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IoE導入事例:阪部工業株式会社/「とにかく機械を止めたくない」

機械部品の鋳造と加工を手掛ける阪部工業は、「突発停止」の撲滅とさらなる品質の向上を期待してIoEを導入。現場の加工装置をつなげたうえで、稼働状況の「見える化」をはじめ、装置の異常検出など新しい仕組みの実装を進めている。

改善のアイデアが次々
小規模な現場こそIoE

 「2016年7月ころからシステムの実装に着手し、2016年秋には稼働を開始。機能を拡張しながら運用しています。導入からまだ1年も経っていませんが期待以上の効果が得られています」(渡邊氏)。

 例えば、各装置の加工が終了するまでの残り時間がアンドンに表示できるようになったことで、一段と効率的に作業者が動けるようになった。「空き時間を正確に把握することで勘や経験に基づいた判断で行動していた従来に比べて、空いた時間をムダなく使えるようになりました」(渡邊氏)。現在、この仕組みを利用して、加工した部品にほかの部品を組み付ける工程を、この現場に統合する準備を進めている。

 渡邊氏は、導入から1年足らずでIoEがものづくりの現場に多くの可能性をもたらすことを確信したという。「様々な情報が現場から得られると改善のアイデアがどんどん湧いてきます。しかも、それを短時間で実践できるわけです。これは技術リソースが限られている中小規模の現場にとって大きな力になるはずです」(渡邊氏)。

阪部工業のIoEシステム
10台のジェイテクト製横形マシニングセンタと1台の他社製マシニングセンタをネットワークでつないでデータを収集するシステムを構築。集めたデータを生産マネジメントシステム「TOYOPUC-Hawkeye」を使って管理。各装置稼働状況など様々な情報を現場に設置した2台のアンドン(大型の縦型ディスプレイ)に表示するようにした。
IoEシステムを構成するジェイテクトの製品