日経トレンディネット スペシャル

性能や耐久性にフォーカスした靴選び 今ビジネスマンに必要な快適シューズとは!

忙しい毎日を足元で支えてくれるビジネスシューズ。
読者諸兄も履き心地やデザインなどに留意して、こだわりの一足を選んでいることだろう。
しかし、最近では“機能性”も靴選びの重要なポイントとなってきている。
そこで今回は、2万円以下で買える売れ筋のビジネスシューズを集めて
“機能性”を徹底調査。最も総合力の高い「快適シューズ」を決定した。

温暖化やヒートアイランド現象で50mm以上の強い雨が増えた

「ゲリラ豪雨」という言葉が、流行語大賞トップテンに選ばれたのは2008年のこと。しかし、実際には、その10年前の1998年頃から強烈な雨が増え続けている。右のグラフを見ればわかるように、1時間当たりの降水量が50mm以上の雨が年間で発生した回数は、1998年頃から増加傾向が顕著に表れており、また、80mm以上の年間発生回数も増加している。

「ゲリラ豪雨」の直接の原因は、日中に暖められた地表付近の空気と、上空の冷たい空気の温度差によって発生した積乱雲によるもの。また、増加の理由には、地球温暖化やヒートアイランド現象も関係しているといわれている。

1時間降水量50mm以上の年間発生回数 10年あたり19.9回も増加

温暖化によって崩れだした気象バランス積乱雲の多発でゲリラ豪雨も増加

日経BPヒット総合研究所 上席研究員 渡辺 和博氏
							気象予報士 河合 薫氏

1986年、日本経済新聞社入社。日経パソコン、日経ビジネス、日経トレンディなどIT分野、経営分野、コンシューマ分野の専門誌編集部を経て現職。全国の商工会議所等で地域振興や名産品開発の講演・コンサルを実施

健康社会学者であり、気象予報士。全日本空輸を経て、気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。現在は、産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点からの調査研究も進めている

渡辺:今年は9月に雨が続くなど、例年に増して、おかしな天気が続いていますよね。

河合:温暖化によって、地球の気候バランスが崩れているのだと思います。寒暖差や雨の降り方などが、極端になっていますよね。例えば、20年前には1日に300mmの降水量で、100年に一度の雨といわれていました。しかし、この10年は500mmに変わってきています。さらに言えば、1時間に50mm以上の「ゲリラ豪雨」は、多いところでは1.6倍に増えています。

渡辺:その原因は何ですか?

河合:積乱雲です。大雨、大雪、雷、竜巻の原因で、一番の暴れん坊ですね。

渡辺:河合さんは元キャビンアテンダント。積乱雲は飛行機にとっても大敵ですね。

河合:実は、空の上にいたときは、天気を気にしたことはなかったんです。むしろ、お客様の靴のほうが気になっていました。

渡辺:どんなところに?

河合:手入れが行き届いているかどうか。服でかっこつけていても、靴がだめだとがっかりです。

渡辺:オシャレは足元からですね。

河合:私が天気に興味を持ったのは、靴を濡らしたくないから。濡れると靴内で雑菌が発生して、悪臭の原因にもなります。もし雨が降りそうなら、雨の日用の靴を履くのがオススメです。

ビジネスシューズのポイント!

  • 防水性が高い物を選ぶ

    最近の「ゲリラ豪雨」による降水量は、都市が処理できる治水キャパシティを超えており、道路が浸水することも珍しくない。よって、靴は雨粒を防ぐだけでなく、水に浸かっても靴に染み込まないほどの高い防水性が求められている。

  • 歩く上で重要な履き心地

    徒歩移動が多いビジネスマンにとって、履き心地は重要。履き心地の悪い靴を使い続けていると、足首を痛めたり、ケガをしてしまったりする。体に気を付けるなら、履き心地にはこだわりたい。

  • 多湿と雑菌は臭いの元

    足裏は1日で牛乳瓶1本分の汗をかくといわれている。また、この汗はアポクリン腺から発せられ、臭いも強い。さらに、靴の中は風通しが悪いので、高温多湿になりがちで、雑菌が繁殖しやすい。“機能性”はもちろん、消臭にも気を付けたい。

履き心地やデザインに加えて“機能性”も求められている

「できる営業マンは足元を見ればわかる」とは古くから言われていること。スーツと同じく、ビジネスシューズに気を使うビジネスマンは多いだろう。

以前は、靴といえば履き心地やデザインへのこだわりが強く、そこをメインとして靴選びをしている人も多かった。今では、履き心地やデザインにこだわるのは当たり前。最近ではそこに“機能性”といった要件が加わってきているという。

