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新局面を迎えたモノづくりの進化
現場革新に直結する
先進技術が続々

現場ですぐに始められるIoT

 「i-Automation!」を構成するキーワードである「intelligent」に関連して展開している大きなソリューションが、現場の「知能化」を加速させるIoTサービス基盤「i-BELT」である。機械学習型AIを搭載したマシンオートメーションコントローラーを中心に、20万品種を超えるオムロンの制御機器やパートナー企業の制御機器からデータを収集、データの「見える化・分析」を行い、機器制御に「フィードバック」する仕組みを提供する。このサービス基盤の中で、新たな進化の動きをいち早く見せているのがデータ収集の領域である(図3)。製造現場にIoTの仕組みを実装する際のハードルを下げる同社独自の工夫を盛り込んだユニークな状態監視機器を製品化した。「モーター状態監視機器」や「ネットワーク付パワーサプライ」「熱式液体流量センサーおよび液体圧力センサー」「スマート状態監視アンプ」である(図4)。

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図3現場のIoT活用に向けたデータ収集用デバイス群

 モーター状態監視機器は、コンベアやポンプ、リフターなどで使われている三相インダクションモーターの状態を検出する機能を1台に統合したユニットである(図4(a))。振動、温度、電流、絶縁抵抗を検出するセンサーのインタフェースと産業用ネットワーク「EtherNet/IP」のインタフェースを備え、センサーから受けた情報をデジタル化して、EtherNet/IPを介して上位のコントローラーなどに送信する。

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図4遠隔状態監視システムに向けて開発したデータ収集デバイス

 ネットワーク付パワーサプライは、設備内の機器に直流電流を供給するユニットである(図4(b))。EtherNet/IPおよびModbus/TCPのインタフェースを備え、交換時期までの年数、積算稼働時間、出力電圧/出力電流、出力ピーク電流のほか加熱、計測異常、メモリ異常などの自己診断情報を、ネットワークを介して送信する機能が組み込まれている。既存の電源ユニットを、このパワーサプライに置き換えるだけで、電源の遠隔状態監視システムが簡単に構築できる。送られてきた情報を可視化する専用ソフトウエア「Power Supply Monitoring Tool」も近く提供する予定だ。

 熱式液体流量センサーおよび液体圧力センサーは、複数のデータを同時に測定できるのが特徴(図4(c))。設備にセンサーを実装する際のコスト、工数、スペースの削減に貢献する。熱式液体流量センサーは液体の流量と温度を同時に測定でき、溶接機や成型機で使われている冷却水のモニタリングなどに適している。流量と温度を同時に測定することで、装置の加熱などによる故障の予兆を把握できる。液体圧力センサーは、圧力と温度の同時測定が可能だ。マシニングセンターやプレス機で使われている作動油のモニタリングなどに最適だ。油圧システムの異常を検出できるほか、作動油の劣化を把握して加工品質を管理するのに役立つ。

 スマート状態監視アンプは、アナログ出力のセンサーが接続できるアンプユニットである(図4(d))。制御出力やモニタ表示機能を備えており、別の通信ユニットと接続することでEtherCATやCC-Linkなどの産業用ネットワークに対応させることが可能だ。この製品を利用することで、アナログ出力を備える様々なセンサーを状態監視システムで利用できるようになる。

人と機械が協調した次世代ライン

 「i-Automation!」を構成する第3のキーワードである「interactive」(人と機械の新たな協調)をテーマにしたソリューションの1つが、「AI搭載型自動搬送モバイルロボット LDシリーズ」を利用した「フレキシブル生産ライン」である(図5)。多品種少量や混流生産に柔軟に対応可能な生産システムを実現する仕組みを提供している。生産ラインを構成する装置を固定した上で、生産計画に応じてモバイルロボットが装置を選択しながら装置から装置へとワークを運ぶことで工程を組み替える。従来の無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)とは異なり、磁気テープを床に貼るなど経路を示すための設備をあらかじめ設けておかなくても済む。このため品種や生産状況に合わせて随時経路を最適化できる極めてフレキシブルな搬送が可能となる。AIの機能を搭載し、人や物にぶつからない針路を自動的に選ぶモバイルロボットは、安全を維持しながら人と機械が協調する新しいモノづくり現場の実現にも貢献。オムロンは、生産計画に合わせてモバイルロボットの最適な搬送経路を割り出し、指示するシステムも併せて提供する。

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図5フレキシブル生産ラインの実証システム

 「i-Automation!」の登場とともに、製造業の新しい将来像に向けて革新を進めるための具体的なソリューションが着実に増えてきた。IoTやAIなどの先進技術を利用したモノづくりの現場革新は、いよいよ実践の局面を迎えたといえよう。

COLUMN
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富田 直寿

オムロン
営業本部 オートメーションセンタ
センタ長

ユーザーとともに制御の進化を追求

 オートメーションセンタは、オムロンが日本をはじめアジア、北米、欧州の世界9カ所に展開している機械制御に関するユーザーサポートおよび制御技術の開発拠点である。同センタには「テンションコントロール」や「制振制御」「走行台車」「ガントリ」「トルクコントロール」「アライメント・軌跡制御」「2連ロボット」「横ピロー包装」など、代表的な機構系を備えたモデル機械が、所狭しと設置されており、様々な制御機器や制御技術の検討および、パートナー企業の製品との相互運用性の検証を、実機を用いて実施できる環境となっている。「単なる製品や技術のショールームではなく、お客様が抱える制御の課題を解決するソリューションを創出する共同開発の場と位置付けています」(オムロン 営業本部 オートメーションセンタ センタ長 富田 直寿氏)。現在、世界全体で約200名の技術者を同センタに配置している。
 同センタが担う重要な役割の1つが、高度な制御を可能にするために同社のコントローラーに実装するソフトウエア部品(ファンクションブロック:FB)を開発することである。「お客様の課題をいち早く把握し、それを解決する制御技術やアルゴリズムを開発。さらに、それをソフトウエア部品としてライブラリ化します。こうして蓄積したソフトウエア群を利用しながら個々のお客様が先進的な制御システムを効率良く開発できるようにサポートします」(富田氏)。
 同社のこうした取り組みで注目すべきは、直接ユーザーと接する同センタの技術者が、そのまま制御アルゴリズムやソフトウエアの開発に従事していることだ。「お客様から直接課題をうかがっている技術者が開発した方が、最適なソリューションを素早く提供する上で有利です。かつては製品を活用するためのユーザーサポートがサービスの中心でしたが、約6年前から技術者のスキルアップを図り、センタ内でアルゴリズムやソフトウエアを開発する体制を強化しました」(富田氏)。すでに日本だけでなく欧州、北米のオートメーションセンタでも、この体制が整っている。さらにアジアの同センタにおいても、同様のサービスを提供すべく、技術者のスキルアップを進めているところだ。 本文に戻る

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オムロン草津工場のオートメーションセンタ

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