球体が創るデザインの新潮流 球体の創風機Q × 球体の家

デザインの新潮流を生み出すには、固定概念を覆すことが重要だ。
だが、実際に人が使い、住むものとなれば、機能性や実用性が求められる。
パナソニックの創風機「Q」とBESS の「BESS DOME」は、
球体デザインというカタチで家電や住宅の固定概念を覆し、機能性と実用性を見事に調和させている。

三角形のフレーム構造で球体を構築、創造的空間を生み出す

球体は、人間をわくわくさせる力を持つ。四角四面の真逆であり、その丸みは遊び心を刺激する。BESSが展開する「BESS DOME」は、大規模な施設イメージがあるドームを使いやすいプライベートサイズに。「そもそも球体とは、自然の理にかなった合理的な構造なのです」と語るのは、BESS事業本部 広報担当の梶浦武人氏である。

卵の殻、貝殻、鳥の巣、動物の巣穴、モグラのトンネル、そしてこの地球自体も、ふっくらと膨らんだ、外圧に強い円形に類するシェル構造なのだ。

ログハウスで知られる同ブランドのラインアップに「BESS DOME」が加わったのは1989年で、その建築構造は、22年にドイツ・カールツァイス社の屋上に建てられた世界初のプラネタリウム実験ドームに遡る。球体は多面体に分割され、さらに三角形に細分化されるという考え方で、後に米国のR・バックミンスター・フラー博士がその理論を発展させ、シンプルで実用的な建築物をつくる「ジオデシックドーム理論」として完成した。

「BESS DOME」はその理論をベースにしている。

「ドームの最小構造体は三角形で、その理由は、三角形が圧力に対して非常に強い構造だからです。『BESS DOME』は三角形のフレーム構造で球体がつくられており、重量的な偏りがなく、必要最小限の部材でつくられているため、軽量で、地震の揺れに強いのが特長です。また球体構造は一点にかかった圧力を分散させるため、瞬間最大風速など強い外圧にも強いというメリットがあります」と、梶浦氏は説明する。

ドームの中の居住空間にも、さまざまな恩恵がある。その一つが“音の空間”。中央から発した音は全方位に拡散し反射して戻ってくるため、独自の魅力的な音場をつくる。また、球体の空間は、球体の壁に沿って空気がスムーズに流れ、自然対流を発生させるため、冷暖房効果が高まるというエコロジカルな利点もある。

だが「BESS DOME」の最大の特長は、やはり球体デザインが創り出す非日常性だろう。目指しているのは、機能的な枠組みを超えた、そこから広がる想像力あふれる暮らしや抱いていた夢、新しい企てを実現できる創造的で自由な空間だという。

株式会社 アールシーコア
BESS事業本部 BI本部 広宣販促 主査
梶浦 武人 氏

最小にして最強の三角形 ジオデシックドーム理論

四角形は外圧に対して潰れやすいが、三角形は強靭。ダイヤモンドなど鉱物の分子構造の基礎も三角形であり、フラー博士の「ジオデシックドーム理論」は自然界の法則なのだ

「BESS DOME」はBESS独自の木造マルチドーム構法でつくられる。ジオデシックドームの5/8球体を基本に設計され、全部で105個の三角形で構成されている

創風機「Q」と「BESS DOME」の非日常的な親和性

「BESS DOME」のように、球体で今までのデザインの概念を覆した商品がある。それがパナソニックの創風機「Q」。家電では珍しい球体のデザインから生み出されるのは、サーキュレーターとしてのパワフルな風と、扇風機としての心地よい風。だが「BESS DOME」と同様に、デザイン性だけでなく、機能的なメリットや快適性を追求しているのが特長だ。

「創風機『Q』は、個人的に発売当初から気になっていたのですが、その風に『1/fゆらぎ』を採用していると聞いて、さらに興味が増しました。BESSの家の内装は無垢(むく)の木が多いのですが、その木目は不均一で、ゆらぎ効果があります。またユーザーの半数以上が薪(まき)ストーブを設置していますが、炎のゆらぎも『1/fゆらぎ』です。その暖かさだけでなく視覚的にも癒やし効果があります」(梶浦氏)

もともと「BESS DOME」は、機能ばかりを追求したものではない。根底にあるのは、衣食住の“住”における遊び心であり、そこから喚起される創造性を大切に考えている。

「ドームの生みの親であるフラー博士は、“内部の空間と外部の空間を分断するものではなく、その反対に内部を外部に、外部を内部に浸透させるもの”と語っています。『BESS DOME』に一歩踏み入れると、意外にも大空間が広がっていて、そこに生じる非日常性が、常識を打ち破る創造力を刺激するのです」(梶浦氏)

「BESS DOME」は、360度の大きな自由空間で、創風機「Q」は360度の快適な空間を創り出すコンパクトなツール。中に入るか外から見るかの違いはあるが、創風機「Q」の球体デザインもまた、どこか非日常的で、人の気持ちをわくわくさせる要素を持っている。

さらに両方とも、“むしろ球体の形状は機能の追求の結果としてある”という点においても似通っている。ではいったい、創風機「Q」はなぜ球体デザインになったのだろうか? 次ページで、その真意を見ていこう。

置く場所が安定していれば、家具の上でも使用可能。インテリアとしても目を引くだろう

360度回転する創風機「Q」は、床置きで使用しても心地よい風を感じることができる

先進的な球体デザインの創風機「Q」だが、木目調の机の上に置いても違和感はない

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創風機 キュー