富士ユナイトホールディングス株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 川崎 靖弘

PROFILE

川崎 靖弘 [かわさき・やすひろ]
1991年に京都大学工学部を卒業後、日本石油株式会社(現ENEOS)に入社。Nippon Oil(U.S.A.)Ltd.社長、JXTGエネルギー株式会社潤滑油カンパニー潤滑油販売部長、ENEOS株式会社潤滑油カンパニー潤滑油販売部長、同社執行役員大阪第2支店長などを経て、2023年6月に富士ユナイトホールディングス(旧富士興産)代表取締役に就任。

社会インフラを支える
環境対応型事業グループへ
富士ユナイトホールディングスが描く
新たな成長戦略

石油商社から
社会インフラ企業へ

 我々の母体である旧富士興産は1949年の創業以来、石油製品の供給を通じて日本の産業と暮らしを支えてきました。その歩みを受け継ぎ、2025年10月、単独株式移転により誕生したのが富士ユナイトホールディングスです。

 現在の我々は、石油製品だけを扱う企業ではありません。環境開発工業を筆頭に、富士ホームエナジー、富士興産、加島、富士レンタルの5社体制で、バイオ燃料、ホームエネルギー、リサイクル、レンタルなどの各事業を展開。石油事業を起点としながら、環境対応や社会インフラ支援へと事業領域を広げています。

 私が2023年に着任後、「グループ全体の力をより効率的に生かすには、石油だけでなくリサイクルや環境のグリーン化事業に力を入れるべきではないか」という議論を重ね、事業会社5社を並べる形で組織を再編。ホールディングスは経営戦略や投資、M&Aに集中し、事業会社は現場での価値創出に専念することで、グループ全体のガバナンスを高め、環境変化にも機動的に対応できる体制を整えました。

 「石油商社」という枠を超え、社会インフラを支える環境対応型事業グループへ──。今回の持株会社化は、その方向性を明確に示すものです。

動脈と静脈をつなぐ
事業シナジー

 持株会社化を機に、事業ポートフォリオも「グリーン」「エネルギー」「インフラ」の3領域で再定義しました。各領域の役割を明確にしたうえで、成長性と収益性のバランスを踏まえた資源配分を行い、グループ全体としての競争力を高めるためです。

 土台となるのはエネルギー領域です。石油製品は産業や物流、インフラ維持に不可欠であり、脱炭素が進んでも直ちに代替されるものではありません。安定供給を続けることは我々にとって重要な使命であると同時に、グループの事業基盤でもあります。

 また、道路や公共インフラの維持・補修に欠かせない建設機械レンタルについても、社会インフラ支援を担う重要な事業と位置付けています。今後は、地域の安全や暮らしを支えながら、安定的な収益を生み出す基盤としてさらに成長させていきます。

 こうしたエネルギーとインフラの安定収益を土台に、次の柱として育てていくのがグリーン領域です。2030年に向けたロードマップでは、営業利益の6割以上をグリーン領域で創出する目標を掲げています。中長期的には、収益の源泉を段階的にシフトさせながら、環境対応型事業をグループの成長を牽引する柱へと引き上げていく考えです。

 成長ドライバーは大きく2つあります。1つはバイオ燃料です。廃食油や植物油などを原料とするバイオ燃料は、既存の燃料インフラを生かしながら導入できる環境対応エネルギーです。脱炭素への移行期において、現実的かつ実効性のある選択肢として需要を取り込んでいきます。

 もう1つがリサイクル事業のM&Aです。環境開発工業では、使用済みエンジンオイルを回収し、ボイラー用燃料などにリサイクルしています。北海道ではすでに約7割のシェアを持つなど、同社の技術やノウハウは当社グループの大きな強みです。今後は事業承継も活用しながら、オイルリサイクルを中心に、一般廃棄物や建設廃棄物なども含めたリサイクル事業のネットワークを広げていきます。

 石油商社として築いた顧客基盤や物流機能は、グリーン領域の拡大においても重要な役割を果たします。供給から回収、再資源化までを一体で担える点は、富士ユナイトホールディングスならではの事業シナジーです。動脈であるエネルギー事業が生む収益を静脈であるリサイクル・グリーン領域へ投じ、その循環を促す「心臓ポンプ」の役割をホールディングスが果たすことで、グループ全体の価値を高めていきます。

変わる明日を、
しなやかに支える

 「環境のグリーン化対応とエネルギーの安定供給を通じて社会に貢献するグループであり続ける」――。この長期ビジョンのもと、我々が重視しているのは単なる規模の拡大ではありません。事業の社会的価値が認知され、必要とされる形で根付くことです。その積み重ねが、結果として企業価値の向上につながると考えています。

 その実現に欠かせないのが、人材の力です。当社では、「当事者意識」「変革意識」「プロ意識」の3つを人材像の軸に据えています。自ら考え、変化を恐れず挑戦し、専門性に責任と誇りを持つ。そうした人材を育てるため、グループ横断の人材交流や研修に加え、タウンホールミーティングなど、経営と現場が直接対話する機会を今後も増やしていく予定です。

 エネルギーを届け、資源を循環させ、社会インフラを支える。富士ユナイトホールディングスは、その役割を着実に果たしながら、志を同じくする企業とも連携し、社会に貢献できる領域を広げていきます。そして、変わる明日を、しなやかに支えるべく、次なる成長ステージへの挑戦を重ねてまいります。

富士ユナイトホールディングス株式会社

富士ユナイトホールディングス株式会社

〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台4丁目3番地 新お茶の水ビルディング13階
https://www.fujiunited.com/

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