように取り組んでいるのでしょうか。

オカムラ・近藤卓矢氏(以下、近藤):当社の情報システム部は、かつて「標準業務部」という名称でした。40年以上前のホストコンピューターの時代から、業務の標準化、効率化を進めてきた部署になります。現在も基本は同じで、当社全体の経営戦略に基づいて各事業部が事業戦略実現のために必要なITを用意し、組み立てることで、各事業部のミッション達成を支援することが役割となります。

オフィス家具メーカーである当社の事業の特徴は、製品が多品種変量生産であることです。同じように見える商品でも、素材や色、オプション構成などによってSKU(在庫管理単位)としては多品種が必要で、平準化が難しいという課題があります。

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株式会社オカムラ
経営企画本部 情報システム部 部長
近藤 卓矢

オカムラ・伊藤健司氏(以下、伊藤):現在の事業分野はオフィスだけでなく、店舗の什器や物流倉庫の搬送機器などに広がっており、それぞれに最適なシステムを導入しています。その中で各事業部が競争力を確保するために管理システムを作り込み、カスタマイズが進んでいました。その結果、情報システム部は本来の“標準化・効率化を担う部門”というミッションから外れた状態にあり、再び「標準」を見据える必要がありました。

近藤:そこで今回、もう一度原点に立ち返る意味で、当社にとっての標準とは何かを検討しており、その過程で、外部のパートナーとしてZEINに支援を頂いています。

対談画像

あるべき業務の姿を見据え
最適なプロセスとシステムを考える

――現在、ZEINと共に2つのプロジェクトが動いていると伺いました。2024年4月からスタートした1つ目の「購買管理システム刷新」は、どのような経緯で開発が始まったのでしょうか。

伊藤:当社の購買管理業務は、1990年代から稼働しているホストコンピューターベースのシステムで行っていました。2000年代にマイナーチェンジをしましたが、基本的な構成は変わらず、老朽化問題が深刻でした。また、性能を重視してきたこともあり、使いやすさや柔軟性が得られていないといった課題もありました。

そこで、新しいシステムを考えるにあたり、当然「脱ホスト」を念頭に置きましたが、ただ変えるだけでなく、根本的に業務プロセスを再検証し、見直す必要がありました。

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株式会社オカムラ
情報システム モダナイゼーション推進室
伊藤 健司

ZEIN・上之直行氏(以下、上之):ご相談を頂いた際、脱ホストは念頭に置きながら、当時のシステム構築時とは事業環境が変わっていることも踏まえ、変化に迅速に対応でき、将来にわたり拡張可能なシステムが必要だろうと考えました。具体的なシステム刷新の検討に先立って、目指すべき姿を定めたいという要望を頂いたこともあり、プロジェクト立ち上げ時、メンバーを中心に業務の“あるべき姿”を徹底議論し、購買改革憲章を策定しました。

購買改革憲章策定のステップは、システム刷新を単なる一過性のものとするのではなく、中長期的な会社の成長に向けた、購買業務の目標や目的といった原理・原則について共通認識を図るための好機として捉える重要な取り組みであり、ZEINが大切にする価値観の一つである「あるべき姿の追求と実現」にも合致しています。

近藤:購買管理業務は当社にとって重要な領域であり、対応するシステムの規模も大きくなります。大規模なプロジェクトの場合、進めていくと目の前の業務をこなすことに精いっぱいで、何のためにやっているのかが分からなくなる場合があります。そのときに立ち戻る「旗」として、業務のあるべき姿を明確に描くことが極めて重要でした。

また、当社の各部門の課題を部門同士で議論する「話し合い制度」を活用し、購買改革をテーマとして議論を重ね、社員アンケートを実施。さらに現場メンバーが参加するセッションを複数回設けました。こうしたプロセスを通じて、早期から現場の声を取り込み、当事者意識を醸成することで、現場の思いや知見が反映されています。

上之:当社も、初期の段階から議論に加わることができたため、議論の進め方などをサポートできました。例えば事業所の方とお話をする際に、システムについて極力専門的な表現は避け、本当に腹落ちしてもらえることを第一に考えたコミュニケーションを心がけました。ただし、分かりやすくしようとしすぎて本質部分の説明が不十分になっては本末転倒ですので、押さえるべきポイントは押さえつつ、かみ砕いて説明すべき点は関係者が問題点を共有し、同じ方向を向いて議論できるよう、伊藤さんをはじめ開発チームともすり合わせながら進めました。トップダウンの方針と、ボトムアップによる現場の意見を融合し、バランスを取るアプローチで進めることができたのは、良かったと思います。

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ZEIN株式会社
Senior Manager
上之 直行

――プロジェクトは、現在どこまで進んでいますか。

近藤:全国の事業所で共通化できる購買プロセスをベースとしたシステムを目指しており、事業所や取り扱うアイテムの特性に応じた個別プロセスをどこまで共通プロセスに反映させるか、システム影響、業務影響を考慮の上、線引きを行いながら推進しています。

