「そもそも、セクター投資とは?」「なぜ今、セクターETFなのか?」

今、投資が面白い。S&P500への投資が日本でも浸透する一方、米国株市場をより深く理解するための選択肢として注目されているのが「セクターETF(上場投資信託)」だ。情報技術や金融、ヘルスケアなど11の業種セクターごとに投資することで、市場全体では見えにくい変化を捉えられるという。必要な視点は「今、どの産業へ資金が向かっているのか」。日本の投資を、一歩も二歩も先へ連れていく。米国の運用会社でETFプロバイダーのパイオニア、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントの山口美帆氏に、セクターETFの魅力を聞いた。

投資信託と個別株、両方の長所を兼ね備えている

まずはステート・ストリート・インベストメント・マネジメントがどんな会社なのか教えていただけますか。

ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント
ヴァイス・プレジデント セクター・スペシャリスト
山口 美帆氏2025年入社。機関投資家及びリテール向け営業活動を支援するセクター・スペシャリストチームの主要メンバーとして、投資、マーケティング、プロダクト、ガバナンス各チームと連携しながら、セクター戦略の国内におけるプレゼンス及びポジショニングの強化に取り組む。

当社は230年以上の歴史を持つ米国ステート・ストリート・コーポレーション傘下の資産運用部門で、運用資産総額は約6兆ドル*に達します。1993年には米国初のETFとなるS&P500指数に連動するETF「SPY」を上場し、ETF市場の発展をけん引してきました。現在も世界中の機関投資家から個人投資家まで、幅広いお客様へETFを提供しています。

ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント
ヴァイス・プレジデント セクター・スペシャリスト
山口 美帆氏2025年入社。機関投資家及びリテール向け営業活動を支援するセクター・スペシャリストチームの主要メンバーとして、投資、マーケティング、プロダクト、ガバナンス各チームと連携しながら、セクター戦略の国内におけるプレゼンス及びポジショニングの強化に取り組む。

新NISAの影響もあり、日本ではS&P500や全世界株式への投資が広く浸透してきました。ただし、その次の選択肢としてETF、とりわけセクターETFについては、まだ十分に知られていません。私は米国株のセクター・スペシャリストとして、景気や企業業績、政策の変化によってどのように市場が動くのかを分析しながら、投資判断に役立つ情報をお届けしています。

改めて、セクターETFとはどのような商品なのでしょうか。

ETFは、投資信託のように複数の銘柄へ分散投資でき、株式と同じように証券取引所で、リアルタイムで売買できる商品です。投資信託と個別株、それぞれの長所を兼ね備えている点が大きな魅力です。

さらに、ETFにはさまざまな種類があります。市場全体へ投資する商品もあれば、高配当株へ投資する商品もあります。その中で私たちがご紹介したいのが、セクターETFです。セクターとは上場株式を業種別に分類した銘柄の集まりを指し、S&P500では「世界産業分類基準(GICS)」に基づく11セクターで分類しています。

セクターの内訳は情報技術、金融、ヘルスケア、資本財、一般消費財、生活必需品、エネルギー、素材、不動産、公益事業、コミュニケーション・サービスです。「情報技術」には半導体やソフトウエア企業、「金融」には銀行や保険会社、「ヘルスケア」には医薬品や医療機器メーカーなどが含まれます。

各セクターによって特徴は異なり、世界情勢や景気サイクルなどによって別々に変動する

当社では、2025年12月にセクターETFに特化した専門チームを新たに立ち上げました。現在は米国に8人、日本とシンガポールを担当するメンバー2人に加え、セクター専任のリサーチ担当5人が在籍する専門体制を整えています。こうした体制により、市場環境の変化に応じた情報をスピーディに発信できるほか、セルサイドのリサーチに匹敵する水準を目指し、各セクターの専門家による分析をタイムリーに提供しています。

なぜ今、セクターETFなのでしょうか。

市場全体へ投資することは、長期の資産形成において非常に有効な考え方です。ただ、市場は常に一様に動いているわけではありません。「これからAI関連投資が拡大しそうだ」「景気回復で金融が恩恵を受けそうだ」と市場の流れを読み、その見通しをポートフォリオへ反映できるのがセクターETFのメリットです。

