ビジネスパーソンの志と器量は、時間との向き合い方にこそ表れる。
変化の兆しをどこで察知し、何にどれだけの時間を配分し、
どの瞬間に余白を残すのか──その選択の積み重ねが、
日々の判断と仕事のあり方、そして“時間の質”を静かに形づくっていく。
創業145年を迎えたセイコーの限定モデルは、受け継がれてきた
歴史と伝統、磨き上げられた技術と美意識をまといながら、
腕元から自分自身の時間の使い方を問い直すきっかけを差し出してくれる。

創業の志が拓いた
“時間”への真摯なまなざし
「常に時代の一歩先を行く」を掲げ、国産初の腕時計を製造し、精度や品質の向上に挑んだ服部金太郎。その先見性が、145年続くセイコーの原点となった人物である。
時間の使い方には、その人がどのように世界を見ているかがにじむ。限られた一日の中で、何に時間を割き、どこに余白を残すのか。その選択の積み重ねが、結果だけでなく、仕事のあり方そのものを形づくっていく。
1881年、服部金太郎は東京・銀座で時計店を開き、やがて自ら時計を作る道を選んだ。のちにセイコーへとつながるその小さな店こそが、145年の歩みの出発点である。掲げた信念は「常に時代の一歩先を行く」。時間を正確に測るという課題に挑み続けると同時に、時計を「時間を知らせる道具」以上の存在へと高めようとした。セイコーの145年の歩みは、精度や信頼性を磨き上げてきた歴史である。
創業者の業績を象徴するゴールドカラーや、由緒ある懐中時計に着想を得た意匠を取り入れた4本の創業145周年記念限定モデルは、その歴史を腕元に映し出す存在だ。いずれも、積み重ねてきた歴史を讃えるだけのものではない。これからの時間をどう設計し、どんな質で積み重ねていくのか――その視点を静かに促すためのパートナーである。

未来を見据える姿勢を映す
端正なドレスウオッチ
会議室へ向かう前のわずかな合間でも、装いの細部にまで気を配る人がいる。ネクタイの結び目を整え、ジャケットの肩の収まりを確かめ、手首に目をやる。そこにあるドレスウオッチが視線と意識を自然に未来へと向けてくれるなら、腕時計は単なるアクセサリーの役割を超える。それが、キングセイコーの今回の限定モデルである。
ケースは丁寧に磨き込まれた滑らかな曲面で構成され、9.9mm厚という薄さがシャツの袖に美しく収まる。矢羽根形状にカットされた12時インデックスは、光を受ける角度によって表情を変え、視線をダイヤルの中心へと導く。磨き分けを施した多列ブレスレットは、腕の動きに合わせて細やかな陰影を生み、スーツスタイルに控えめな華やぎを添える。ビジネスの現場で求められるのは、派手さではなく、細部に宿る整えられた印象だ。
このモデルは、遠目には控えめでありながら、近づくほどにディテールの精度が伝わってくる。打ち合わせの場でふと視界に入るその佇まいは、自分自身の判断軸もまた、表面的な情報に左右されず、物事の本質の部分を磨き上げていきたいという意識をさりげなく思い起こさせる。
キングセイコー/KS1969限定モデル 39万6000円(税込)[2月6日(金)発売予定]
デスクの上に並ぶ仕事道具にも、その人の時間感覚は表れる。必要なものだけが整理され、余計なものは置かない。その一角に、この腕時計が置かれていると、場の空気がわずかに引き締まる。
ダイヤルには、創業者・服部金太郎が手がけた懐中時計に施されていた繊細な型打ち文様が受け継がれている。細やかなパターンが光を柔らかく分散させ、ブラックとゴールドカラーのコントラストに深みを与える意匠だ。ケースの曲面とボックスサファイアガラスがつくる輪郭は、過度に主張することなく、見る者に“整っている”という印象を残す。薄型の自動巻ムーブメント、Cal.6L35を搭載し、5気圧の日常生活用強化防水を備えている点も、日々の相棒としての信頼感を支えている。
145周年記念モデルとして、このドレスウオッチには過去への敬意と供に、これからの時間をどう見通すかという問いが込められている。短期的な成果だけを追いかけるのではなく、数年先を見据えた投資や判断を積み重ねること。その姿勢を、自身に向けてそっとリマインドしてくれる存在として、この腕時計は機能する。手首に戻した瞬間、次にどの時間に集中すべきかが、自然と定まっていく。
精工舎の設立前に創業者のアイデアで美しく彫刻された懐中時計。その精緻な模様が、キングセイコーの限定モデルのダイヤルにも受け継がれている。

