空気予報 空気の未来を考えよう
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換気と調湿で“空気質”向上!
子どもが安心できる生活のためにできること編

2016.03.03

(文/山田真弓)

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家の中で、部屋ごとの温度差を少なくすることは、ヒートショックを防ぐために有効だ。同時に家の中に取り込む空気をよりきれいなものにすることで、「空気質」を上げて、住む人の健康にも寄与することができれば、何よりだろう。

では空気質を上げるためには、具体的に何をすればいいのだろうか。

子どもは大人の2倍の空気を必要とする

きれいな空気、特に室内の空気を考えるときに重要なのは、人の健康に対して有害である、あるいは有害である可能性のある空気汚染物質をどれくらいゼロに近づけることができるかだ。つまり建材や調度品などから発生する化学物質の抑制、カビやダニなどのアレルゲンの抑制、PM2.5(微小粒子状物質)、カビ、花粉などの室内への侵入の抑制が、空気質の向上につながっていく。

HEPAフィルターで0.3μmまでの粒子を除去

ただし「空気の汚れは目に見えにくく、なかなか体感できません。知らず知らずに呼吸器の不調を訴えるということもあるでしょう」とパナホーム株式会社 住宅・技術研究所 居住環境研究室 中川浩室長は話す。また、同社の品質・環境本部 企画グループ チーフマネージャー 山田欽也氏は「そもそも空気がなぜ大切かというと、1日のうちで人間が体に最も多く取り込むものが水や食べ物ではなく空気だからです。特に子どもは大人の2倍の空気を必要とするとされています」という。

東京都福祉保健局「化学物質の子どもガイドライン(室内空気編)」によれば、大人と子どもの体重1kgあたりの空気の摂取量を比較すると、大人が体重1kgあたり0.3立方メートルに対して、子どもは0.6立方メートルを摂取していることになる。つまり空気の影響を受けやすいと考えられるわけだ(子どもの体重は1〜6歳の平均体重15kg、大人は日本人標準モデル50kgとして算出)。

特に2歳までの子どもは肺が未成熟なため障害を受けやすい。このため空気質を向上することは、子どもが安心できる生活を目指すために必要なことといえる。

エコナビ搭載換気システムHEPA+は2015年度のキッズデザイン賞も受賞。「創業時から空気の質にこだわってきた」と中川氏

通風と換気は大違い

室内の空気をきれいにするのなら、天気の良い日に窓を開け放って空気を入れ替えれば早いのではないかと思うかもしれない。しかし中川室長は「換気は、窓を閉めた状態で汚れた空気を排出し、新鮮な外気と入れ替えること。特に断熱性、気密性が高い現代の住宅においては昔の暖をとる方法から、部屋を暖める方法に暖房方式も変化しており、窓を開けない空調時に空気の入れ替えをすることが大事になってきていると思います」という。

空調時は熱ロスが大きいため、窓を開けないことが多い。すると室内の空気質は下がる一方で、シックハウスの原因にもなり得る。そこで換気をするわけだが、「窓を開けて空気を入れ替える行為は通風と言いますが、花粉やPM2.5が飛散するシーズンや、高速道路や幹線道路などの近くにお住まいで大気汚染が感じられるエリアで、窓を全開にして、たくさんの外気を取り込んでも室内の空気の質があがるとはいえないでしょう」(中川室長)。つまり、空気の入れ替えをしても室内の空気質は下がってしまう可能性すらあるのだ。

建物は外装材と石膏ボードの間をロックウールなどで断熱。熱の伝わりやすい窓には複層ガラスのほか、サッシ室内側をアルミではなく樹脂にして熱伝導を抑えている。

パナホーム株式会社
品質管理グループ兼品質評価センター
チーフマネージャー
増田典晃氏

「建築基準法の改正により2003年から、一般戸建て住宅などに24時間換気設備の設置が義務化されました。もちろん、スイッチがありますから住まい手の判断で24時間、換気設備を使わないことも可能ですが、健康上は使っていただきたいと考えています」と同社の品質部 品質管理グループ兼品質評価センター チーフマネージャー 増田典晃氏は話す。

もちろん換気設備を使ったら窓を開けてはいけないわけではない。あくまでも空気質の向上のために、24時間の換気システムを使う「計画換気」が大切なのだ。