仮にAI関連投資が拡大すれば、「情報技術」だけでなく、その設備を支える「資本財」や「素材」、「公益事業」などにも恩恵が広がっていきます。反対に、金利や原油価格の変化によって強さを増すセクターもあります。

つまり、総体的な「米国株が上がるか下がるか」という見方だけではなく、「今、どの産業へ資金が向かっているのか」という視点を持つことで、マーケットをより立体的に捉えられるようになります。セクターETFは、そうしたマーケットビューで投資を判断するための選択肢の1つなのです。

「AIか、それ以外か」ではなく、AIを起点とした投資機会の広がりを見よ

2026年7月には最新のセクター市場見通しを発表されました。7~9月の第3四半期について、どのようなマーケット環境を想定していますか。

第3四半期の最大の注目点は、AI関連銘柄やメガキャップを中心としたテクノロジー企業が市場をけん引する一方で、その恩恵がより幅広いセクターへ波及していく点です。これまでは一部のハイパースケーラー(超大型IT企業)に投資が集中する傾向がありましたが、今後は投資機会が他のセクターにも広がっていく可能性があると見ています。

投資機会が幅広いセクターへ広がると考える背景には、大きく5つの要因があります。

これらの5つです。

第3四半期にポジティブと評価しているセクターの1つが、「情報技術」です。2026年2月に始まったイラン情勢の緊迫化を受け、市場環境は大きく変化しましたが、情報技術がAI需要を支える最大のドライバーである構図は変わっていません。

事実、ハイパースケーラーの設備投資見通しを見ると、3月以降で約15%上方修正されています。2026年通年には約7720億ドル、2027年には約1兆ドルまで拡大するとの見通しもあります。こうした設備投資の拡大が続くことを踏まえると、情報技術やAIインフラに関連する分野は、引き続き注視しておくべき領域です。

その恩恵を受けるセクターとして、「資本財」や「素材」を挙げられていますね。

はい。「資本財」セクターは、まさにAIインフラを支える存在です。データセンターの建設、送配電設備の整備、空調・冷却システムなど、AIが稼働する環境を整えるためには多くの設備投資が欠かせません。その中心を担うのが資本財関連企業です。

その先には「素材」セクターがあります。送電網の整備や設備の建設には、金属や化学素材など幅広い材料が必要になります。AI関連投資は半導体メーカーだけで完結するものではなく、産業全体へ波及していくテーマです。その意味でも「AI関連株を買う」というだけでなく、「AIがどの産業へ利益をもたらすのか」という発想で市場を見ることが重要になってきます。

「金融」セクターもポジティブに評価されています。

これまでは景気後退への懸念や、FRBの金融政策の先行きが読みにくかったことから、多くの投資家が「金融」セクターへの投資を手控えていました。しかし足元では、景気後退への懸念が和らぎつつあります。金融機関の貸出成長にも改善が見られ、資本市場の活動も回復基調にあります。巨大IPOやM&A市場の回復への期待も高まっており、「金融」セクターを取り巻く環境は以前より前向きになってきました。

ですから第3四半期は「AIか、それ以外か」ではなく、AIを起点として、投資機会がどのセクターへ広がっていくのかに着目してほしいです。実際に足元ではセクターごとの値動きにもばらつきが見られるようになっており、市場全体だけでは捉えにくい変化が生まれています。だからこそ、セクターという切り口でマーケットを分析する意義が、これまで以上に高まっていると考えています。

セクターという、市場を見るレンズを持つ

ここまでお話を伺うと、「11のセクター」という考え方自体が米国市場を見るレンズになるように感じます。

まさに、その点を一番お伝えしたいです。セクターETFの魅力は、市場全体の動きだけではなく、「市場の中身」を見ることにあります。

例えば「不動産」や「公益事業」は金利の影響を受けやすい代表的なセクターですが、金利が低下する局面では資金調達環境の改善や、債券利回りとの比較で配当収入の魅力が高まることから、投資家の資金が流入しやすくなります。市場全体と同じような値動きを避けたいのであれば、こうしたディフェンシブセクターをポートフォリオに組み入れることも一つの方法です。大きな上昇は期待しにくいながらも下落しにくい傾向があるため、ポートフォリオ全体の値動きを抑える「保険」のような役割を果たしてくれるはずです。