精度への信頼を一秒ごとに刻む
実直なクロノグラフウオッチ
数値目標と向き合う場面では、時間はより具体的な単位として迫ってくる。案件ごとの進捗、締切までの残り時間、チームのアウトプット。そうした“刻まれていく現実”の中で、自分の軸を保ちながら手を動かし続けるためには、リズムを整える道具があると心強い。
セイコー プロスペックスの今回の限定モデルは、スポーツ計時で培われた精度と信頼性をビジネスの現場へと持ち込んだ一本だ。ダイヤル外周のタキメーター・スケールと三つ目のインダイヤルは、経過時間を素早く読み取れるよう整理されており、スタート/ストップの操作感も明確で迷いがない。ホワイト×ゴールドカラーの配色がスーツスタイルに品よくなじみ、ダイヤルにはキングセイコーと同じ懐中時計をルーツとする型打ち模様を採用している。そのパターンを現代的に解釈した表情は、手首を傾けるたびに細やかな陰影を生み出し、クロノグラフ全体に落ち着いた立体感を与えている。
日々のミーティングやプレゼンテーションの合間、ふとクロノグラフのプッシャーに指をかける動作は、時間の流れを能動的に捉え直す行為に近い。単に“忙しさに追われる”のではなく、どのタスクにどれだけの時間を投じるのかを意識的に区切っていく。その感覚を、このモデルは腕時計という形で支えてくれる。
セイコー プロスペックス/スピードタイマー メカニカルクロノグラフ 限定モデル 35万2000円(税込)[2月6日(金)発売予定]
朝、自宅のリビングテーブルに並べたパスケースや眼鏡の横で、このクロノグラフウオッチが柔らかく光を返している。ダイヤルは、信頼感とクラシック感のバランスを突き詰めた配色でまとめられており、ロゴや針、インデックスに145周年を象徴するゴールドカラーを効かせることで、上品で落ち着いた雰囲気に仕上がっている。
キングセイコーと同じ懐中時計をルーツとするダイヤルの型打ち模様が奥行きを生み、ビジネスシーンでも日常の装いでも違和感なくなじむのが、このモデルの持ち味だ。内部にはストップウオッチ機能として、30分計・12時間計を備えたムーブメント、Cal.8R48が搭載され、日差+25秒~−15秒、約45時間のパワーリザーブというスペックを誇る。
精度と耐久性に裏づけられたメカニカルクロノグラフであることが、外観の落ち着いた佇まいに確かな説得力を与えている。目の前の結果に一喜一憂するのではなく、一定のリズムで前へ進み続けること。数字と向き合う時間を冷静に積み重ねること。その姿勢を忘れないための“実直な相棒”として、このクロノグラフウオッチはビジネスパーソンの時間を支えていく。