日経BPヒット総合研究所 上席研究員の渡辺和博氏は「“機能性”を持たせた文具の人気が高まっているように、靴もビジネスギアのひとつとして、“機能性”を求める人が徐々に増えつつあると感じます」と語る。一般的にビジネスシューズにおける“機能性”とは、歩きやすさに加えて、防水性や防滑性、耐久性、消臭性などの高さなどを指す。特に、プライベートでスニーカーを愛用する世代は、歩きやすさにこだわる傾向が強いという。そのため、足当たりをよくして長時間歩いても疲れないために、日本人の足型に合わせた木型を採用したり、軽量化やインソールのクッション性などに力を入れたビジネスシューズの人気が高いそうだ。

防水性や防滑性、耐久性、消臭性などの“機能性”へのこだわりには、「日本独自の環境」と「最近の天候」が関係している。「日本独自の環境」とは、言わずもがな、高温多湿の気候風土だ。健康社会学者で気象予報士の河合薫氏は「靴の中はまるで亜熱帯気候。以前、温度と湿度を測定したことがあるのですが、温度40度、湿度80%と雑菌が繁殖しやすい環境なんです」と教えてくれた。雑菌は悪臭を発生させるが、日本の靴は、天候も相まって、さらに臭いが強烈になりやすいといっていいだろう。

そして、「最近の天候」とは、温暖化をはじめとしたさまざまな要因により増えてきた「ゲリラ豪雨」のこと。営業など外回りが多いビジネスマンなら、滝のような雨に打たれてしまった経験があるだろう。傘を差していれば、全身がびしょ濡れという事態は避けられるが、どうしても足元は濡れてしまう。靴の中まで水が入ると、気持ちが悪いだけでなく悪臭の原因にもなる。そこで、最近のビジネスシューズ選びでは、防水性へのこだわりが増しているのだ。また、雨に濡れた靴底は非常に滑りやすい。東京都生活文化局消費生活部が調べた「ヒヤリ・ハット調査『降雨時の身の回りの危険』」によると、降雨時に、滑ったり転んだりなど、ヒヤリ・ハットの経験をした際に履いていた靴は、「革・合皮の靴」が60.2%と最も多かったという。

この、昨今の気候変動によって、ビジネスシューズに求められる機能は確実に増えてきており、加えて“機能性”の高さも求められている。では、実際に販売されているビジネスシューズは、これらの条件をどの程度高い基準で満たしているのだろうか。次のページでは、2万円以下の売れ筋ビジネスシューズを専門の研究機関で徹底調査。本当に優秀な一足を探ってみた。

専門家とともに日経BPヒット総合研究所が、2万円以下で購入できる売れ筋のビジネスシューズ7足を選定。「化学物質評価研究機構 東京事業所」にて、屈曲、耐水、摩耗、むれ防止、耐滑、はく離の6項目における試験を実施した。それぞれ、5つのクラスに分けて、どのビジネスシューズの数値が高いのか調査を行った。

一般財団法人化学物質評価研究機構
東京事業所

市場に出る前の化学物質の安全性試験から製品となった段階での各種検査、廃棄後の環境分析まで、化学物質の全ライフサイクルにおける試験検査と研究開発に取り組む第三者機関

  • 屈曲試験

    歩行時に靴の先で発生する屈曲を再現した試験で、一般的な規格では5万回が目安。今回は30度の屈曲を1分間に140回実施し、その動作を20万回繰り返した。試験終了後は、屈曲を行った甲部と底部における亀裂の有無を目視で確認。粗雑な靴では1万回程度で亀裂が発生するが、今回は、7社全ての靴に変化がなかった。

  • 耐水性試験
    (屈曲処理前、屈曲処理後)

    靴の甲からの染み込み、また、甲皮の縫い目や甲皮と靴底の間からの浸水がないかを試験。靴の甲と底の境目の最低位置から1cm上まで水に浸した。早い靴では1時間で浸水。8時間浸しても浸水しなかったのは7社中4社だった。さらに、5000回の屈曲試験後にも同様の試験を実施。うち、3社は屈曲試験後も浸水しなかった。

  • 摩耗試験

    回転する研磨材に、靴底から切り出した試験片を一定の力で押し付けて、削れた量によって靴底の減りやすさを計測。ゴム底の場合、粗悪な素材は減りが早く、クレームにつながることが多いというが、7社中4社が最高クラスの5を獲得。この4社の数値は、標準品質規格の規格値よりも1.5倍も高い数値だった。

