AI×IoTで加速するモノづくり革新
現場発の最も“リアル”なアプローチ

革新を加速する「i-BELT」

 現場のモノづくり革新に注力する同社が、intelligentの領域における顧客の取り組みを加速するためのソリューションとして、2017年10月から新たに提供を開始したのがIoTサービス基盤「i-BELT」である。ハードウェア、ソフトウェア、サービスを包含しており、大規模生産システムから中小規模の生産システムまで網羅する多彩なソリューションをi-BELTをベースに創出することが可能だ。これを利用して「高度1mから10m」の領域におけるモノづくり改革の軸となる一連の情報の流れ、いわば「情報のベルト」を構築することができる。

 つまり、機械学習型AIを搭載したマシンオートメーションコントローラを中核にして、20万品種を超えるオムロンの制御機器、およびパートナー企業各社の制御機器を介してデータを収集。それに「見える化」と「分析」を施して抽出した情報を、制御機器へフィードバックする(図4)。こうした一連の機能を提供する仕組みをi-BELTで実現できる。

 オムロンは、i-BELTで収集できるデータの範囲を拡大するために、入出力機器や制御機器を提供している様々なベンダーとの連携を拡大する方針である。

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図4AI搭載コントローラを中核にしたIoTサービス基盤「i-BELT」

「脊髄反射」を担う頭脳

 i-BELTの中核を担うAI搭載マシンオートメーションコントローラは、リアルタイム制御と機械学習処理とを並行して実行できるように設計されている。まさにi-BELTの「頭脳」である(図5)。「高度1〜10m」のモノづくり革新に適するように設計されており、人間の仕組みにおける「脊髄反射」に相当する機能を提供する。

 オムロンでは、工場・製造ラインにおけるAIの適用領域を大きく3つの階層に分けている。すなわち、工場全体をカバーする上位の「工場層」。製造ラインをカバーする「製造ライン層」。製造ラインを構成する様々な装置をカバーする「装置層」の3階層である(図5)。このうち工場層や製造ライン層で求められるのは、工場全体あるいはライン全体から集めたデータをもとにした因果モデルを扱う「大脳思考的AI」である。より大局的な最適化に役立つ情報を提供する。ただし、ネットワークのレイテンシや高度な情報処理などを伴うためレスポンスは遅い。

 「高度1mから10m」の領域に相当する装置層は速いレスポンスが必須の、「脊髄反射的」なAIが求められる。これを前提にAI搭載マシンオートメーションコントローラは、センシングデータのリアルタイムの収集、特徴量の高速な抽出、因果モデルとの照合、そして制御への速やかなフィードバックを可能にする機能を提供する。

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図5オムロンが考えるAIの3レイヤー

AIで実現する高度な制御

 高度な頭脳を中核にしたi-BELTは、様々な業界のモノづくり革新に貢献する。例えば飲料の充塡ラインでは、タンク残量、タンク内温度、充塡圧力、コンベア速度などのデータをリアルタイムに収集。あらかじめ求めておいた因果モデルからノズルの開閉量の最適値を得て、制御に反映することで、充塡量の高速化かつ高精度化を図ることができる。

 食品の包装ラインでは、包装フィルムの平行度などを学習させたモデルをもとに、「噛み込み」など包装フィルムの搬送時に発生した異常を検知して後工程に速やかにフィードバックし、不良品の発生を防ぐ仕組みも実現できる。こうしたi-BELTをベースにした先進的な仕組みを顧客の現場に実装する取り組みは、すでに始まっている。

 「機械にできることは機械に任せ、人間はより創造的な分野で活動を楽しむべきである」。創業者の立石一真が掲げたオムロンの企業哲学である。まさに、この言葉の実践ともいえるモノづくり革新があらゆる分野で進みつつある。時代を先取りしたコンセプトであるi-Automation! とそれを具体化するソリューションを提供するi-BELTは、製造業の新たな時代へのトビラを開く大きな力をモノづくりの現場にもたらすに違いない。

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