糖質は、そのとり方ととる糖質の種類が重要。セミナーレポート 糖質のとり方を見直す「糖質スローオン」のススメ
奥野雅浩氏 三井製糖 商品開発部 企画課長 「食品に使用される糖質の一部をパラチノースに置き換えるだけで、おいしさを損なわずに糖質スローオンの効果が得られます」
講演3 「糖質スローオン」についての製糖メーカーからの提案
消化吸収のスピードがゆっくり次世代の糖パラチノースとは

 「一般の健常人の方向けに糖を制限するのではなく、積極的に摂取することで健康を後押しする方法を提案できれば、食品市場の活性化につながる」。こう提案する奥野雅浩氏が紹介したのが、糖の一種である『パラチノース』だ。
「パラチノースの最大の特徴は、体に吸収されるスピードが砂糖の約1/5と、非常にゆっくりであることです。しかも、パラチノースと一緒にとった砂糖やほかの糖類の吸収もスローになるため、菓子などに使われる砂糖の一部をパラチノースに置き換えるだけでも、糖質スローオンを実現できます」

 パラチノースのカロリーは砂糖と同じで、甘さ控えめながら砂糖同様のしっかりしたボディ感があるため、糖質ケア食品に使用しても、味気なさは感じにくいという。
「パラチノースは添加物でなく、食品です。医療食や病院給食に採用されるなど安全性も担保されていますし、これまで、パラチノースが健康に与える影響についての研究が行なわれ、多くのエビデンスも得られています。糖質は重要なエネルギー源です。パラチノースは、糖を我慢する食事法から、『健康のために糖をとる』食事法へというトレンドシフトを促すうえで大きな役割を果たしうると思います」

藤田康人氏 インテグレート代表取締役CEO 「商品がヒットするには、機能を裏付ける『エビデンス』に加え、消費者やメディアに響く『ストーリー』、有効な『プロモーション』が必須」
パネルディスカッション 「糖質スローオン」で価値創造。糖質で差別化する商品開発の考え方
糖質スローオン、今後の展開に各界のプロフェショナルも注視

 セミナー後半では、佐藤氏、秋谷氏、奥野氏にマーケティングの専門家・藤田康人氏を交えて、糖質スローオンとパラチノースの可能性を探るパネルディスカッションが行われた。
 以前から講演などで「健康的に糖質をとることが大切」というメッセージを発信していた佐藤氏は、「例えばパラチノース入りの調味料やめんつゆがあれば、普段のごはんや麺を食べても吸収が遅くなり、健康にもダイエットにも有意義。こうした価値を訴求することで、糖質オフではなく、『質のいい糖入り』という新しい商品が生まれるのでは」とコメント。

 パラチノースを使用した商品開発について、奥野氏は「パラチノースは糖質の吸収がゆっくりなため、満腹感や集中力、エネルギーが持続します。この特徴を生かし、例えば『スポーツようかんプラス』(井村屋)や小腹が減った時用のお菓子など、すでに多くの商品が誕生しています」と紹介した。

 秋谷氏は、「『スポーツようかんプラス』のような商品は、効果に科学的な裏付けもあり、消費者にコンセプトが伝わりやすいため、小売業者としても売りやすく、魅力的。こうした"売れる必然性"のあるアイテムがもっと増えれば糖質スローオン市場はさらに盛り上がるはず」と話した。

 最後に藤田氏は「糖質カテゴリーはすでに十分に注目され、市場も成熟しつつある。そこに満を持して登場した『糖質スローオン』という概念、そしてパラチノース関連アイテムが、ヒットする可能性は十分と見てよいでしょう」と締めくくった。

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