  • むれ防止性試験
    (透湿率、発散率)

    履き口を密閉した靴の内部で水蒸気を発生させ、前後の靴の重量変化を測ることで靴の通気性を試験。靴が透過した水分比である透湿率と靴が放出した水分比である発散率を足した数値で、蒸れ防止性の高さを測定した。

  • 耐滑性試験
    (乾燥状態、湿潤状態)

    人工足型に履かせた靴を一定の重さでステンレスの板に押し付けて、板を水平に移動させる。これにより、滑りやすさの基準となる動摩擦係数の数値を測定。ステンレス板が乾燥した状態と濡れた状態の両方で耐滑性を調査した。

  • はく離試験
    (つま先はく離、全面はく離)

    つま先の接着強度を測るつま先はく離試験と甲と表底全体の接着強度を測る全面はく離試験を実施。接着強度が弱い靴は、つま先や靴の変形しやすい部分から剥がれが発生し、かかと方向へと剥がれの面積が大きくなっていく。

全社に共通した高い水準でのモノづくり特に耐水性の高さに驚かされる

一般財団法人 化学物質評価研究機構 理事	高分子技術センター センター長 近藤 武志氏
				日経BPヒット総合研究所 席研究員 渡辺 和博氏

渡辺:7足分の試験を実施して、どのような感想をお持ちになりましたか?

近藤:どこの会社も高い水準で作り込んでいると感じました。驚いたのは耐水性の高さです。靴の甲と底の境目の最低位置から1cm上まで水に浸すということは、完全に水没している状態。8時間浸けても浸水しない靴は、なにかしらの工夫をしているのでしょうね。

渡辺:ゴアテックスファブリクスなどの防水素材を採用しているメーカーもありますからね。

近藤:あと、普段はあまりやらない試験が、むれ防止なんです。今回は0.5〜1.1という数値が出ていましたが、感覚的には0.2〜0.3より上ならば不快感はないと思います。

渡辺:今回行った6項目のうち、特に重要な試験はあるのでしょうか。

近藤:重要というか、問題が発生しがちなのが、屈曲試験とはく離試験ですね。

渡辺:その問題とは?

近藤:屈曲試験は1万回で割れる靴もあります。はく離試験でも、強度が低い靴がある。実は、接着剤は意外に高額なので、接着剤を希釈したり、塗布量を少なくしたりすると、はく離しやすくなります。

近藤:さまざまなケースを想定して試験で再現されているんですね。靴の試験をここまでやっていることに驚きました。

総合的に良いビジネスシューズとは!?

今回の試験で、屈曲、耐水性、摩耗、耐滑性、はく離試験の5項目で最高ランクを獲得して総合1位になったのは、A社のビジネスシューズ。雨の日にも快適に履ける、アサヒコーポレーションの『通勤快足』だった。

※雨に関する耐水性、耐滑性で5を獲得したブランドを優先に判定

通勤快足

ゲリラ豪雨が増えた日本で雨に強いピッタリの一足

右ページの試験を行った結果、7足中、総合的に点数が高かったビジネスシューズは、アサヒコーポレーションの『通勤快足』だった。全6項目ある試験結果の中、5項目で最高クラスの5を獲得。特に、耐水性と耐滑性において際立っており、耐水性では、5千回の屈曲試験を行った後、8時間水に浸けても靴の中への浸水は見られなかった。また、耐滑性は唯一、最高クラスの5を獲得。「ゲリラ豪雨」が多くなった最近の天候に、ピッタリのビジネスシューズといえるだろう。もちろん、屈曲、靴底の摩耗、はく離といった試験でも5を取っており、耐久性の高さもお墨付き。足で稼ぐといわれる営業マンにとっては心強い結果だ。

「ゲリラ豪雨」にも強く、長期間にわたり履き続けられる『通勤快足』。その良さは、ぜひ、実際に履いて確かめてみてほしい。

日本人に合った木型にこだわる

『通勤快足』がこだわっているのは機能だけではありません。40万の足型を参考にした日本人の足に合う木型を使い、靴の型を製作。そこに一体成型するインジェクション製法でソール部を接着して履き心地を高めています。歩く機会が多いビジネスマンが快適に仕事をできるように、仕事の妨げにならない、足に合った靴の開発を心がけています。

株式会社 アサヒコーポレーション 執行役員
商品企画部長
塚本 栄治
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協力/株式会社アサヒコーポレーション