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日経BP 10大徹底予測! 2026 REVIEW

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  • コンカー

AIを活用した企業風土改革は
効果の大きい経費精算から

AI(人工知能)の進化は、ビジネスのありようを大きく変えようとしている。経費精算業務においても同様だ。正確かつ確実な処理が求められる業務をAIに任せることで、自動化が大きく進むと予測される。今どのようにAIが使われていて、2026年にはどこまで自動化が広がるのか。そのときに人間にはどのような役割が期待されるのか。出張・経費精算クラウドサービスにおいて国内外で大きなシェアを誇るコンカーの舟本憲政氏に最新の状況を聞いた。

(聞き手:日経BP AI・データラボ所長 中田敦)

コパイロットやAIエージェントで
経費精算業務を完全自動化

舟本 憲政 氏
株式会社コンカー
プロダクトマーケティング部
部長
舟本 憲政 氏

中田 経費精算業務の領域でAIが進化していると聞きます。どのように使われているのでしょうか。

舟本 当社にとってAIは特に目新しいものではありません。最初はAI-OCRによる伝票の自動読み込みで、10年前から使っています。昨今では不正検知にもAIを活用しています。そして近年ではAIのコパイロット(アシスタント)やAIエージェントも提供し、経費精算業務全体の自動化や経営へのインサイト提供の仕組みの強化にも活用していきます。

 当社のAI活用の特徴は、高度なセキュリティーと倫理基準に基づき提供され、当社が保有する膨大なデータと結びつけることで、経費精算業務を進化させている点です。出張ではAIが最適なプランを提案し、申請書を自動作成し、精算業務を自動で完了させる世界を目指しています。ガバナンスを順守してスムーズな処理を行い、不正も防止できます。

中田 コンカーのAIやAIエージェントはどのような機能を持っているのでしょうか。

舟本 「Joule」というのはSAP版のコパイロットで、対話しながら業務を処理できます。問い合わせをすれば適切な回答を返してくれますし、経費精算のレポートも指示すれば自動で作成してくれます。

 また「Joule Agents」というAIエージェントは、業務を自律的に処理していくものです。例えば出張の手配を指示すると、自分で考えて規定に合った最適なプランを提案してくれます。プログラミングなしでワークフローを計画して実行が可能なため、今後様々なユースケースに対応できるよう提供を拡大していきます。

 最近では生成AIによる領収書の偽造が海外で話題になっています。飲み物をこぼした跡をつけたり、しわを付加したりした精緻なもので、人間の目ではチェックできません。当社では生成AIによって不正を検知する機能を提供していきます。

データの量と質・信頼性・幅の
すべてを満たした使えるAI

中田 敦
日経BP
AI・データラボ所長
中田 敦

中田 使えるAIと使えないAIの違いはどこにあるのでしょうか。

舟本 ビジネスの世界で重要になるのは、「使えるデータ」に基づいたAIかどうかです。データの量と質、データの信頼性、そしてデータの幅といったすべてがそろった使えるデータであることが重要です。

 当社は、グローバルや日本でトップクラスの経費精算クラウドサービス事業者です。30年以上の実績と10年以上のAI活用経験を持っていて、1億ユーザーから年間10億件の経費明細データをお預かりし、3000万件の出張の明細という大量のデータを保有しています。リアルなデータの量と質を持つビジネスデータでAIをトレーニングできることが強みです。

 また、当社はSAPグループとしてUNESCO(国際連合教育科学文化機関)が提唱するAI倫理基準に準拠した高い倫理基準と厳しいデータプライバシー基準を守り、LLM(大規模言語モデル)とビジネスデータを分離してデータを保護することで、データの信頼性を確立しています。

 さらにクレジットカードなどのキャッシュレスデータ、タクシー会社などのアプリデータといった幅広いデータ連携を展開し、今後はSAP Business Data Cloudを通じてSAPのビジネスデータとも連携することで、統合的なデータ活用と分析を実施できるようにします。データの質と量、データの信頼性、データの幅すべてで使えるAIを実現しています。

AIはデータが重要
データの量と質。データの信ぴょう性。データの幅。
[画像のクリックで拡大表示]

中田 使えるAIで経費精算がリアルに自動化されることで、経理担当者の仕事がなくなるという見方もありますが、人間の役割はどう再定義されるのでしょうか。

舟本 AIは作業者としては優秀ですが、管理や戦略立案は得意ではありません。今後人間はAIのサポートを受けながら営業やマーケティングの戦略を立案して、経営者の右腕として貢献できるようになると考えています。

 例えば売り上げシェアを考慮してROI(投資利益率)を改善するために経費を抑える、売り上げを伸ばしたい分野に多めに経費を割り振る、などのインサイトを提供するのが経理の役割になります。当社が得意とするビッグデータを使ってAIで分析し、日当や宿泊費を業界の平均と比較するといったこともできるようになります。

AIの活用によって経理部門は
経営のコックピットになる

中田 AIがデータを分析してレポートまで作成するようになったときに、人間の価値はどこにあると思われますか。

舟本 私は調整力と共感力だと思います。AIで多くの業務が自動化されても部門間などのグレーゾーンは残ります。そこでは人間の調整力が必要です。またお金の処理には必ず感情がからみますから、課題を解決するには人間ならではの共感力が問われることになるでしょう。

中田 日本企業特有の文化や風土と折り合いがつかないことで、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進まないおそれもありますね。どこからDXを始めるのがよいのでしょうか。

舟本 DXの先頭バッターは経費精算だと思います。本業でAIを使うのはリスクが伴いますが、競争力を左右しない非本業の経費精算であればリスクが少なく、全社員が関係する業務ですから効果も絶大です。

 総合機械メーカーの前川製作所では、SAP Concurを導入したことで、70%の社員が業務の効率化の効果を実感し、従業員エンゲージメントが高まり、企業風土改革にもつながったと評価しています。まず当社のサービスでAIの効果を実感してみてください。

中田 AIを導入した後の経理部門は経営にとって、どのような役割を担うのでしょうか。

舟本 経理部門は企業のコックピットのような存在になるべきだと考えています。経費精算のデータを見ながら、コストの最適化や投資戦略を経営者と一緒に考えることが求められるようになるでしょう。

中田 経営に対してアドバイスをするなど、本来求められるものに近づいていくわけですね。経理部門のこれからの変化が楽しみです。

※講演の一部をOn-Demand形式で視聴いただけます。

問い合わせ

株式会社コンカー
https://www.concur.co.jp/


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