メインイメージ

変化を力に変える、世界標準への転換 売上高14億円企業が実現したSAPのERP導入・競争力強化の3年間の軌跡

製造実行システムと財務・会計システムを連携

西田精機が目指したのは、社長が「勘と経験」に頼って行っていたPSI(Production Sales Inventory、生産・販売・在庫)管理を、ERPに日々蓄積される実績データを基に、財務情報や原価情報を正確に管理する仕組みの構築である。

「そのためには、受注や生産、販売、在庫管理などの各部門がバラバラに構築したシステムを一元化し、全プロセスのデータを横串で管理できる基盤が不可欠です。SAP S/4HANAをベースとするERPプラットフォームは、まさにそれをかなえてくれるものでした」

そう語るのは、導入プロジェクトに携わった西田精機 経営管理課(経理係・情報管理係)課長の宍戸政輝氏である。

西田精機 経営管理課 (経理係・情報管理係)課長 宍戸 政輝

西田精機
経営管理課
(経理係・情報管理係)課長

宍戸 政輝 氏

中でもプロジェクトの要となったのが、MES(製造実行システム)と会計・財務システムの連携だ。この2つが分断されていたので、製造した部品の原価がいくらで、どんな加工を加えたのか。その結果、売上に対してどれだけ利益が上がったのかという収益状況が、すぐには把握できなかった。

「年度末の決算を締めるまでは、会社全体の収益性を正確に確認することが難しく、また、品目ごとの利益・赤字の状況や在庫状況についても、タイムリーに把握することが困難でした。そこで、ERPプラットフォーム上でMESと財務・会計システムを連携し、製造の実績データを日々取り込むことで、日次、月次の財務状況がリアルタイムに把握できるようにしたいと考えたのです」と宍戸氏は説明する。

ERPに蓄積されたデータとAIを活用して“100年企業”に

SAPのERPプラットフォームの導入によって、その目的をかなえる環境は整った。問題は、製造現場の従業員にERP導入の意義をいかに理解してもらうかであった。

「日々の製造実績をMESから財務・会計システムに取り込むには、従業員の皆さんにデータを入力してもらわなければなりません。新たな入力作業による現場の負担もあるため、その目的や必要性を理解してもらうことが重要でした。『入力してもらうことで日々の財務状況が可視化されれば、タイムリーな戦略の見直しによって業績が向上し、従業員の皆さんの待遇にも反映される』ということを、繰り返し説明しました」と西田氏は振り返る。

さらに、導入を支援したコンサルティング会社やSAPの担当者を招いて、ERPに関する社内啓蒙活動を行うなど、従業員が一丸となってプロジェクトに取り組もうとする環境づくりにも力を入れた。そうした苦労のかいもあって、導入から1年が経過したころには現場での入力が徐々に定着し、財務・会計システムに蓄積されていくデータの精度と正確性は大きく向上した。

「中期経営計画の施策の一つとしてCMEs導入を位置付け、導入後は蓄積されたデータを中期経営計画の進捗管理や経営判断に活用できるようになっています。また、導入から3年目には、前年度と今年度の財務データが比較できるようになりました。データ活用を含む経営変革全体の成果の一つとして、従業員への還元を実施できたのが何よりもうれしいですね」と西田氏は語る。

西田精機はデータ活用を含む経営改善全体の成果の一つとして、従業員への還元を実施。導入から2025年度までに、2年連続で5%のベースアップを行い、年間休日日数も2025年度までに8日増やした。

同社は今後、ERPに蓄積された正確な財務データや製造実績データを基に、AIを積極活用していく方針である。工作機械のメンテナンス時期をAIに予測させて稼働率を高める、カーボンフットプリント(SAP Sustainability Footprint Management)の算出によって発注元のESG活動に貢献するといった、様々な取り組みを検討している。

西田氏は、「23年後に“100年企業”となることを見据え、データドリブン経営で着実に成長の道を歩んでいきたい。ERPに蓄積された膨大なデータと、それを分析して経営判断を支援してくれるAIが、進むべき道を示してくれると期待しています」と熱く語った。

宍戸 政輝 氏 西田 真 氏

西田精機の取り組みは、「勘と経験」に依存した経営から脱却し、データに基づく意思決定ができる経営基盤を構築した好例と言える。世界標準の業務プロセスを取り入れながら、部門ごとに分断されていたデータを統合し、将来の事業承継やAI活用に向けた土台づくりを進めている。

こうした中堅中小企業の変革を支援するのが「SAP GROW」だ。SAP GROWは、AIを搭載したクラウドERPを基盤に、財務・人事・サプライチェーンなどの基幹業務を統合。業界のベストプラクティスに基づく標準化された導入アプローチにより、短期間での立ち上げと持続的な成長基盤の構築を支援する。

また、データの一元化による迅速な経営判断や、AIを活用した業務高度化にも対応しており、西田精機が目指すデータドリブン経営や“100年企業”への挑戦を後押しする基盤として、多くの成長企業から注目を集めている。

図1

“100年企業”に向けて、より強固で将来の事業承継を見据えた成長基盤を築くため、西田精機はSAP S/4HANAをベースとするERPプラットフォーム「CMEs」を導入した。「西田スタンダード」から「グローバルスタンダード」への転換や、部門ごとに分断されていたデータの統合・可視化など、経営変革は今も続いている

図2

ERPプラットフォームによる財務データや製造実績データの可視化は、発注元とのより建設的なコミュニケーションにつながっている。目指すのはデータを共通言語とした共創型パートナーシップだ

SAPの最新クラウドERPソリューション「SAP GROW」の詳細はこちら SAPサイト

https://www.sap.com/japan/

【お問い合わせ】
電話:00531-49-0110(無料通話) | 03-6737-4463
(受付時間:平日 9:00~18:00 日本語対応)

Webお問い合わせフォーム

https://www.sap.com/japan/contactsap/