オリバー・ワイマン・グループ 日本代表パートナー 香月 史秋氏
PROFILE
香月 史秋[かつき・ふみあき]
慶應義塾大学経済学部卒業後、東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)を経てハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得。マッキンゼーで金融分野の戦略・変革案件を手掛け、現在はオリバー・ワイマン金融セクターの日本代表パートナー。ウェルスマネジメントやDX、組織改革を専門に、国内外の金融機関の経営変革を支援している。
オリバー・ワイマンの挑戦
グローバルの知見と実装力で日本企業の変革を
ディスラプションを背景に日本で急成長
オリバー・ワイマンは世界30カ国、70都市以上に拠点を構える経営コンサルティングファームで、事業戦略、マーケティング、組織改革、企業価値評価など多岐にわたる領域のコンサルティングを得意としています。
ここ数年、日本におけるオリバー・ワイマンの売り上げ及び人員は倍増しました。この成果は、日本市場に対する戦略的コミットメント、そしてクライアントに変革的価値を提供してきたことによってもたらされたものです。
背景には、明確なニーズの高まりがあります。ディスラプション(創造的破壊)によるイノベーションが相次ぎ、デジタルを前提としてビジネスが変わり始めたからです。例えば、金融ではブロックチェーン技術を踏まえたステーブルコインの登場で、従来のビジネス概念が大きく揺らいでいます。さらに、日本には構造的な課題が多く、少子高齢化で国内市場が縮小していくことは避けられません。
旧来型の発想では、激しい変化に追いつくことは不可能です。つまり日本企業にとって海外でどう戦うかは経営の命題となっています。ビジネスモデル自体が変わる中で、どのようにグローバルで展開していくか――そうした問いが、私たちへのオファーに表れていることを実感しています。
戦略、実装力、深い知見の掛け合わせが選ばれる理由
強固なグローバルネットワークを築いていることがオリバー・ワイマンの特徴です。私たちはグローバルの人材とチームを組み、日本のクライアントの課題を共に解決します。海外で実際にプロジェクトを手掛けたメンバーの最前線の知見を織り込むことで対応を加速することができます。
ただし、そのまま方法論を持ち込むだけでは機能しません。リアルタイムで知見を取り入れながら、日本の文脈に翻訳できることが私たちの価値です。日本拠点には現在7名のパートナーがおり、うち4名は日本人です。グローバルな知見とローカルリーダーシップの融合により、文化的文脈を踏まえた解決策を提供していきます。リスクを分解し、見えない部分を可視化する。そして、クライアントが意思決定できる状態をつくる。それが日本のメンバーに課せられたミッションです。
オペレーショナルな領域まで踏み込むのも特徴です。例えば、銀行の審査モデルでは大量のデータを分析してスコア化しますが、その設計段階からパイロット運用まで一緒に伴走。業務フローを共創することは、支援できる範囲が広いことを意味します。この点は他社にはない当社独自の強みです。
加えて、人材育成の仕組みもポイントです。オリバー・ワイマンでは、早い段階から専門性を意識させ、どの業界で価値を出すのかを考えながらキャリアを重ねます。若いうちから1つの領域に特化することで、マネージャーになる頃には相当深い専門知識を蓄積しています。戦略を描くだけではなく、どう実装するかという「How」を備え、特定分野で圧倒的な知見を持つ。この掛け合わせが私たちの一番の強みであり、数多くのクライアントに選ばれる理由だと自負しています。
4つのグループが連携し、業界横断の経営コンサルを目指す
現時点でも多くの金融機関、事業会社やファンドのトップマネジメントとの関係性が築けていますし、提供価値も評価いただいています。
今後は金融の強みを深める一方で、急成長するプライベートキャピタルをはじめ、ヘルスケア、消費財や小売りにも重点領域を拡大し、業界を横断したフルサービス型の経営コンサルティングへ進化したいと考えています。
その観点からも、2026年1月のブランド統一は追い風となっています。今年からグループの名称をマーシュ・マクレナンからマーシュに改めました。当グループには、リスクマネジメントと保険のマーシュ、人材・インベストメントのマーサー、再保険のガイ・カーペンター、経営コンサルティングのオリバー・ワイマンという4つのプロフェッショナルファームを傘下に持ちます。それぞれが専門性を発揮しながら、マーシュとして一体で発信する。これによりブランド認知を高め、グループ全体の存在感を強める狙いがあります。
何より、リアルな協働ができるのがメリットです。組織変革を伴う戦略なら、マーサーの組織設計や人事変革のプロフェッショナルと連携できます。保険会社向けに保険商品を設計する場合は、グループの中でアクチュアリー(保険数理士)を含めたチームを構成できます。
クライアントの悩みは、もはやサイロでは捉えきれなくなってきました。現実の社会で産業の垣根が崩れつつある現実を踏まえると、私たちもセクターに縛られていては意味がありません。必要な機能を横断的に束ねて提供することが重要なのです。
もちろん業界を一番知っているのは当事者です。ただ、あえて外の知見を取り入れながら、「今、自社にとって何が本当に大切なのか?」を問い直していくことが、これからの経営には必要だとも感じています。
当社が大切にしているのは一社一社と長期にわたって向き合い、一緒に考え続ける関係です。これからも日本企業の変革局面における最良のパートナーとして、持続的なインパクトを創出していきます。

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