S&P500と異なる動きをする傾向にあるセクター(公益事業や不動産など)は「防御的(ディフェンシブ)」で「配当が高い傾向」にある。S&P500と同じような動きをする傾向にあるセクター(情報技術など)は「景気敏感(シクリカル)」で「配当が低い傾向」にある

ETFは1口から購入できるため、まずは少額で試すことができます。実際に投資してみて、自分の考え方に合っていると感じたセクターがあれば、相場を見ながら少しずつ買い増していく方法も取りやすいでしょう。個別株のように1社へ投資するリスクを抑えながら、比較的少ない資金で始められる点もETFの魅力です。まずは一度、セクターETFによる投資を体験していただきたいと思います。

最後に、日本の個人投資家へメッセージをお願いします。

日経ビジネスを訴求の場として選んだのは、ビジネスへの関心が高く、投資や経済への理解も深い読者が多いと考えたためです。セクターETFを経験することで市場を見る解像度は大きく向上し、日々のニュースの見え方も変わってきます。一つひとつの出来事がどのセクターに影響を与え、どのような投資機会につながるのかを考えながら市場を見られるようになるからです。私たちも積極的に情報発信を行っていますので、ぜひさまざまな情報に触れながら、ご自身なりのマーケットビューを築いていただければと思います。

関連リンク

ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントのセクター投資特設ページ

* グローバルの運用資産残高には、約2兆2,039.8億ドルのETFの運用資産残高が 含まれ、このうち約1,568.1億ドル(2026年6月30日時点)はステート・ストリー ト・グローバル・アドバイザーズ・ファンズ・ディストリビューターズ,LLC(SSGA FD)が営業を行なっているSPDR商品に係る金資産の残高です。SSGA FDはステー ト・ストリート・インベストメント・マネジメントの関連会社です。運用資産額 は監査前の数値です。

当広告は情報提供のみを目的として作成したものであり、金融商品取引法およびその他日本の法律に基づく開示資料ではありません。お申込みに当たっては、必ず上場有価証券等書面や交付目論見書またはその他の開示資料の内容をご確認の上、ご自身でご判断ください。購入のお申込みや売買手数料等につきましては、当該ETFを取扱いの金融商品取引業者(証券会社等)までお問い合わせ下さい。

ETFに係るリスク

ETFは、値動きのある有価証券等を主な投資対象としますので、連動対象である株価指数等の変動、組入有価証券等の価格の下落、組入有価証券の発行会社の倒産や財務状況等の悪化、その他の市場要因等の影響等により、市場取引価格または基準価額が値下がりし、それにより損失が生じることがあります。 また組入有価証券は為替相場の影響を受けるものもあるため、為替の変動により基準価額が下落することがあります。したがって、投資家の皆様の投資元金が保証されているものではありません。
※ETFのリスクは上記に限定されません。

ETFに係る費用

市場を通してETFに投資する投資家の皆様には以下の費用をご負担いただきます
・売買手数料(お申込み時にご負担いただきます)
ETFの市場売買には、取扱い第一種金融商品取引業者(証券会社)が独自に定める売買委託手数料がかかり、約定金額とは別にご負担いただきます。(取扱会社毎に手数料率が異なりますので、その上限額を表示することができません。)
・保有時の費用
ETFの保有期間中は運用管理費用等を間接的にご負担いただきます。保有時の費用の率(総経費率)は個別のETF毎によって異なり、また運用状況や保有期間等に応じて異なることからその上限額を示すことはできません。
個別のETFの情報についてはウェブサイトの各ファンドページにてご確認いただけます。

ご注意事項

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社は、ETFについて、直接、投資家の皆様のお申込みを承っておりません。
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ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第345号
加入協会:一般社団法人資産運用業協会、日本証券業協会
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