上之:基本的にはパッケージソフトを採用した「Fit to Standard」の方針で、システムの標準プロセスをベースに策定した共通プロセスに対し、部門ごとの要望をどう絞り込むかの段階になっています。ここは、近藤さんを含め、情報システム部の方々も現場との議論に熱心に参加してくださっています。

伊藤:これまではある意味、現場の希望に合わせてシステムを作ってきた部分があります。しかしこれを機に、標準化に回帰する一歩としたい思いがありました。その後ろ盾としてZEINにサポートいただけることは、心強く思っています。

現場の声を丁寧に聴き
最適な開発手法を選択する

――もう1つの刷新プロジェクトである「デザイン外部委託業務管理システム」は、どのようなシステムになるのでしょうか。

オカムラ・千葉美鈴氏(以下、千葉):当社のお客様である企業に対し、オフィスなどの空間を提案する際に、デザインやレイアウトなどの各種図面を外部の協力会社に委託しています。その際の発注や検収などの取引の管理を行うのが、デザイン外部委託業務管理システムです。

こちらもオフィス、商環境、物流システムの3つの事業分野で異なるカスタマイズが進んでおり、システム外での取引先とのやり取りが必要になるなど、委託先の管理が煩雑になってしまっていました。取引案件の数が、多い月は2000件程度に達することもあり、その数は年々増えています。従来のやり方では限界があることから、新たなシステムの導入を図ることになりました。

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株式会社オカムラ
情報システム部 販売支援システム課
千葉 美鈴

ZEIN・利根川義明氏(以下、利根川):当初、要件定義からの参加を予定していましたが、各事業分野で業務フローが異なっていたため、このまま要件定義に入ると「そもそも業務をどうすべきか」という問題が出てくる可能性がありました。そこで当社では、単なる要件調整にとどまらず、一度構想策定フェーズに立ち戻り、業務の本質を整理する提案をさせていただきました。

そして改めて、現場の方の声も踏まえたセッションを約3カ月にわたって実施し、検討した結果、システムを独自開発(スクラッチ)で作ることに決まりました。

近藤:このシステムは、委託先の管理の面で「下請法」の準拠も必要なため、法務部門との連携が重要になります。今回、本プロジェクトのプロジェクトマネージャーは、当社の法務部門のベテラン部長が務めています。彼自身、長年委託先を管理するシステムには課題観を持っており、適任だと思っています。

千葉:今回開発しているシステムが、従来と大きく異なる点は、取引先の方に当社のシステムにログインしていただき、直接触っていただく形式を採用することです。アカウント登録などの負担はありますが、最終的にはメールでのやり取りを行うよりも確実に取引を進められる点を説明し、ご理解を頂いています。

近藤:その他、今回のプロジェクトの陰のミッションとして、情報システム部の人材育成がありました。今後の様々なプロジェクトをリードする人材を育てるには、実践が重要です。ZEINのサポートも得ながら、千葉に対するOJT的な支援もお願いしています。

利根川:現場と会議を持ち、業務課題の抽出から議論を進めるのは難しい部分もあります。千葉さんは吸収がとても速く、我々の持つノウハウをできる限り提供しながら、サポートに当たっています。

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ZEIN株式会社
Manager
利根川 義明

千葉:ZEINにはいろんな面で支援を頂いており、感謝しています。現在開発フェーズに入っていますが、社内外の人が使いやすいインターフェースを実現するため、日々現場との確認を進めています。

全社の成長を支える基盤をつくる
情報システム部になることが目標

――今後、情報システム部は、どう変わっていかれるのでしょうか。またその過程でZEINにはどのような支援を求めますか。

近藤:以前の呼称だった「標準業務部」に戻せるぐらい、社内で情報システム部の存在感を高めていきたいですね。事業計画実現のための基盤を担う役割として、DXをリードしていきたいと思います。その際のパートナーとして、ZEINは率直に意見を交わせる貴重な存在です。

伊藤:とくに購買管理のシステム刷新プロジェクトは、これからが佳境です。ZEINのサポートに期待しています。

上之:多くの企業で、IT部門は経営と現場の板挟みになり苦労しています。当社が掲げるビジョンである「あらゆる企業がテクノロジーと共に成長し続ける未来を創る」を実現するには、IT部門が課題を捉え、解決策を構想し、実行まで自ら推進できる組織になること、つまり変革をリードする存在へ成長することが欠かせません。これからもオカムラへの支援を通じて、共に成長できるプロジェクトを生み出していきたいと思います。

利根川:特定の技術やツールに寄せるのでなく、お客様の真の課題を見定め、スクラッチからSaaSまで、幅広い選択肢の中からソリューションを提案し、開発から導入・定着までを一貫して支援できることが当社の強みです。今回の2つのプロジェクトは、SaaSを基盤としたFit to Standard型と、画面設計からの完全スクラッチ開発型という対照的なアプローチとなりましたが、ZEINの柔軟な対応力と推進力を示すことができたと思います。今後も課題に寄り添い、お客様の成長を確かな成果へとつなげる支援を続けてまいります。

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〒108-0073 東京都港区三田3-5-27
住友不動産東京三田サウスタワー30階
https://zein.jp/
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