“攻め”を支える“守り”の金融
不測に揺るがぬ盤石な与信戦略

倒産件数が再び1万件台に乗るなど、企業を取り巻く環境は一段と厳しさを増している。売り上げの未回収リスクは経営の根幹を揺るがしかねない課題だが、今求められるのは単なるリスク回避の手段ではなく、成長戦略を後押しする与信管理だ。売上債権を保証するファクタリング会社のパイオニアである三菱UFJファクター。同社は、次の時代の風をどう読んでいるのか。「これからのファクタリング」について、フリーアナウンサーの平井理央氏が、三菱UFJファクターの南里公仁氏に聞いた。

倒産が急増する時代の
経営防衛力

平井 最初に御社の事業の概要を教えていただけますか。

三菱UFJファクター
取締役 常務執行役員 営業本部長
南里 公仁 氏

南里 三菱UFJファクターは、日本で最初に設立された本格的なファクタリング会社です。創業は1972年、今年で54周年を迎えます。三菱UFJ銀行の戦略子会社として、グループの中でも重要な役割を担いながら、⾧年にわたって企業の信用リスク管理(与信管理)や販売代金回収を支えてきました。

三菱UFJファクター
取締役 常務執行役員 営業本部長
南里 公仁 氏

事業の柱は大きく2つあります。1つは「保証ファクタリング」。企業の売上債権を保証し、販売先の倒産などで回収不能になった場合、保証限度額の範囲内で保証金が支払われるサービスです。もう1つは「代金回収のサポート」。全国に広がるネットワークを活用して口座振替やコンビニ収納による代金回収業務を代行し、お客さまの業務効率化に寄与しています。

平井 50年を超える長い年月の中で様々な時代の変化があったと思います。御社のサービスが求められてきた社会的な背景についてお話しください。

南里 保証の分野では、まさに今、倒産が大きく増えています。2025年の倒産件数は1万件を超え、2年連続で1万件台となりました。コロナ禍の2021年は約6000件でしたので、そこから増加が続いています。

背景には、物価高や人手不足、人件費の上昇、後継者問題、さらには金利上昇による過剰債務企業の負担増があります。また米国の関税強化や、日中間の摩擦、中東地域の緊迫化など、外部環境も厳しさを増しています。こうした傾向は当面、変わらないと見られます。

そうした中で企業を存続させ、成長させていくには、売上債権の未回収リスクを抑えつつ、成長戦略に向けて新たな挑戦を行うことが求められます。それらの局面において、三菱UFJファクターが提供する与信管理機能が非常に重要な役割を担っています。

倒産件数が増加する中、債権保全や与信管理強化などによって経営課題の解決に寄与する

リスクヘッジに留まらない
長期的な信頼関係が鍵

平井 主要サービスとなる「保証ファクタリング」の概要と意義についてお聞かせください。

南里 保証ファクタリングは、単に売上債権を保証してリスクを抑えるだけのサービスではありません。

私たちはお客さまからお引き受けした保証先について、信用状態の変化を常時モニタリングしています。不安な兆候が発生した場合には、速やかに営業担当者よりご連絡しますので、安心してお取引を継続できます。また、新規の販売先とのお取引で不安がある際には、個別にお問い合わせいただければ販売先に関する保証見込額や当社の見解をお伝えする与信カウンセリングも行っています。

さらに与信管理分野での人材育成や、お客さまが販売先に対して有する与信リスクを可視化するサービスも提供しています。お客さまが抱える与信管理分野以外のお悩みについても、信頼できるパートナー企業との提携により課題解決のお手伝いをしています。保証に留まらず、お客さまの与信管理や経営課題解決を総合的にサポートすることを目指しています。

平井 お客さまに寄り添った姿勢が印象的です。

南里 私たちは「一緒に与信管理を行っていくパートナー」というコンセプトで取り組んでいます。そのため一度取引が始まると、長くお付き合いいただくお客さまが多いのが特徴です。

債権保証、決済インフラなど、経営課題に応じた幅広いソリューションを提供している

組織の刷新で
一気通貫での価値を創出

フリーアナウンサー
平井 理央 氏

平井 2026年4月1日から組織を刷新されるとうかがいました。刷新に踏み切った目的について教えていただけますか。

フリーアナウンサー
平井 理央 氏

南里 MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)は今年度で創立20周年を迎えました。当社もそれぞれの銀行系子会社が統合され、現在の形になった経緯があります。

そのため、従来は保証ファクタリングや代金回収といったサービスごとに独立した組織体制で業務を遂行してきました。しかし、お客さまのニーズは年々多様化しています。そこで4月1日付で機能別に再編し、ファクタリング、代金回収といったサービスを一体的に運営していく体制へと刷新します。お客さまに対して、より統合的な価値を提供していくことが目的です。

新設する「営業本部」では、与信管理から代金回収までを一気通貫で提供できる体制を構築し、トータルでソリューションをお届けしていく方針です。お客さまが新しい取り組みや事業の拡大を進める中で、一定のリスクを伴う意思決定は欠かせません。挑戦を支えるパートナーとして経営課題と向き合い、国内産業の健全な発展に貢献していきたいと考えています。

平井 あらためて、どのような点が御社の強みだとお考えでしょうか。

南里 最大の強みは、MUFGの一員であるという信用力です。これはお客さまにとって大きな安心材料になっています。

次に与信管理のサポート機能です。本機能のポイントは大きく4つあります。1つ目が与信カウンセリングで、販売先の状態を分析し、リスクの見極めを支援します。

2つ目がMUF(三菱UFJファクター)レポートなどの刊行物です。景況感や倒産動向、地域経済の動きなどを毎月冊子でお届けするほか、業界動向や経済指標など旬の情報も随時提供しています。

