空気予報 空気の未来を考えよう
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赤ちゃんの肌と空気
皮膚の厚さは大人の半分

2016.11.16

(文/山田真弓)

赤ちゃんの肌はバリアー機能・保湿機能が弱い

もう少し、皮膚の組織の違いについて見ていこう。

バリアー機能のある表皮は「基底層(きていそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「角層(かくそう)」の4つの層からなる。基底層から角化細胞(表皮ケラチノサイト)が分裂して分化し、成熟するに伴い上方の層へ移行し、最後には死んだ角化細胞は膜状に積み重なり角層を作る。厚さ約0.02mmとごく薄い角層は、丈夫なたんぱく質でできており、その角層をさらに皮脂の膜が覆っている。この表皮の最表面にある角層、角層を覆う皮脂膜、そして角層細胞内にあるアミノ酸(NMF)やセラミドに代表される角層細胞間脂質の3つが、ほこりや菌の体内侵入を防ぐバリアー機能と、体の水分が体外に過剰に出ていくのを防ぐ保湿機能の役目をはたしているという。

赤ちゃんと大人の皮膚の違いはこの角層の薄さが大きい。角層が薄いということはつまり「バリアー機能・保湿機能が弱い」ということなのだ。

例えば皮膚が乾燥すると、皮膚の表面をおおう皮脂膜が欠如し、さらにセラミドが欠乏すると、角層がカサカサした状態になってしまう。すると皮膚から水分が蒸発しやすくなって、ますます乾燥していく。また細菌なども入りやすくなり、皮膚のトラブルが起きやすくなるという。

※参考資料:『アトピー性皮膚炎の最新治療』山本一哉著/主婦と生活社

(イラスト/熊谷由佳)

新陳代謝が活発! 皮脂が原因の湿疹もある

全身の皮膚がデリケートで乾燥しやすい赤ちゃんだが、一方で新陳代謝が活発なためにおこる湿疹もある。生後2~4週くらいは皮脂が原因の湿疹も起こることがある。

ここで皮膚の話に少し戻ろう。真皮は皮膚組織の大部分を占めており、皮下組織を除くと平均で約2mmと表皮より厚い。真皮は線維状のタンパク質「コラーゲン」が大半を占め、その間をゼリー状の「ヒアルロン酸」などの基質が、水分を抱えながら満たしている。これに「エラスチン」という線維状のタンパク質も加わって肌の弾力を生み出している。大人にとっては“美しい肌”の元になっているともいえるが、その真皮に「血管」「リンパ管」や、「皮脂腺」「汗腺」などの付属器がある。この付属器による生理的な機能がしっかり働かないと、肌トラブルにつながっていく。赤ちゃんの場合、この毛穴も未発達なため、出ていくはずの皮脂や汗が毛穴に詰まりやすいことも肌トラブルにつながるわけだ。

「大人も頭部、顔面、頸部、腋窩(えきか/わきの下のくぼんだ部分)、外陰部といった脂漏部位(皮脂分泌が盛んな部位)および間擦部(皮膚が密着して摩擦する部位)にトラブルは起きやすくなります」と山本先生。

毛穴の発達が十分でない赤ちゃんは、皮膚のトラブルが起きやすい

皮膚の発達が十分ではない赤ちゃんが、大人よりもリスクを負っていることはお分かりいただけただろうか。ではどうしたら赤ちゃんのデリケートな肌を守れるのか。 湿疹など肌のトラブルを防ぐ対策を、続いての「赤ちゃんの肌と空気【赤ちゃんの肌を守るにはどうすればいいの?編】」で見ていこう。

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