世界をまたぐ時間を正確につなぐ
最先端のパフォーマンスウオッチ
国境をまたぐ仕事に携わる人にとって、時間は単なる“現在時刻”ではなく、複数のタイムゾーンが折り重なった座標軸に近い。オンライン会議の開始時刻、フライトの出発時間、現地の昼夜。そこにずれや曖昧さが生じると、機会損失につながるリスクも高まる。セイコー アストロンの今回の限定モデルは、そうした現代の働き方に応えるための一本だ。
ブラックとゴールドカラーで統一した荘厳なカラーリングは、ベゼル全面の金蒸着とコンビブレスレットによってセイコー アストロンとしても初の仕様となる特別な一本だ。ダイヤルには質感の高いアスファルト調パターンを採用し、都市を駆け巡るビジネスパーソンの足元を思わせる表情を持たせている。このモデルが搭載するGPSソーラー技術は、衛星からの電波を受信して世界中どこにいても常に正確な時刻を表示する仕組みだ。ローカルタイムとは別にホームタイムを表示できるデュアルタイム機能も備え、拠点と出張先の時間を同時に把握できる。
世界初のGPSソーラーウオッチの系譜に連なるこの機能は、時差や移動を前提とした日々のスケジュールに、確かな基準線を引いてくれる最先端のパフォーマンスウオッチだ。ビジネストリップにふさわしい機能的なセットアップと合わせれば、感度の高い都市型のビジネススタイルとしてまとまり、その内側には“時間の不確実性を減らす”という実務的な価値が息づいている。
セイコー アストロン/Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ 限定モデル 37万4000円(税込)[2月6日(金)発売予定]
出張先のホテルのデスクやスーツケースの上に、この腕時計が置かれている光景を想像してみたい。ブラック×ゴールドカラーの配色が周囲の持ち物とも自然に呼応し、全体を一つの世界観としてまとめてくれる。ケースとブレスレットには、軽量で傷に強い純チタンが用いられ、移動の多い日々にも頼れる堅牢性を発揮する。
ダイヤルのUTC表示では、「1」「4」「5」の数字だけがゴールドでハイライトされている。145周年をさりげなく示すこのディテールが、全体のデザインに控えめなアクセントを加えているのだ。内部には最新のGPSソーラームーブメント、Cal.5X83を搭載し、衛星からの電波を受信して時刻やタイムゾーンを補正する仕組みや、ローカルタイムとホームタイムを同時に表示できるデュアルタイム機能が、世界をまたぐスケジュール管理を静かに支えている。
フライト前のわずかな時間に次のミーティング資料を確認しながら、このモデルに目をやる。そこには、過去の技術革新と現在の働き方をつなぐ役割が凝縮されている。世界をまたぐスケジュールの中で、何を優先し、どの瞬間に集中するのか。その選択を支える根拠として、正確な時刻が常に腕元にあることの安心感は大きい。

受け継いだ意匠を現代に紡ぐ
気品漂うクラシックウオッチ
一日の中で、意識的に速度を落とす時間を確保している人は少なくない。資料を読み込み、考えを整理し、次の手を構想する。その静かなひとときに寄り添う腕時計は、華やかさよりも、時間そのものの奥行きを感じさせるものであってほしい。セイコー プレザージュの今回の限定モデルは、由緒ある懐中時計「タイムキーパー17型」の要素をできる限り忠実にすくい取りながら、現代の腕時計として再解釈した一本だ。
温もりのある白い琺瑯ダイヤルは、当時の雰囲気を思わせる柔らかな艶をたたえつつ、腕元での視認性とバランスを再設計している。縦37×横35mmという控えめなケースサイズが、手首の上にささやかな余白をつくり、存在感を主張し過ぎることなく装いに溶け込む。リーフ分針、スペード時針、はかま付き秒針というクラシカルな針が、ゆったりと時を刻む様子は、ページをめくる手の動きともどこか呼応している。
装飾を施したケースと玉ねぎ型りゅうずは、時代を越えて受け継がれてきた工芸的な感覚を今に伝えるものだ。くつろぎを感じるニットウェアと合わせても、落ち着いた知的さを保てるのは、このクラシックウオッチが過度に主張せず、穏やかな存在感にとどまっているからだろう。腕時計を見るたびに、目先のタスクから半歩引いて物事を考え直す余白が生まれる。
セイコー プレザージュ/クラシックシリーズ クラフツマンシップ 琺瑯ダイヤル 限定モデル 26万4000円(税込)[2月6日(金)発売予定]
このモデルを手に取ると、まず目に入るのはストラップの落ち着いた表情だ。ブラウンのレザーストラップは引き通し構造を採用し、使い込むほどに味わいを増す質感だ。ストラップには、LWG(レザーワーキンググループ)※の認証を取得しているタンナーで生産されたレザーを使用。環境配慮の観点からも現代的な選択であり、古き良き意匠と現在の価値観が自然に交差している。
※LWG(レザーワーキンググループ)
LWG(Leather Working Group)とは、持続可能なレザー生産を目指し、品質や安全性、環境問題等の啓蒙活動を行う非営利の組織です。
琺瑯ダイヤルの白は、単なる色というよりも“時間の器”のような存在だ。そこに重ねられたローマンインデックスとミニッツトラックは、「タイムキーパー17型」から踏襲した意匠だが、腕元に乗せると不思議と新鮮に映る。ステンレススティールのケースにはゴールドカラーのメッキが施され、琺瑯の白との対比が、クラシカルでありながら現代的な華やぎを添えている。内部には、約3日間の連続駆動をかなえる自動巻ムーブメント、Cal.6R51が搭載され、5気圧の日常生活用強化防水を実現したスペックが、日常に寄り添う一本としての実用性と特別感を支えている。
読みかけの本を閉じ、このクラシックウオッチを手首に戻す瞬間、先ほど頭の中で整理したアイデアが、次のアクションへと滑らかにつながっていく。そのプロセスを支えるのは、せわしなく流れる時間ではなく、意図的に“立ち止まるための時間”であることを、このモデルはそっと教えてくれる。
白い琺瑯ダイヤルとローマンインデックス、装飾的なケースが印象的な懐中時計「タイムキーパー17型」。その意匠がセイコー プレザージュの限定モデルで細部まで丁寧に踏襲されている。