3つ目が販売先ポートフォリオ分析です。お客さまの全販売先のデータをお預かりし、当社で分析しレポートをお示しすることで、お客さまが自社の与信管理状況を把握しやすくしています。具体的には販売先を6グループに分類し、それぞれの信用力ごとの分布状況を可視化。その結果をもとに保証の活用プランをご提案します。

4つ目が与信管理セミナーです。対面や動画配信、オンラインでの集合形式など、様々な形で受講できます。当社には専門講師がおり、基本的な説明に加えて、「今年はテーマを変えてほしい」「決算分析のポイントに絞ってほしい」といったご要望にも応じています。

そのほかWeb上で保証の申し込みを完結できる利便性の高い「オンラインサービス」、7000億円を超える業界トップレベルの保証残高、高度な審査人材に裏付けされた「高い保証引受力」と「審査回答スピード」が特徴です。

平井 お客さまの立場を想像したとき、スピード感をもって回答してもらえるというのは、とても心強いと思いました。

柔軟性やスピードに
寄せられる高い評価

平井 お客さまからはどのような声が寄せられていますか。

南里 当社では定期的にお客さまへの満足度調査を実施しており、今申し上げたような付加価値サービスが高く評価されています。いくつか紹介すると「保証引受額や審査スピードが優れており、債権保全に大きく貢献している」「この10年間、一度も不良債権が発生しなかったのは、御社の力添えのおかげ」「システムの使いやすさや保証審査スピード、担当者のきめ細かいサービスが優れている」といった声をいただいています。

特に評価が高かったのは営業担当者です。レスポンスの速さや人柄、アドバイスの的確さについて87%のお客さまから「満足している」という回答をいただきました。背景には、銀行の子会社であることが挙げられます。私たちの営業担当者は、銀行で長年勤めたベテラン社員と、新卒で入社した若手が半々を占める珍しい構成です。ベテランの知見と若手の新しい活力が融合している点が、お客さまからの高い評価につながっているのだと思います。

平井 柔軟性も好評だとうかがいました。

南里 当社の保証ファクタリングは、手軽に「使いたい時に、使う分だけ」保証をつけ、不要になればいつでも保証を外すこともできます。例えば、スポット取引や季節要因で売り上げが急増した場合に「回収までの1カ月間だけ保証を利用する」といったスポット利用が可能です。また先程ご紹介したオンラインサービスをご利用いただければ、より手軽にお申し込みいただくことが可能です。

平井 御社が果たしている社会インフラとしての役割についてお聞かせください。

南里 私たちが保証を引き受けることで、お客さまは安心して販売先に対し商品・サービスを提供することができます。加えて保証される企業側からみても、設立して間もないなど、自社の信用力が低い場合に、仕入れが難しかったり、前金での支払いを求められたりするところを、私たちが裏側(サイレント)で保証を引き受けていることによって、結果として仕入れが容易になったり、掛売を許容してもらうことになり、資金繰りの改善につながります。当社の保証があることで、本来は取引が難しかったかもしれない企業間取引をつなぐことが可能になるのです。

このようにサプライチェーンの断絶を防ぎ、雇用や生産活動の継続が可能となり、企業間取引の円滑化を支える役割を果たしていると考えています。さらに三菱UFJ銀行をはじめ、全国61行の地域金融機関とも提携し、北海道から沖縄までサービスを提供。ビジネスマッチングや事業承継に活用いただくなど、地域経済の活性化にも貢献していると自負しています。

加えて海外市場を見据える企業向けの保証商品として輸出債権を対象とした「国際ファクタリング」があります。海外進出という挑戦をサポートする本商品は、近年ニーズが増加しています。さらに、財務改善ニーズのある上場企業向けの「買取ファクタリング(債権流動化商品)」など、経営課題に応じた幅広いソリューションを提供しています。

平井 リスクの多い時代だけど、挑戦をし続けなくてはいけない。安心して新しいことにチャレンジできるように、企業を後押ししてくれる心強さを感じました。

DXで進化する
金融インフラ

平井 今後の展望はいかがでしょうか。

南里 近年、DXを進めるための大規模投資を行い、操作性や画面設計に優れたオンラインサービスの機能拡張や審査業務の一部自動化を実現しました。今後はDXをさらに進化させ、オンライン上でお客さまがより手軽に自社の販売先状況を確認できるサービスの開発を進めています。また、最先端のサービスを提供する他社との協業も拡大。当社の強みである金融機能を組み入れることにより、幅広い顧客サービスを提供していきます。

平井 では最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

南里 日本経済は緩やかな回復基調にあると言われますが、実際にお客さまの声をうかがうと、依然として厳しい環境が続いていると感じます。全国の企業の99.7%を占める中小企業にとっては非常に先行きが見通しにくい状況です。

こうした中で企業を維持し、成長させていくためにはリスクヘッジが不可欠です。だからこそ私どもの与信管理や代金回収のサービスをご活用いただければと思います。

私たちは金融の力を通じて企業の経営者や従業員、その家族の皆さんが元気になるお手伝いをしたい。MUFGのパーパスである「世界が進むチカラになる。」という信念のもと、これからも日本企業を支えていきます。ぜひ何なりとご相談ください。

平井 予測不能な世の中で伴走してくれる存在がいるというのは、企業にとって非常に心強いことですね。本日はありがとうございました。

お問い合わせ

三菱UFJファクター株式会社

〒101-8637
東京都千代田区神田淡路町2-101 ワテラスタワー

https://www.muf.bk.mufg.jp/info/