中川 智博氏 蟻川 元氏
Fit to Standardで連結仕訳の作業工数を9割以上削減

ビジネスの成長とAI活用を見据え、拡張性や柔軟なシステム連携を重視
8カ月という短期間で強力な経営基盤を手にしたリオ・ホールディングス

8カ月という短期間で強力な経営基盤を手にしたリオ・ホールディングス

不動産を中心とする「資産のOne Stopコンサルティング」を掲げ、富裕層を対象に資産運用や税務処理を担うファミリーオフィス事業を展開するリオ・ホールディングス(東京都千代田区)。ホテル事業の拡大を含め、さらなる成長を目指す同社は、SAPを用いた経営基盤を新たに導入した。決算処理の大幅な効率化を実現し、外部システムとの連携強化やAIの活用強化を進めている。

不動産×法務×税務を融合させた「資産のOne Stopコンサルティング」を提供

富裕層にとって、資産を安全に運用すると共に適切に節税し、さらには資産を継承・相続していくことはとても重要だ。そうしたニーズに応える形で、税制や法律を含めた知見やノウハウを武器に、一族の持続的な繁栄のために資産運用や税務処理を代行する「ファミリーオフィス」と呼ばれるビジネスが日本でも少しずつ広がってきた。

「資産のOne Stopコンサルティング」を目指して1997年に創業したリオ・ホールディングスは、日本におけるファミリーオフィス事業のトップランナーの一社である。同社は弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士で構成されるリオ・パートナーズ総合事務所と連携しながら、不動産、法務、税務の専門家によって「チーム・リオ」を編成し、顧客が持つ不動産資産の運用(サブリース)や税務処理などのサービスをワンストップで提供している。

「世の中にないサービスを生み出そうとの想いで『資産のOne Stopコンサルティング』を掲げ、1997年に創業しました。創業からおよそ30年間、お客様第一主義に基づくサービス提供に注力しながら、コストカットに走るのではなくとにかく弊社を信頼してくださるお客様を増やし事業を拡大していくことに全力を注いできました」と、創業者であり代表取締役を務める中川智博氏は振り返る。

リオ・ホールディングス 代表取締役 中川 智博 氏

リオ・ホールディングス
代表取締役

中川 智博

実際に、同社は高所得者層に対する課税強化などを追い風に成長を遂げてきた。ファミリーオフィス事業の拡大のほかにホテル事業(リオ・ホテルズ)の伸長もあり、売上高は2021年度(1月から12月)の201億円に対して、2025年度はおよそ2倍の395億円に達している。

ビジネスの成長を見据えて――。単体会計および連結会計の経営基盤を刷新

着実に顧客を増やし、事業の幅を広げながら成長し続けてきたリオ・ホールディングスが、さらなる成長に向けて着手したのが、新たな経営基盤作りである。同社は、2025年8月にSAPのクラウド製品を中心とする基幹システムを導入し、単体と連結の会計処理および決算処理の大幅な強化を図った。

「この投資に踏み切った大きな理由が2つありました」と中川氏は話す。その1つは、ビジネスの成長を見据えた外部システムとの連携強化であった。従来使っていた会計システムは既存業務を支える上では一定の完成度を備えていたが、外部システムとのAPI連携や拡張の自由度には制約があり、事業領域の拡大に伴って、その限界が見え始めていたという。

「たとえばホテル事業であればグローバルスタンダードな予約管理システムとの連携が不可欠です。事業領域が住宅、オフィス、ホテル、商業施設へと広がる中、中核となる会計基幹システムにも同様に、将来に向けて外部システムと柔軟に連携できる基盤が必要と考えました」(中川氏)

もう1つの理由が、AIの活用である。

「人材の採用が難しくなっている現在、マンパワー(人員)に頼って業務をこなしていくのではなく、AIも活用しながらデジタルで効率化を進めていくべきと考えました。そのためにも新しい経営基盤が必要でした」(中川氏)

この新しい経営基盤の選定を担ったのが、経理部やコーポレートIT部門などを統括する取締役の蟻川 元氏である。

「将来的な拡張性に加えて、中川が重視していた他のシステムとの連携性や、AI活用の可能性も踏まえ、2023年頃から新しい基幹システムの検討を進めてきました。私は公認会計士として、かつて様々な会社の監査に携わる中で、多くの企業がSAPを活用し、グローバル水準の経営基盤を構築している姿を見てきました。今回、基幹システムを刷新するのであれば、当社の事業成長を支える基盤としてSAPが有力な選択肢になると考え取締役会に提案し、導入が決まりました」

SAPの構築は、NTTデータグループのフォーティエンスコンサルティングに依頼した。リオ・ホールディングス社内では、蟻川氏のほかに、コーポレートIT部門の部長と単体経理および連結経理に精通した経理担当者の数名が中心となり対応。同社の実務に合わせながら構築を進めていったという。

リオ・ホールディングス取締役 公認会計士・税理士 蟻川 元 氏

リオ・ホールディングス
取締役 公認会計士・税理士

蟻川 元

「SAPの開発エンジニアが社内にいるわけではありませんので、アドオンによってカスタマイズをしてしまうと将来的にメンテナンスができなくなってしまいます。その点については中川からも強く指示があり、業務をSAPの標準機能に合わせる、いわゆる“Fit to Standard”として進めていくことを目標に掲げました」(蟻川氏)

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XT

Fit to Standard+
クリーンコア・アプローチで
新しい会計基盤を構築