“時間の質”が映す
ビジネスパーソンの志と器量
セイコーの創業145周年記念限定モデルに宿るのは、出来事を振り返るための記念性だけではない。由緒ある懐中時計の装飾や意匠、スポーツ計時やGPSソーラーへと連なる技術の積み重ねなど、セイコーが築いてきた歴史への敬意が、それぞれの形で反映されている。
忙しさの中でも先を見据えて判断したいこと、数字と向き合う時間を一定のリズムで積み上げていきたいこと、時差や移動に振り回されずに動きたいこと、立ち止まって思考を深めるひとときを持ちたいこと──4本のモデルからは、そうした多様な「時間との付き合い方」が自然と浮かび上がってくる。それは、仕事のあり方や“時間の質”が、結局は自分の志と器量に委ねられていることを思い起こさせる。
どのモデルに心引かれるのかをじっくり確かめてみること自体が、自分の時間の使い方や、価値を置きたい瞬間を見つめ直す手がかりになる。腕元に、これからの働き方と生き方へのささやかな指針をどのように託すのか――その問いを、改めて意識してみたい。

セイコー創業145周年記念
限定モデルのラインアップ
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セイコーウオッチお客様相談室
☎0120-061-012
[キングセイコーのスタイル]スーツ64万9000円・タイ3万6300円/すべてイザイア(イザイア ナポリ東京ミッドタウン ☎03-6447-0624) その他スタイリスト私物
[セイコー プロスペックスのスタイル]スーツ26万4000円/アクアスキュータム(アクアスキュータム aquascutum-press@renown.co.jp) その他スタイリスト私物
[セイコー アストロンのスタイル]ジャケット3万8500円・シャツ 2万6400円・パンツ2万6400円/すべてUNTRACK(エース ☎03-5843-0606) スーツケース18万7000円/ゼロハリバートン(ゼロハリバートン カスタマーサービス
0120-729-007)
[セイコー プレザージュのスタイル]ポロシャツ5万7200円・中に着たタートルネックニット5万1700円/ともにジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー ☎03-5784-1238) その他スタイリスト私物
写真[人物]/太田泰輔写真[静物]/Koji Yano(STIJL)スタイリスト/仲唐英俊ヘアメイク/竹井 温(&'s management)文・編集/安部 毅