
大阪市高速電気軌道(以下、大阪メトロ)は、6月30日、三井住友銀行出身の角元敬治氏が社長に就く新たな体制をスタートさせた。同日午後、大阪市内で開いた記者会見で、角元氏は「民営化から8年が経過し、昨年度(2026年3月期)の連結営業収益(売上高に相当)は過去最高でした。今年度から次のステージ『経営の第2章』に踏み出しました。今後の持続的成長には社内の力だけでは限界があります。幅広く外部と戦略的に連携することで、自社にはない経営資源を見出し、新たな成長の可能性を広げていくことが重要です」と述べた。
大阪メトロが持つ強みは現場の力で、地下鉄やバスの安全安心な運行を実現し、支えている。一方、同社はこれまで外部との連携が少ない点が課題となっており、金融業界出身の角元社長が今までの経験を生かして、今後は外部との連携を強化していく考えだ。「その上で、今後変えていくべき点は外部との戦略的連携、データ・AI活用などによるデジタル化、人財戦略の3つです」(角元氏)。
具体的に、「戦略的連携」では様々なプレイヤーと結び付き、外部との連携が当たり前になるような企業としての素地を整えていくという。また「デジタル化、AI」の実装が今後の経営を大きく左右するとし、最終的に価値を生み出し、変革を進めるのは人であるため、経営戦略と連動した「人財戦略」を進め、社員一人ひとりが力を発揮できる環境を整えていく。
企業として中長期的に目指す姿はこれまでとは変わらない。企業理念である『最高の安全・安心を追求し、誠実さとチャレンジ精神をもって、大阪から元気を創りつづける』ことを実現するため、交通をベースとしたまちづくり企業への変革を進めていく。交通インフラを支えるだけでなく、周辺の生活サービスも充実させることで、大阪のポテンシャルを引き出し、大阪の街に住む人にも、働く人にも、訪れる人にも、より暮らしやすく、より魅力的な大阪の実現に貢献していくことを目指す。
事業戦略としては、移動と生活に関わるサービスを創出し、それらをお客様に一体的に提供する都市型MaaS構想「eMETRO」を引き続き推進することとしている。都市開発事業についても、森ノ宮、夢洲(ゆめしま)という東西軸の中央拠点における開発案件の積極的な活用に加えて、南北軸の御堂筋線をはじめ、大阪メトロの交通軸がカバーする大阪のあらゆるエリアをつなぎ、持続可能で質の高い交通サービスを提供し、街の魅力の底上げに貢献していくという。
角元氏は会見の中で「少子高齢化や人口減少、移動手段やライフスタイルの多様化、競争環境の変化など当社を取り巻く環境も変わってきました」と指摘。「このような状況の中で、最も大切なのはお客様目線の徹底です。お客様にとってのベネフィットは何かという問いを常に繰り返しながら、緊張感を持った経営に取り組んでいきます」と今後に向けた抱負を述べた。

| 氏名 | 角元 敬治(かくもと けいじ) | |
| 生年月日 | 1962年 8 月24日 | |
| 略歴 | 1985年 4 月 | 株式会社住友銀行(現 三井住友銀行) 入行 |
| 2019年 3 月 | 同 取締役兼専務執行役員 ホールセール部門副責任役員(西日本担当) |
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| 2019年 4 月 | 同 取締役兼専務執行役員 ホールセール部門副責任役員(西日本担当)、大阪駐在 |
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| 2021年 4 月 | 同 取締役兼副頭取執行役員 大阪駐在 | |
| 2022年 4 月 | 同 取締役副会長 大阪駐在 | |
| 2024年 4 月 | 同 副会長 大阪駐在 | |
| 2025年 4 月 | 同 上席顧問 | |
| 2025年 6 月 | 大阪市高速電気軌道株式会社 社外取締役 | |
| その他役職 | 2022年5月16日~2024年5月16日 一般社団法人関西経済同友会 代表幹事 | |